美人芥川賞作家・川上未映子3つの顔
2008年に芥川賞を受賞した川上未映子さん。
その美貌から雑誌の付録ポスターにもなったり、「王様のブランチ」にも出演したりと人気の売れっ子作家です。
今回は美しいだけでなく実力も備えている彼女の“3つの顔”に迫りたいと思います。
1.小説家
川上未映子さんはこれまで数多くの小説を発表し、名だたる賞を受賞しています。
こちらは芥川賞受賞作品の『乳と卵』。
川上未映子さんの初期の作品は関西弁を用いた、リズムのいい文体が特徴です。
本作品はその代表作であり、一文一文が長いのですが全く苦痛を感じずに読み通せます。
登場人物が主人公とその姉と娘(主人公にとっては姪にあたりますね)の3人と少なめで、夏休みの数日間の出来事を書き記したという構成上シンプルものなので読みやすいです。
お次は、『すべて真夜中の恋人たち』。
この作品はもう関西弁が使われておりません。そのかわり、ひらがなを多用することで物語全体の雰囲気がやわらかくなっています。
主人公の女性は引っ込み思案でどちらかというと地味なタイプですが、あるきっかけで一人の男性(結構お年が上の方です)と交流を重ねていくことになります。単純明快な失恋や成就が待っているわけではありませんが、それぞれのやさしさが伝わってくるお話です。
個人的には聖(ひじり)という女性キャラクターもおすすめです。はっきり物を言うし身奇麗にしているしで主人公と対照的な性格です。しかしその個性がなごやかな登場人物が多い中でぴりっと刺激を与え、締める役割を担っています。
2.詩人
実は彼女は詩も書くのです。
ちょっと意外ですよね。
小説と詩は同じ文学作品といえど、(実際に自分で書いてみるとわかるのですが)小説を書けるからといって詩も書けるわけではありません。その逆も然りです。
詩の世界で有名な賞である中原中也賞受賞作。
タイトルからしてもう常人の発想ではありません。(いい意味で)
中身を開いて読んでみると、そこには今まで読んだことのないような言葉遣いが散りばめられています。
これはこうだからこうだ、という理屈っぽい読み方は捨ててそこに描かれている世界を楽しもうというスタンスで読みましょう。
3.エッセイスト
デビュー以来、たくさんのエッセイ本を出版されてきました。
現在(2015/9/30時点)では雑誌「週刊新潮」でエッセイの連載をしておりエッセイストとしても精力的に活躍しています。
初期のエッセイ集。
哲学的な問いから、ペットのサボコ(植物のサボテン)のことまで、とてもバラエティーに富んだ内容を嫌味のない関西弁で書きまくっています。
一つ一つの章立てが短く、休憩のときや通勤通学のときに手軽に読めます。
川上未映子さんがどういう感性なのかを知ることができる一冊です。
2014年に出版されたので比較的新しい作品です。
これは川上未映子さんが自ら体験した出産・育児本です。
ただべたべたと子煩悩な母親像をなぞるのではなく、実際に子どもを産むとはどういうことかを真剣に考え、悩み、そして産んで育てるといった過程がありのままに書かれています。(たとえば出生前診断の是非について悩む章もちゃんとあります)
川上未映子さんの知名度の高さもありますが、読んだ人の共感と賞賛の声でまたたく間に重版されました。これから結婚・出産を迎える方には是非読んでいただきたい一冊です。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
川上未映子さんはお綺麗ですが、そのことに甘んずることなく文筆業において才能を発揮しているところがとても魅力的ですね。
これからどんな作品を生み出すのか、楽しみです!