乙女ゲームの破滅フラグしかない悪役令嬢に転生してしまった… / はめふら

乙女ゲームの破滅フラグしかない悪役令嬢に転生してしまった… / はめふら

『乙女ゲームの破滅フラグしかない悪役令嬢に転生してしまった…』とは、乙女ゲームの世界に転生した主人公が、自分の破滅フラグを回避すべく奮闘する異世界転生系小説であり、それを原作としたアニメである。作者は山口悟。小説投稿サイト『小説家になろう』にて本編が連載され、後に一迅社文庫アイリスよりライトノベルとして出版される。ライトノベルの2巻までが『小説家になろう』の本編に相当し、3巻以降は文庫版の書き下ろしである。2020年にテレビアニメ化され、略称「はめふら」で親しまれる。2021年に第2期が放送。

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乙女ゲームの破滅フラグしかない悪役令嬢に転生してしまった… / はめふら
7

チート、無双一切なし。男性が読んでも笑えるのでそこそこオススメ

なろう小説発のゲームの世界への転生もので、主人公は日本では活発であだ名が野猿(木登りが特異なことに由来)な底抜けのお人好しで頭が弱めの女子高生が、死ぬ前にプレイしていた乙女ゲーの世界で主人公に嫌がらせをする悪役面の令嬢に転生するお話。
男性が読んでも~という理由は、レビューを書いている私自身が男だから。普通に笑える。
というのも、本来は我儘放題のクソガキだったはずの悪役令嬢カタリナの幼少期に転生したため、この手の物語ではよくある破滅フラグをへし折りに行き、さらには保険を掛ける……のだがその努力の方向がおかしい。
破滅フラグを回避しようとするあまり、剣術を習おうとする、対象の苦手なもののおもちゃを作りそれを投擲する訓練を積む、さらにはゲームの攻略対象はおろか、ゲームにおいては恋のライバルとして登場するはずの令嬢たちさえ誑し込む。
破滅した場合の保険は何と農民になると言い出し、家庭菜園を作るといいながらガチの畑づくりを始める。
挙句、ゲーム本編開始時に魔法学園へ愛用の鍬と作業着にほっかむりを持ち込む。
挙句の果てには本来の主人公、マリアまで誑し込むという人たらしぶり。もはや笑うしかない。
一応、乙女ゲーっぽさ、少女漫画っぽさが無いわけでもない。実際、原作の5巻以降は攻略対象の1人にして主人公曰く形式上の婚約者の第3王子が積極的にアプローチを書けるようになり、主人公もそれを自覚するようになる。
シリアス展開もないわけではなく、各エピソードの後半はわりとシリアスになりがちではある。が、それを差し引いても大体オチもつくし、前半は基本的にドタバタ劇になるので悪くはない。
チートものが多い異世界転生系において、チートも現代知識で無双も一切ない、ただ人柄だけで成り上がるその様はチートものとは別の楽しみができる。
普通に面白いので気になったら読んでみるのも悪くないかもしれない。