セトウツミ

セトウツミ

『セトウツミ』とは『別冊少年チャンピオン』にて2013年から2017年まで連載された此元和津也(このもと かづや)による漫画作品とそれを原作とした映画、ドラマ作品。大阪のとある河原で男子高校生内海(うつみ)と瀬戸(せと)が他愛もないおしゃべりをする姿を描くコメディー漫画。漫才のような二人の会話が人気だが、最後に大きなどんでん返しがあることでも有名。2016年に池松壮亮と菅田将暉のダブル主演で映画化され、翌2017年には高杉真宙と葉山奨之のダブル主演でドラマ化もされた。

hirankey-10006のレビュー・評価・感想

セトウツミ
10

今までにない新感覚のジャンルを超えた漫画

二人の高校生が、毎日放課後に落ちある川沿いでのおしゃべりがメインのストーリーです。
全ての進行は二人に会話により進みます。コミックで全8巻。何度も読み返すとそのたびに新しい発見がある、今までにない稀有な漫画。
舞台は大阪、登場人物のセリフもオール関西弁です。絵のタッチはとても繊細で、人物も風景もとても丁寧に描きこまれています。
何よりも、会話のテンポのよさとそのセンスの圧倒的面白さ。漫才のようなノリと突っ込みの応酬で、気がつけばその世界観にどっぷりとはまってしまいます。
外見も中身も正反対の二人の主人公。かたや天才児といわれた過去を持つほどのインテリ、かたやかなりアホだけど心優しいクラスの人気者タイプ。それぞれ家庭や人間関係、恋の悩みを抱えながら、お互いに放課後のひとときのおしゃべりタイムを楽しみに毎日を過ごしています。
不器用ながら、相手を思いやり、時にはケンカし、時にはかばいあい…。大人たちから見れば、くだらないおしゃべりをしながらたむろしている高校生たち。でも、その価値は彼らにしか分からない一生の宝物のような時間なのです。これこそが、思春期の少年たちが必ず経験する、切なくも愛おしい日常なのです。