ラーメン天上天下はこれで掴め! ラーメングルメ漫画「ラーメン発見伝」
料理漫画は数あれど、読者に強烈なインパクトを与えたライバルキャラがいる料理漫画はさほど多くありません。
マンガが終了しても今なお、その正論ぶりから多大な人気を誇る某ハゲが登場するラーメングルメ漫画、ラーメン発見伝を紹介したいと思います。
ラーメン発見伝とは
ラーメン発見伝は、2000年からビッグコミック・スペリオールにて連載されたグルメ漫画。
その題名通り、題材をラーメン一つに縛ったグルメ漫画で、古今東西のラーメンを研究し分析する漫画です。
主人公は、自分のラーメン屋を開くことを夢見るサラリーマン、藤本浩平。
ラーメンに対して真摯な態度で接する若き天才なのですが……
読者の人気は、そのライバルキャラクターの方に集中してしまいます。
魅力的なライバル 芹沢達也
まずその見た目のインパクトが凄まじい、本作のライバルキャラクターが芹沢達也その人。
すでに大人気のラーメン店を経営するラーメン職人で、なにかと主人公・藤本に絡んでくるのですが……
その言動がいちいち、すごいんです。
まず、ラーメン屋でありながら、店を訪れる客を基本的に信用していません。
客とはこういうものである、というステレオタイプを絶対視し、事実それに従うことで自身のラーメン店を成長させました。
その発言はいちいちが正論であり、感情論では言い返せないことがほとんど。
苛立ちはするが憎めはしない、そんなキャラクターとなっています。
芹沢達也の名言・名セリフ
ただラーメンを作るだけがラーメン店ではない、という経験則からの持論があり、芹沢達也はそれを絶対に崩しません。
そして言うことがすべて、間違いと言えない正論。よって、その実力の高さ・越えられない壁という空気がひしひしと感じてきます。
たまには主人公・藤本が鼻を明かすこともありますが、その頻度が絶妙で、まさしく主人公を高みに引っ張っていってくれる良いライバルキャラとして機能しています。
悪態をつき、嫌味を言う。そんなキャラクターでありながら人気が高いのは、やはりただの悪者キャラクターではない、ということからでしょう。
主人公の意見にほだされて、自身の決心を変えることもなく、ただただ強力なライバルとして君臨し続ける。
強烈なインフレの起きづらいグルメ漫画だからこそ出来たライバル像ではありますが、この強者としてのライバルの姿は、すべてのバトルジャンルの漫画には見習うべきことなのではと思います。
ちなみにトップ画でも使ったこのコマですが、よくつけ麺否定派に持ち上げられてはいますが、この後自身で、つけ麺には可能性を感じていた、と改良型のつけ麺を持ってきています。
ラーメンというジャンルに及ぶものならば、その腕を遺憾なく振るって創造する、ありがちな全否定系ライバルではないことも、人気の秘訣なのではと思います。
あらすじ・ストーリー
ライバルの芹沢達也に傾倒しすぎでしたが、肝心のメインストーリーは、よくあるグルメ漫画と同じ、お悩み相談と解決です。
ラーメンに使われるスープやタレ、麺などに問題がある店を改良し、よりよい店にする、という基本的な部分を抑えているので、普通に読む分にはただの料理漫画と変わりありません。