村下孝蔵

村下孝蔵

村下孝蔵(むらした こうぞう)とは、日本のフォークシンガー、シンガーソングライターである。1953年2月28日生まれ。熊本県水俣市出身。実家が映画館を営んでいた影響から幼少期より映画や音楽に親しみ、特にザ・ベンチャーズをはじめとする洋楽ロックやポップスに強い影響を受けて育った。
高校卒業後に一度は実業団の製鉄所へ入社し水泳選手として活動したものの、音楽への情熱を断ち切れずに退職。その後は広島へ移り、音楽活動と並行してピアノ調律師の資格を取得するなど下積みを重ねた。インディーズでのアルバム発表を経て、1980年にシングル「月あかり」でプロデビューを果たした。1981年の「春雨」や、札幌の有線放送から火がついた「ゆうこ」などで徐々に注目を集め、1983年に発表した5枚目のシングル「初恋」がオリコン最高3位を記録する大ヒットとなった。
哀愁を帯びた叙情的なメロディーと、日本語の美しさを大切にした丁寧な歌詞、そして圧倒的な歌唱力で多くのファンを魅了した。フォークの精神を貫きながらも、卓越したギター演奏技術による「ひとりベンチャーズ」をステージで披露するなど、独自の音楽世界を築き上げた。
体調不良を乗り越えながら全国ツアーや楽曲制作を精力的に続けていたが、1999年6月20日のリハーサル中に倒れ、同月24日に高血圧性脳内出血のため46歳で急逝した。

fukkomi3y4のレビュー・評価・感想

村下孝蔵
10

その美しい世界観をもっと味わいたかった!夭逝の天才ミュージシャン・村下孝蔵

村下孝蔵は1980年代から1990年代に活躍したフォークシンガーです。歌詞は日本語での表現が多く、叙情的で美しく繊細な言葉を使うことが多いです。また歌声は、角がなく優しい。主にギターを愛用していましたが、もともとピアノの調律師というだけあって音楽に造詣が深かったようです。ギターを弾くテクニックも優れており、フォークブームが過ぎ去りつつある中でもヒット曲を生み出します。代表作は「初恋」「踊り子」「陽だまり」などがあります。特に「初恋」は大ヒットし、村下孝蔵の最大のヒット曲となります。うまくいかない恋心、初恋独特の感傷的な詞とメロディー、そして村下孝蔵の歌声が見事に合致した曲といえるでしょう。「踊り子」は、不安定な男女の恋愛をここでも美しい日本語詞で描いています。ですがやはり、フォークソングのブームは去ってしまいヒットする曲の数は減ってゆきます。それでも彼は時流に流されることなく自分の音楽の作り方を最後まで曲げませんでした。村下孝蔵は46歳で急逝してしまいますが、「初恋」をカバーしているシンガーもいまだいるのでぜひ聴いてみてはいかがでしょうか。きっといつか胸に抱いた、淡い恋心がよみがえるはずです。