『笑ウせぇるすまん』の幸せになったお客さま方(ネタバレあり)
毎回毎回どこからともなく現れて、「お客様」の「ココロの隙間」と称する欲望を刺激しては、自滅に追い込む喪黒福造氏。大概「お客様」が悲惨な目に遭って終わるんですが、幸せになったお客様もいることはいるんです。
喪黒氏曰く
『ギミア・ぶれいく』なる番組でアニメ化されていましたが、主人公にして自称セールスマンの喪黒福造氏は、スペシャルの際こんなことを言っていました。
「みなさん私を非道だとおっしゃいますが、『お客様』が約束を破っただけですよ」。確かに、喪黒氏は「満たされないお客様」の「ココロの隙間」を埋める前後に対し忠告をします。そして、「お客様」が誘惑や欲望に負け、忠告を無視した結果…。
となって、廃人になったり、誘惑の対象の虜になったり、身を滅ぼすのが大半です。その中で「幸せになったお客様」をご紹介。
今で言う婚活倶楽部にて
妻や姑からあんまりな扱いを受けている男性が「お客様」です。喪黒氏に今で言うところの離婚経験者専用の婚活倶楽部を紹介されます。そのクラブで出会い、再婚した会員の離婚率は0%。妻とは離婚し、パーティーに出席。美しい人と出会い、意気投合。結婚に至りました。新しい結婚相手は気立てがよく、料理も得意で前の妻とは何から何まで違っていました。そう、性別も…。
うっすら髭の生えた顔、低い声で「お前って呼んで」と甘えかかる「新妻」にデレデレな男性。今の時代だったら素直に「おめでとう」と言えますが、この話が原作にあったんだとしたら相当のインパクトですよね。もしかすると、クラブの規約で「同性じゃないとダメ」って決まりでもあるんでしょうか。そうなると法的には「結婚」できないわけですし、従って「離婚」もできないと…。幸せそうだからいいんですけど。
時代物しか描けない漫画家(『オールド・シネマ・パラダイス』)
堅苦しい時代もの漫画しか描けない漫画家がいました。趣味は無声時代劇ばかりやっている映画館で映画を見ること。作品も趣味の延長といった感じで、編集者からはダメ出しを食らうのです。奥さんはやんわりと忠告してくれますが、頑固な漫画家とは結局喧嘩に。喪黒氏と出会い、視野を広げるべく当時はやっていた「お立ち台」へ。くのいちを主人公にしたら編集者も乗り気になりました。
しかし、「裸を描け」だの「ギャル軍団と戦わせろ」だの…それじゃギャグだろ、と思いつつ掲載の為と涙ながらにギャグ路線に。お立ち台ギャルに「あんたの時代は終わり」と言わせた辺りで涙。失踪してしまいます。そして、よく見に行っていた映画館にて、斬られ役に。呆然とする妻でしたが、斬られながらも彼は笑顔でした…。
看板女性に恋をした男性
自宅から見える看板。そこに描かれた外国人女性に恋をした男性。喪黒氏が会わせてあげますが、感極まりすぎていけない行為に走りかけ、嫌われてしまうのでした。せめて看板で見られれば…と思ったら、看板の絵も書き換えられて別の女性が。喪黒氏に「あなたが悪いんですよ」と言われて、彼は言いました。「彼女のことは諦めますから、今描かれてるあの子に会わせてください」さすがの喪黒氏もずっこけ、「懲りない人ですね…」と呆れつつ、男性と看板の彼女を「一緒に」させてあげるのでした。看板の中で。殴られてましたが、顔は笑顔です。
亀が好きなプログラマー(『ガラス越しの愛』)
亀っぽい顔で名前も「亀太郎」な男性。家でプログラマーの仕事をしており、趣味はマリンダイビングと、亀の飼育。水族館で「亀次郎」と勝手に名づけた珍しい種類の亀に会うのも日課のようなもの。喪黒氏に「一度でいいから亀次郎と海を泳ぎたい」というと、「分かりました」となります。
「泳ぐのは一度だけ。ちゃんと水族館に帰す」という約束を破って自宅に連れてっちゃいます。喪黒氏により、亀太郎さんは徐々に亀化していったそうな…。水槽にへばりつくようにして亀次郎に話しかける姿が、人間ではなく、肌から何から亀…。
ゴッホに憧れる画家(『自画自賛』)
ゴッホに憧れ造詣も深い画家がいました。彼の悩みは「理解者がいない」こと。ゴッホには弟という理解者にして支援者がいたことを引き合いに出して語る彼に、喪黒氏はパトロンを紹介します。居心地のいいアトリエを与えられて意気揚々と制作に取り組みます。時折名画の模写の仕事も。順調だと喪黒氏に言いますが…「売るのは絵だけにしてください。画家としての魂だけは売らないでくださいね」との忠告が。そんな折、パトロンがゴーギャンの絵を模写しろ、と言ってきました。