最初から最後までよかった
今回の映画は主要キャラが非常に多かったので活躍できないキャラが出てくるかと思ったが、ほとんどのキャラに見せ場があったのがとてもよかった。
警察学校組の中で最もはやく亡くなってしまった萩原刑事は原作、アニメでもあまり描写がなく今回の映画でも出番は回想のみになるが、関連する人物達が重要な場面で彼のことを思い出し、結果彼の存在が多くの人たちの命を救った展開に思わず涙した。劇場版初期にはよく流れていたメインテーマ「きみがいれば」が流れたのも長年のファンとしては非常に嬉しかった。
オープニングの「俺は高校生探偵工藤新一」と説明するシーンはここ数年作品のテーマに合うよう趣向が凝らされているが、今作は特に気合が入っていてオープニングだけみても楽しめるものになっていると思う。
今作はアクションが多めでいつも以上にハラハラする展開が多かった。だからといって人間ドラマを蔑ろにしているわけではなく、多数のキャラの深い絆や愛情、信頼を感じることができた。犯人についてはメタ的な見方をすれば特定しやすいと思ったが犯人が判明してからも降谷零とのバトルシーンがとても見ごたえがあった。いい意味で劇場版らしいぶっ飛んだ犯人だったとおもう。また主題歌の「クロノスタシス」は大切な人を亡くした者に寄り添うようなやさしい曲だった。
コナンをよく知らない人でも内容の濃さでひきつけられる、ファンであればより深く楽しめる作品だったと思う。