時代小説のとっかかりにおススメの本たち!

時代小説といえば池波正太郎、浅田次郎、宇江佐真理、佐伯泰英と枚挙に暇がありません。ですが、ちょっと堅苦しい文体に時代小説ならではの専門用語。時代劇は観るけれど、時代小説はちょっと……という方々に朗報?! 最近はライトな文体で、個性的なキャラクターが登場する時代小説が増えてきました。敷居が高いイメージの時代小説ですが、とっかかりの一冊との出会いの一助になればと思います。

猫の手、貸します

ある事情で猫の姿になってしまった浪人・宗太郎(通称:猫太郎)。裏長屋で便利屋「猫の手屋」を営む彼の元には、人々の相談が舞い込んで……。奇妙奇天烈な猫のサムライが大活躍するあやかし時代劇!
著者:かたやま和華
出版社:集英社

猫先生のカタブツぶりが可笑しいを通り越してかわいらしいです。ご近所さんとのやりとりや町の人たちに愛されている様子がほのぼのとしていてほっこり癒される一冊でした。

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ちょっぴり不思議な日常を垣間見る様な感覚で読む事が出来ました。
難しいことは考えずに何かゆったりとした作品が読みたい時にはオススメです。

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猫の姿の主人公を何のためらいもなく受け入れている世界観も、
「江戸の人たちだったらそうなのかもな」と妙に納得させてくれるものがありました。
主人公が猫になってしまった原因はわかりましたが、人間に戻るまでぜひ続きが読みたいです。許嫁との話もぜひ読みたい!
うちのネコも夜な夜な手ぬぐいをかぶって神社で踊っているといいな(笑)

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大江戸あやかし犯科帳 雷獣びりびり

本所深川では、晴れた日でもびりびり雷が鳴る。それは、黒猫そっくりで「にゃん」と鳴く、雷獣なる妖怪の仕業だそうで。しかもこの雷獣、まだ小さいので童女に守られていたりして…。お江戸を守る妖怪改方の若き同心・冬坂刀弥とその許嫁の八歳児・統子、そしてちびの雷獣クロスケが繰り広げる大捕物&食楽絵巻!お江戸を騒がす大盗賊善鬼との戦い、そして天ぷら対決の行方は…。

著者:高橋由太
出版社:徳間文庫

高橋氏は筆が早いのか、こちらのシリーズ以外にも続々と愉快な動物もの(?)シリーズを刊行されています。ハマりますw

ピリピリと心も疲れ果てた仕事の後は
ほっと飯でも喰いながら
そばに黒猫の気配を感じながら
此奴が にゃん!
と言ったらおもしろいなあと思いながら
びりびりと雷獣に惚れちゃって下さい。

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キャラが際立ったお話だろうし、どうかな?と軽い気持ちで読み始めたらハマりました!
軽くサッと読めるのにしっかりと印象に残ってる...そんな作品でした。
そして後をひく...続編を読みたくてすぐに買ってしまいました。

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タイトルにされてるわりに「にゃんにゃん」しか鳴かない雷獣クロスケ。
立派に成長して欲しいハハオヤの気分。
刀弥の性格がいまいち掴みづらかったですね。
あんまりキャラクタとして立っていないと言いますか。
カタナと夜之介が目立ちました。
憎らしくも愛すべきキャラクタのポジションを陣取ってます。

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上様出陣!―徳川家斉挽回伝

もっとも治世の長かった徳川第十一代将軍家斉。側室を多く抱えてたくさん子をなしたのは、徳川家の安泰、ひいてはそれが日の本の繁栄につながると信じたからこそ。なのに巷では「子作り将軍」だの「金食い将軍」だのと、絶倫と浪費を揶揄されているらしい!?家斉は名誉挽回を決意。身分を隠し、赤鼻の忠臣・怒浦右衛門をともなって、江戸の町に繰り出した!笑いと人情のシリーズ開幕。

著者:牧秀彦
出版社:徳間文庫

牧氏といえばガッチガチの時代小説家。そんな牧氏が手がけたこの痛快人情シリーズは、時代小説ビギナーにとっては読みやすくありながら、著者の知名度から「ドヤ顔」で時代小説読んでます宣言できます(笑)

すごく好感がもてる上様に描かれているので、楽しくてスラスラ読めました。最近時代小説にはまって色々読みましたが、お堅い(?)話も良いですが、こういうのも良いですね。声に出して笑ってしまいますので読む場所は要注意です(^^;)徳川家斉ってイメージ良くなかったんですが、可愛くて好きになりました。表紙絵も可愛いvvv

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正統派時代小説ファンには物足りないかもしれませんが、小学生にもとっつきやす
い点でお勧めです。なんか、昔、小学生のころに観た、テレビドラマ「浮浪雲」を
彷彿させる仕上がり。でも、テレビドラマ化するなら、志村けんにやってもらいた
いな。

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幕末機関説 いろはにほへと

泰平の世に翳りがみえた江戸末期。旅一座の座長・遊山赫乃丈は、坂本龍馬を護れなかった用心棒・秋月燿次郎と、横浜大租界で出会う。その秋月こそ、この動乱を巻き起こした元凶、『覇者の首』を封印する宿命を帯びた『永遠の刺客』であった。実力派監督が創り出した独特の世界観を、俊英の時代作家が新たなる視点で完全小説化。

著者:牧秀彦
出版社:光文社

時代劇アニメーションのノベライズ化。原作は矢立肇氏、高橋良輔氏。牧氏は自身も居合道五段の持ち主なので、剣技の描写はさすがです。

宵越し猫語り 書き下ろし時代小説集(招き猫文庫)

お伊勢参りを果たした猫の話をめぐって二人の娘がしたある賭けとは?「旅猫」。深川の口入屋の気丈な女主人の元に、刃傷沙汰で死んだ夫が猫に乗り移って現れた?「風来屋の猫」。猫の目の動きから時間を計る研究に没頭する男の思わぬ活躍?「猫の目時計」。ほか江戸を舞台に猫にまつわる話を気鋭の女性作家5名がつむいだ珠玉の短編集。
近藤史恵、小松エメル、宮本紀子、 森川成美、 佐々木禎子、注目の女性作家5人が織り成す、江戸を舞台にした、涙あり、笑いあり、不思議ありの猫アンソロジー。
出版社:白泉社
この他にも「てのひら猫語り~書き下ろし時代小説集」も刊行されています。

弥勒の月

小間物問屋遠野屋の若おかみ・おりんの水死体が発見された。同心・木暮信次郎は、妻の検分に立ち会った遠野屋主人・清之助の眼差しに違和感を覚える。ただの飛び込み、と思われた事件だったが、清之助に関心を覚えた信次郎は岡っ引・伊佐治とともに、事件を追い始める……。“闇”と“乾き”しか知らぬ男たちが、救済の先に見たものとは? 哀感溢れる時代小説!

著者:あさのあつこ
出版社:光文社

「弥勒の月」は正統な時代劇ファンにはなんともしがたいルール違反はいくらでもあると思うけど、そんなことは気にならずに引き込まれた。

立場が違えと同じ闇を背負っている若い同心と、謎の若旦那。

入水した若いお内儀の死の真相をめぐるふたりの対峙はミステリアスであり、どこか色っぽい。この二人にからんでくる初老の親分がまたいい味を出している。登場人物の書き分けや絡ませ方もなかなかうまいし、話の先が知りたくなる。

この色気のある若い同心と、岡引の親分さんのコンビの続編が出ればまた読むだろう。

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あさのあつこさん独特の、読みやすい文体です。
時代小説にありがちな小難しさがなく、さらりと小説の世界に入っていける感じがいいです。
同心の、岡っ引きの、商人の…それぞれの台詞が聞こえてきそうな言葉の妙。空の色の変化していく様が見えるような描写。読んでいて頭の中に映像と音声が流れ込んでくるようです。

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時代小説なので少し読みにくいかと思いきや、あさのあつこさん特有の心理描写と登場人物の魅力に引き込まれ、最後までぐいぐい読むことができます。話は日本版シャーロックホームズを思わせるようなミステリーです。

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幕末まらそん侍

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