私がわたしを売る理由（漫画）のネタバレ解説・考察まとめ

緊急事態宣言

国民の生命、健康、生活を守るために、総理大臣から都道府県知事に向けて、対策をとるように依頼するもの。内容は総理大臣が発表するが、主に外出自粛や、イベントの制限、物資の運送などがある。
正式名称は「新型インフルエンザ等緊急事態宣言」。

『私がわたしを売る理由』の名言・名セリフ／名シーン・名場面

初めてのパパ活でお金を受け取り安堵の笑顔を見せる椿

初めてのパパ活で会話が弾まず、お金の不安があった椿は、パパ活相手の和也からお金を受け取り、安堵する。そこで笑顔を見せた椿。
しかしその後のパパ活では、旅行の誘いを断ってお金がもらえなかったりなど、一筋縄ではいかなかった。

お金に余裕ができ友達と飲み会に行けるようになった椿

パパ活をして手に入れたお金で、身なりと整え、友達と飲み会に行くことができるようになった椿。礼たちと友達になり、充実した生活を送っていた。だが、和也はその間、椿の学生証を見てにやついていた。
理想の大学生活を手に入れたと思った椿だが、この後、和也のストーカー被害に悩むことになる。

パパ活をしていることに罪悪感を覚える椿

ストーカー被害に遭い、匿ってもらったことがきっかけで、椿と蒼真は付き合うことになった。
しかし、椿を待っていたのは、蒼真に内緒でパパ活を続ける罪悪感だった。蒼真を大事に思う椿は、自分と葛藤しながらも、最終的には別れの道を選ぶことになる。

『私がわたしを売る理由』の裏話・トリビア・小ネタ／エピソード・逸話

作品が作者に与えた影響

サイコミで連載開始後、作品のおきにいり登録者は増え続けている。
作者である夏子久は、作品のコメント等をよくチェックしており、「これを読んでパパ活始めるのをやめました。」というコメントに安堵したという。賛否両論のコメントについては、「人それぞれ意見があるのは当然」と言っている。
アラサーOLの桜子が主人公になった、通称『Sちゃん編』が新章として開幕しており、こちらも椿と同様、女性に共感の多い作品だ。

作者について

X（Twitter）のフォロワー1500人越えの人気漫画家。
自身のツイートは作品に関するものがほとんどで、どのキャラクターに対しても親のように愛着を湧かせている。また、ツイートでは、漫画には掲載されないようなイラストも多い。
同種作品『明日、私は誰かのカノジョ』の著者であるをのひなおとも繋がりがあり、Xで会話をする様子が見られる。
2023年にはトークショーも開催しており、サイン会があった。

少女漫画感のある描画

この漫画はフィクションだが、緊急事態宣言など、現代社会も投影したストーリーになっている。そのため、椿と同世代の女性は共感できる部分も多く、生活に苦しむ女子大学生は特に、自分と重ね合わせるシーンも多くある。
そんなリアリティも兼ね備えつつ、蒼真との恋愛という少女漫画要素も魅力だ。パパ活をしながらの恋愛という、少し非現実な感じが、女性に憧れを抱かせる。読み進めるごとに、罪悪感を抱く椿にもどかしさを覚える人も多いのだ。

パパ活の怖さ

これは、主人公である椿がパパ活をするストーリーにすることで、パパ活の怖さをより伝える作品になっている。椿がパパ活に関して無知であるという設定にすることで、パパ活を始めようか迷っている女性に警告しているのだ。和也のように、身体の関係を求めてくることはないが、ストーカーをしてくる人もいるし、旅行に誘って身体の関係に持ち込もうとする人もいる。普通の恋愛観に戻れないほどハマってしまう女性も多いことがこの漫画で鮮明に描かれており、その女性に論破される椿がまた、リアルなのだ。

生まれ育った環境

椿は貧乏な家庭に生まれ、その環境に生まれたことを不幸に思っている。「親ガチャ」というサブタイトルに合い、生まれた時から環境の優劣は決まっているという内容だ。
親からの支援もなく、都内の大学に行く決意をした椿には賛否両論の声があがっており、「自分の意思でパパ活をしたのなら、自業自得」という意見や、「毒親の元に生まれた椿に共感する」という声もある。周りの目を気にして警察に相談しない椿をもどかしく思う読者も多いが、読み続けてもらう展開としてはこれで最適である。