今年のコント日本一は、なんと結成4年のコロコロチキチキペッパーズに決定。
特徴的な声や台詞を駆使したネタで頂点に輝きました。
すでにテレビで活躍している芸人から、無名の芸人まで。さらにベタネタを繰り返す王道コントから、凝った設定のコント、毒っけの強いコントまでそれぞれの個性が光っていたキングオブコント2015。
高視聴率の裏には、どんな要素あったのでしょうか?
キングオブコントは、これまで特殊な審査方法が話題となっていました。
それは予選で惜しくも落選してしまい、決勝の舞台までたどり着けなかった芸人が決勝のネタを採点するという下克上システム。
もちろん、互いに同業者という立場から視聴者とは違った目線でネタを評価できるという利点もありながら、採点する側・される側が直属の先輩後輩にあたることも多いため審査結果に対し「組織票では?」と物議を醸すことも。
今年度からは、漫才師日本一を決める番組「M-1」で採用されていた、大物芸人が若手のネタをよく見極め点数をつけるというシステムに変更。
これが誰もが邪推なく、安心して楽しく鑑賞できるきっかけとなったようですが、審査する側には緊張もあったようです。
コロコロチキチキペッパーズが優勝を決めた「卓球」のネタと、昨年度より度々話題となるバンビーノのネタに共通しているのは「リズム感」。
キングオブコントという枠を外れて考えてみても「あったかいんだからぁ」のクマムシ、「ラッスンゴレライ」の8.1秒バズーカなど、ヒットしたネタにはリズム感の良さが不可欠な要素としてあります。
バンビーノはもともと「リズムネタの芸人」というイメージがあったためか、一本目のネタでは独特のテンポは残しつつ間を楽しむネタを披露し、二本目のマッサージのネタで「これぞ!」と思わせる勢いとテンポの良いネタを披露しました。
二本目マッサージネタの「スンシー!ススンシーシー!」という特徴的なリズムはネタ終了後も忘れられないという人が続出。
それに対しバンビーノの石山さんは、「テンポのいいネタとリズムネタは違う」とコメントし、さらなる飛躍を誓いました。
しかしこのパターンは、かつて「M-1」で話題となった「優勝した人よりも頭に残るネタをやった人のほうが翌年売れる」という現象に近いものが感じられるかも…?
音楽にのせて爆笑をさらったコロチキ、スンシーを脳裏に焼き付けたバンビーノ、そしてそれぞれの披露したはずれのないネタが印象深いほど、翌日翌々日も話題になるほど「リアルタイムで楽しんだ視聴者」は「話題になってからはじめて知った」場合とは違った特別な高揚感を獲得できるはず。
「リアルタイム」であることに意味のある視聴率にはそうした「今見たい」という理由が不可欠であり、だからこそキングオブコント2015の高視聴率につながったのかもしれません。