ブリューゲル「バビルの塔」に込められた人間の驕りへの懺悔
ピーテル・ブリューゲル(Pieter Bruegel de Oude、1525年~1530年頃誕生~ 1569年9月9日没)は、16世紀のフランドル(ブラバント公国 。現在のベルギー)の画家。「ペーター」あるいは「ペーテル」と表記されることもある。
ブリューゲル作「バビルの塔」を観たことがない人が居るだろうか。多分居ないだろうと勝手な想像をしている自分は、ブリューゲルのバビルの塔という絵によほど魅せられてしまっているのかも知れません。
初めてブリューゲルの「バビルの塔」を観たときの感想を覚えている、それは「わー、気持ち悪い!」というものでした。ブリューゲルが文明が進んだ人間が「神」に近づき、更には神と肩を並べるに至ろうとしている様を「バビルの塔」という絵で表現し、この絵を以て人間の驕り・高ぶりを懺悔しようとしたのか、人々への警告としようとしたのか「バビルの塔」制作時のブリューゲルの動機を計り知ることは出来ません。
高層建築のビルを見上げるとき、今でも時折「バビルの塔」を連想することがあります。
私見ではありますが「バビルの塔」を描いたブリューゲルの意図は少なくともこの自分には伝わったと思えてなりません。「神」の存在の是非には関係なく、子供時代に初めて観たときの感想が「わー、気持ち悪い!」であったので、後に自分なりに感想を分析をしてみると、やはり人間の驕りへの天の怒りという感じがしたのかも知れないと思ってしまいます。
何故かは解りませんが、ブリューゲルは最初に「バビルの塔」を描いた1563年の2年後に当たる1565年にも改めて2作目の「バビルの塔」を描いています。