ちょっと変わった手法で活躍する日本人アーティストたち

芸術の分野も日々進歩し、多岐にわたります。今回は、扇のように広がった芸術界から、様々なアーティストを抜粋してみます。

「変わった手法」の元祖?・長谷川潔(版画家)

「変わった」というよりも、長らく使われていなかった技法を「復活」させた人です。

黒い上に、何だか細かい…これは「メゾチント」と呼ばれる古い版画技法で、長谷川氏により復活、独自の様式となって生まれ変わったようです。しかし、「ある時期」までは舌画像のような、「割合ふつう、むしろ明るめ」の作品を描いておられました。一体何があったのか…?

27歳でパリに渡った潔。そのままパリで暮らし、結婚もしていたが第二次大戦中に収容所に収監される。

出典: ja.wikipedia.org

50過ぎて収容所送りは確かにきついですね…他にもこんなエピソードが。

長谷川潔と「一本の樹」

第二次大戦中、「何かいい題材ないかな~」と散歩していたところ、樹が「ボンジュール」と話しかけてきた。長谷川も返事をすると、「その樹が素晴らしいものだと思えてきた」というもの。

出典: ja.wikipedia.org

絵画界の萌え親父…いやいや、彼の思想やら自然観の故だそうです。大戦中、収監されるという憂き目に遭いながらも、自然物は優しく語りかけてくれたんですね。そう思うと、真っ黒な版画に描かれたものも、美と凄味が増してくるようです。

長谷川潔いわく「黒は七色」

「黒の版画家」と呼ばれているが、「黒って言っても七つあるんだよ」と言っている。

出典: ja.wikipedia.org

深いんだか、何言ってるんだとなるんだか…。極めた人にしかわかりえない領域なんでしょうか。何にせよ、フランスで二つの賞を獲得し、日本でも十二分に評価を得ています。「黒の版画家」とされる通り、すべてを塗りつぶすような黒とは違った「黒」の魅力を与えてくれる長谷川氏は、現代でもなお、感動を与えてくれています。

で、「メゾチント」って何よ?

金属のへこんだ板に櫛のような刃がついた器具で無数の刻みやささくれのようなものを作る。その上から金属のへらでささくれを削ったりしつつ、絵を描く。インクを細かい刻みに刷り込んで、刻みがないところからは拭い落として刷る。こうすることで、刻みが残っている部分にはインクが残り、刻みが削られたりならされたりしたところは白くなる。

出典: ja.wikipedia.org

色つきです。さらに改良を加えたといったところでしょうか。

考え付くのも凄いですが、それを行うエネルギーにも感服しちゃいますね。アーティスト特集でした。

えどまち
えどまち
@edono78

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