甲子園の感動を届けたい、爽やか青春ストーリー青空エール
「青空エール」は集英社発行の月刊誌、別冊マーガレットで2008年から2015年まで連載されていました。
主人公の小野つばさは小学生の時にテレビで見た、高校野球の応援席から力強く鳴らされるトランペットの音に感銘を受け、札幌市立白翔高校吹奏楽部の入部を決めます。しかし白翔は近年では金賞から遠ざかっているとはいえ名の知れた名門校、高校から初心者のつばさは入部テストである硬い風船を膨らませるところからつまずいてしまいます。そんなつばさを、クラスメートで野球部員の山田大介が「俺が甲子園のマウンドに立って、小野が応援席でトランペットを吹いてる光景が見えるよ。頑張れ」と励まします。この2人は最初はお互いの部活のことを励ましあう友達でしたが、つばさが少しずつ大介に恋心を抱いていることを意識するようになります。部活一辺倒でなく、恋愛や友情もストーリーに絡んでいて面白かったです。
夏の高校野球、北海道大会に向けた支部予選で、負傷した先輩に代わって1年生の大介がキャッチャーとして試合に出ることになりました。しかし自分のミスで試合に負けた大介はグラウンドにしゃがみこんでしまいます。自分が大介を励まそうと、つばさが応援席で一人校歌を演奏したシーンがとても印象に残っています。
この作品では吹奏楽の同じパートのメンバーはもちろん、先輩も後輩も切磋琢磨して全国大会という目標に向かって頑張っているところがとても好きです。読んでいて晴れやかな気持ちになるのでオススメします。