被害者と加害者と傍観者
残酷な話ではあるけれど、とても教育的なアニメだと感じました。
現代社会でもいじめ問題は尽きないと思います。そんないじめに関わる話でもあるのですが、私は聴覚に障害がありいじめを受けた西宮硝子と、いじめの主犯格となった石田将也のどちらでもなく、そのいじめ現場に一緒にいたり、見ていた傍観者に対して疑問を抱きました。
私自身がもしこの話のような場面に遭遇したらどうしただろうか、と考えさせられました。ですが、絶対にいじめを止めるべきであったし、石田将也だけをいじめの主犯格にして良かったのだろうかと思いました。これはいじめの被害者、加害者、傍観者云々の話ではないし、一人一人の心の声を聞いてあげることが出来たならと思いました。
話の中に手話で会話をするシーンが多々出てくることもあり、自分も手話を覚えてみたいと思ったのと同時に、耳が聞こえることの大切さに改めて気づかされました。
被害者の家族、加害者の家族が関わるシーンは泣かされます。それぞれに思うことがあって、でもその思いを伝えることは難しい。それは相手が聴覚障害であるからでもなく、人間ってどことなく不器用なのだなと思いました。ラストシーンは心の中が温かくなりました。