ヤマシタトモコの世界

デビュー10周年を迎えた漫画家ヤマシタトモコ。「この漫画がすごい!」にも選ばれ、ジャンルに捕らわれることなく、様々な漫画を世の中に届けてきました。そんなヤマシタトモコさんのおススメ漫画を特集します。

ヤマシタトモコという漫画家

女性向け漫画雑誌「FEEL YOUNG」や青年誌「月刊アフタヌーン」、BL雑誌でも作品を発信し続けている漫画家、ヤマシタトモコ。近年は「この漫画がすごい!」作品に選ばれるなど、市場の注目を集めている。

くいもの処 明楽

BL漫画「くいもの処 明楽」。大人がなかなか振り切ることのできない心の壁を乗り越えて、恋愛していく二人の物語。ヤマシタトモコらしいオシャレなテイストで、さっぱり読めるBL漫画になっている。年下の彼の若さゆえの行動が胸をキュンキュンさせる。物語の雰囲気はコメディタッチで書かれているので、ページをめくるたびにクスッと笑えるやり取りがある。

Love, Hate, Love

女性師「FEEL YOUNG」で連載されていた作品「Love, Hate, Love.」。夢をあきらめた主人公が、新しい人生を始め、やがて父と同じ年ほどの男性に恋に落ちる。夢をあきらめた彼女がまず一番最初に、ずっと伸ばしていた髪をバッサリと切るところから物語は始まる。夢に愛されなかったと悲観していた彼女が、彼に出会い、様々なことに気付いて、また女性として大きく成長していく様子は、胸がとても切なくなる瞬間だ。

HER

女性誌「FEELYOUNG」で連載され、「この漫画がすごい」大賞に選ばれた「HER」。様々なシチュエーションで生きる女性のライフスタイルを切り取ったこの作品の中には、女性が普段は隠している本音が詰まっています。毎日ただ何気なく日々を過ごしながら、腹の中には黒いものが貯まっていく。そんな女性たちの物語に、同じ女性は共感し、男性は女性の心理を少しは理解できることでしょう。

仲良くしているつもりでも、心の中には嫉妬が渦巻いている。実は女は女と一緒にいると苦しいなど、女性とはこれほど面倒な生き物だと思いながら読んでも、最後には可愛い生き物だと思ってしまう。それがヤマシタトモコが作品に施した魔法なのだろう。ぜひ一度男女問わず手に取ることをお勧めします。

ドントクライ、ガール

ヤマシタトモコのコメディ節がさく裂している「ドントクライ、ガール」。恋愛漫画でありながら、最初から最後まで痛烈にコメディタッチで描かれている。込み入った事情から、裸族の変態(イケメン)と同居する女子高生が物語の主人公。今までの価値観が崩壊。腹筋も崩壊する一冊です。

BUTTER!!!

月刊「アフタヌーン」で連載されていた「BUTTER!!!」。高校のソシアルダンス部を舞台に、最初は全くダンスに興味を持っていなかった主人公たちが本気でダンスと向き合っていく青春ストーリー。二人一組で踊らなければいけない難しさや、個々が抱える事情など、部員たちは毎日様々なことに悩みながらも一生懸命にダンスに向かっていく。

ひばりの朝

「FEEL YOUNG」で現在好評連載中の漫画「ひばりの朝」。連載開始後から、HERを凌ぐ怪作だと話題になっている。物語のストーリーは14歳の少女について、彼女を知る人物が語るところから始まる。彼女の正体は一体なんなのか、彼女に隠された秘密に迫る物語。

人は多かれ少なかれコンプレックスを抱えているものだが、主人公のことを語る登場人物たちが抱えているそれは正常とは逸脱している。しかしよく人の心理が描かれていて、共感できる部分もおおいのがヤマシタトモコの漫画の怖いところだ。この漫画は一体どんなストーリーを経て、幕を閉じるのだろうか。

ヤマシタトモコ、デビュー10周年!

2015年の12月にはデビュー10周年を記念した原画展が開かれ、4月には10周年を記念した限定のイラスト集やインタビューをまとめたお話本も発売される予定だ。新作も続々公開されている。お見逃しなく!

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