究極の耽美「山本タカト」の幻想的なエロスの世界(女性編)
自ら「平成耽美主義」と謳う山本タカト氏のタッチは、浮世絵画家としての手法に現代の官能を取り混ぜた独特のものです。和モダンとエロチックの融合が素晴らしい山本タカト氏の世界、まずは女性画をご覧下さい。
山本タカト氏
夜性
縛られた少女を舐めるように見る妖怪達の血走った眼、何かに耐えるように歪められた少女の貌、深紅の薔薇が隠す秘密。
見る側の想像力を刺激してくる作品です。
山本タカト氏の作品には、妖怪・髑髏・緊縛が多く登場します。
赤い月がインパクト大
シックな色調に赤い月がとても映える上の2作品。生首は死してなお恍惚とした表情を浮かべ、女性の方は愛しい男を殺して永遠に手に入れたかのような満足げな顔です。
下の「赤い月」は、手首に凌辱される少女の画。切断された動く手首や、窓辺の腹を膨らませた蛙、禍々しい赤い月などがシュールレアリズム感も出しています。
骸骨と着物の女
浮世絵タッチ全開の作品ですが、男の顔は髑髏という風変わりな作品です。
山本タカト氏は髑髏のモチーフを好んで使用して「亡霊との戯れ」といった形で時間を超えた性的な表現をする作品が多くあります。
変貌する性的欲望の亡霊
2003年の作品「変貌する性的欲望の亡霊」です。
こちらもシュールレアリズム感の強い作品です。「赤ずきんと狼」を彷彿とさせますね。
狼を山本タカト風にデフォルメするとこんな感じになるのでしょうか。少女の表情は、官能とも諦めともとれる感じがします。
見え隠れするクマのヌイグルミ
山本タカト氏の作品には、時折クマのヌイグルミが登場します。
これが浮世絵画法・シュールレアリズム感とあいまって氏の打ち出している「浮世絵ポップ」の味を出しているのかもしれません。
圧倒的な個性
如何でしょうか、人の目を惹きつけて止まない「山本タカト」氏の作品。
美少女・骸骨・妖怪・薔薇・ヌイグルミ、相容れないものをミックスして構築された世界は、圧倒的な魅力に溢れています。
次回は、ナルシズムとボーイズラブに特化した氏の作品を紹介したいと思います。