なぜか口ずさんでしまう独特のうねりあるサウンドミュージック
シュワっと弾けるようなポップミュージックを体現しているバンドがある。2013年に神奈川県で結成された「sumika」だ。彼らの名を知らない者はいないとまでは言わないものの、その独特のうねりのあるサウンドは、聴く者の多くを虜にしている。
sumikaは、片岡健太(Vo,Gt)、黒田隼之介(Gt)、荒井智之(Dr)、小川貴之(Key)からなる4人組バンドで、曲作成やバンドの際には毎回ベースをゲストとして迎え入れて活動している。彼らの魅力は、なんといっても思わず口ずさんでしまうような軽やかな音楽である。2ndミニアルバム「I co Y」に収録されている「ソーダ」は、まさに彼らの音楽性を詰め込んだ作品だと言える。男女の淡い恋をソーダの炭酸を使って表現したこの曲は、音楽自体もシュワシュワと弾けるようなポップ調になっており、自然と体が揺れる曲だ。「ソーダ、泣いちゃいそうだ」と韻を踏んだ歌詞も、切なさを感じさせつつもポップさを生かしており、気がつけば「ソーダ…」と口ずさんでしまう自分がいる。また、4thミニアルバム「アンサーパレード」と1stフルアルバム「Familia」に収録されている「Lovers」は、ピアノが光る曲だ。愛に対する嘘偽りのない本音を歌ったこの曲は、sumikaの代表曲といっても過言ではない。鍵盤の上を縦横無尽に小川貴之の指が駆け巡り、軽快なピアノの音でポップさを生み出している。ライブでは必ずといっていいほど演奏され、サビでは片岡健太に合わせて「ねぇ!」と合いの手を入れて盛り上がる定番曲だ。
sumikaの音楽はポップだけではない。黒田隼之介のギタープレイが光る激しいロック、哀愁漂う小川貴之のピアノの音色と力強い片岡健太の歌声で魅せるバラード、荒井智之のドラムの存在感を存分に感じさせる大人なジャズと、彼らの音楽は多種多様だ。時には激しく力強く、時には目を閉じてしんみり、そして時には体を揺らしてリズムを楽しむ。どんな時でも、sumikaの音楽は十人十色の感情に訴えかける引き出しを持っている。だからこそ、彼らは私たちの「住処」なのかもしれない。