宇宙よりも遠い場所 / よりもい / A Place Further Than The Universe

宇宙よりも遠い場所 / よりもい / A Place Further Than The Universe

『宇宙よりも遠い場所』(そらよりもとおいばしょ)とは、マッドハウス製作のオリジナルアニメ作品。国内外で絶賛された作品で、「2018年 最も優れたテレビ番組」の1つに選出された。略称は「よりもい」。
何かを始めたいが何も始められない高校2年生の玉木マリは、周りに無理と言われ続けながらも夢を諦めない少女、小淵沢報瀬と出会う。高校を中退した三宅日向と、タレントをしているために友達を作ったことのなかった白石結月の二人も巻き込み、4人はそれぞれの理由から“宇宙よりも遠い場所”こと『南極』を目指していく。

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宇宙よりも遠い場所 / よりもい / A Place Further Than The Universe
10

すべてのアニメを過去のものにした。最高の青春ロードストーリー!

明日どこにいるのか、明後日どこを進んでいるか想像できない世界にそれでも、踏み出す。

初めて遠くに旅行に出るときに、自分の空になった部屋に「行ってきます」と言ったことはないですか?
想像しているうちは楽しいけど、いざ足を動かすと怖くなってしまうことはないですか?
それでも、踏み出したことでかけがえのないものを得たことはないですか?

このアニメは、そういった誰もが感じたことのある、初めての冒険をもう一度味わえる作品です。
大きな挑戦をするからには、これまでの殻を破る必要があります。
中には、思い切って手放さなければいけないものもあるかもしれません。
その冒険に、手放したものを超える価値があるのか、思い切るだけの意義があるのか、そんなことは分かりません。
それでも、ここじゃないどこかへ、今しかできない大きいことを、自分を変えるため、得難いものを得るために、主人公たちは南極に向かいます。

女子高生、南極へ行く。突拍子もないテーマです。
ある意味では、昨今流行りの「オッサンのやることを、女子高生にやらせるシリーズ」の1つの終着点とも言えるかもしれません。
最終回では、堺雅人主演「南極料理人」を思わせるシーンも登場します。
ただ、見どころは「南極」というテーマ設定だけではありません。全13話の、その多くの時間は、南極に向かうための主人公たちの挑戦が描かれています。
その、一切の妥協のないストーリー展開。全13話の根底には常に一貫したテーマが大きな川のように流れながらも、一話一話、その回に発生したトラブルや出来事は必ずその話で決着させる。捨て回や、カタルシスを貯めるための後味の悪い話は1つもありません。
それでいて見終えた後の満足感はすさまじい。それは30分とは思えない秀逸な脚本と、こだわりぬかれた絵に支えられています。
背景のカラーチャートは国内シーンと海外シーンで空気感を変えるためにテレビアニメとしては異色の2パターン設定を設け、その豊かな背景の中をよく動くアニメーションでキャラクターたちが生き生きと活躍します。

旅行が好きな方、良質なアニメーションが好きな方、青春ストーリーが好きな方に、是非おススメしたい作品です。