Idlewild / アイドルワイルド

Idlewild / アイドルワイルド

アイドルワイルド(Idlewild)とは、1995年に結成されたスコットランド・エディンバラ出身のロックバンドである。イギリスで30万枚以上のアルバムセールスを記録するなど、長期にわたり同国の音楽シーンで活動を続けている。
1997年のデビュー当初は、パール・ジャムやニルヴァーナなどの影響を受けたノイジーなパンク・サウンドを特徴としていた。2000年の2ndアルバム『100ブロークン・ウィンドウズ』以降は独自の音楽性を追求し、2002年の3rdアルバム『リモート・パート』では全英チャート3位を記録するヒットとなった。2005年の『ウォーニングズ / プロミシズ』を最後にレーベルを離れてインディーへ移行し、フロントマンのロディ・ウォンブルによるソロ活動や作品発表を挟みつつ自主制作でのリリースを展開した。
2010年に一時活動を休止したものの、2013年に活動を再開。2015年には約6年ぶりとなるアルバム『エブリシング・エヴァー・リトゥン』をリリースした。結成25周年に際しては記念ツアーの開催や回顧録の出版が行われ、2025年にはロッド・ジョーンズがプロデュースを手掛けたセルフタイトル・アルバム『Idlewild』を発表し、全英16位およびスコットランドのチャートで3位を記録した。日本には1998年の初来日公演のほか、2007年の「ブリティッシュ・アンセムズ」などで来日を果たしている。

9ppastelcolor123のレビュー・評価・感想

Idlewild / アイドルワイルド
8

歌う都市生活者の孤独

UKロックに興味があり、自分のエゴイズムを吐き出せず、持て余している人に触れてもらいたいバンドです。
勧める理由はただ一点、デビュー以降、ボーカル中心のロックバンドとして成長しながら、一貫して孤独な人間の視点で歌うことを続けているという点です。
彼らの楽曲にはフロントマンであるロディ・ウォンブルの世界観が非常に強く反映された歌詞が色濃く存在しています。

このバンドは1990年代後半にデビューしており、いくつかのアルバムをリリースしながら時代とともに成長していきました。
伴うように楽曲も勢いを強く感じるものから、間への意識を感じる落ち着いたものへと移行しています。
グランジの影響を感じさせるパンクバンドから、徐々にクラシカルなギターロックバンドへと変化していったのです。
活動拠点を移しながら楽曲を作り続けた彼らの変遷がそこにあります。

しかし一方で、歌詞から孤独の色が消えることはありません。
十代の子供から大人に成長した一人の人間の視点があり続けます。
そこには自己憐憫などは存在しない、ロディ・ウォンブルの見た世界が存在します。

大仰な夢を見ることもなく、かと言ってかわいそうな自分があるわけでもない。
そんなありふれた人間の詩才を乗せたUKロックバンドの楽曲が響く人間はきっと少なくないはずです。
毒になるわけでも薬になるわけでもありません。
それでもこのバンドは人の心に届く楽曲を演奏していると私は思います。