煙と蜜

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煙と蜜
8

大正ロマン、年の差ラブ

舞台は対象5年の名古屋。12歳の姫子と30歳文治の年の差恋愛漫画です。許嫁同士の恋愛模様です。文治のことが好きすぎてどうすればいいかわからず、嫌われないよう、仲良くなれるよう頑張る姫子が可愛いです。1話では、文治へお茶を出す時にしゃっくりが出てしまい、止まらない状態のまま運んでいきますが、恥ずかしがって嫌われてしまうのではないかと悩む姿が恋愛をしている人の共感を呼ぶと思います。最終的に文治が止めてくれるのですが、その動作に真っ赤になってしまう姫子が初々しいです。許嫁にときめきながらも病弱な母親を気遣い世話をしたり、女中の仕事を手伝うなど、常に自分ができることを探し行動していく姫子の健気さにも心動かされます。最初は文治は姫子のことを許嫁殿と呼んでいたのですが、お月見の夜、月の愛称が多いという会話から、自分のことも名前で呼んでもらえないかお願いするシーンは、読んでいる側もドキドキします。また、台風が来た夜のこと、風雨対策のために駆け付けた文治が泊っていくことになり、夜を一緒に過ごせるだけでなく、一緒の部屋で寝られることになり嬉しさと緊張が混じった姫子も可愛いです。普段は軍服の文治が着物姿になり、色気が漂います。病状が悪化した母親が回復してきたため、おいしいものを食べてもらおうと女中が作りすぎたおかずを、訪ねてきた文治が平然と平らげたので気持ちが良かったです。姫子の恋の一方通行ではなく、文治も職場で若い女性が楽しめる観光スポットを色々聞いていく回があり、相思相愛の関係が伺えます。姫子が結婚できる年齢まであと3年あるようなので、続きが気になります。