スパイ教室(ラノベ・漫画・アニメ)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『スパイ教室』とは、スパイ同士の暗闘が繰り広げられる世界で、最強のスパイチームを目指して切磋琢磨する少女たちとその教師たる青年の奮闘を描いたライトノベル。2023年にアニメ化された。
ディン共和国のスパイであるクラウスは、ある日師であるギードから「不可能任務を専門とするスパイチームを作れ」と命じられる。そのために彼が集めたのは、同国のスパイ養成機関でも落ちこぼれと見なされた8人の少女たちだった。クラウスは彼女たちに「灯」というチーム名を与え、成功率1割未満の不可能任務に挑んでいく。

『スパイ教室』の概要

『スパイ教室』とは、スパイ同士の暗闘が繰り広げられる世界で、最強のスパイチームを目指して切磋琢磨する少女たちとその教師たる青年の奮闘を描いたライトノベル。
第32回ファンタジア大賞の大賞受賞作であり、ライトノベルらしい外連味に溢れたキャラクター造形とスパイ物ならではの緊張感により独特の魅力を生み出している。第1巻の発売から半年後となる2020年7月にはマンガ版が連載され、2023年にアニメ化を果たすなどその高い人気からメディアミックスも盛んに行われた。

ディン共和国のスパイであるクラウスは、ある日師であるギードから「成功率1割未満の不可能任務を専門的に実行するスパイチームを作れ」と命じられる。そのために彼が集めたのは、同国のスパイ養成機関でも落ちこぼれと見なされた8人の少女たちだった。
クラウスは彼女たちに「灯」というチーム名を与え、世界最強のスパイである自分を倒してみろとの実戦形式の訓練で鍛え上げつつ、彼女たちと共に“9割のスパイが命を落とす”とされる不可能任務に挑んでいく。

『スパイ教室』のあらすじ・ストーリー

チーム「灯」の結成

多くの犠牲を出した世界大戦の後、各国は「大規模な戦争は人が死に過ぎて効率が悪い」ことを悟る。代わって注目されるようになったのが、敵国に潜入して重要な情報を持ち帰るスパイだった。彼らは日夜様々な任務に従事し、日の当たらない場所で国のために世界のために戦い続けていた。
ディン共和国のスパイであるクラウスは、師であるギードから「成功率1割未満の不可能任務を専門的に実行するスパイチームを作れ」と命じられる。そのために彼が集めたのは、同国のスパイ養成機関でも落ちこぼれと見なされた少女たちだった。

ムードメーカーで毒物に精通するリリィ。
変装術のスペシャリストであるグレーテ。
近接戦闘に長けるジビア。
総合力に勝る気分屋のモニカ。
頭の回転が速い参謀役のティア。
動物を使役する技術に優れるサラ。
爆発物の扱いを得意とするアネット。

クラウスは彼女たちにチーム「灯」(ともしび)と名前を付け、実戦形式で鍛えていく。「自分たちのような落ちこぼれに不可能任務を任せるなんて、事実上死ねということに等しいのでは」と不安がるリリィたちに、クラウスは自分がディン共和国で最強と謳われたスパイチーム「炎」(ほむら)の一員であること、彼らを家族のように大切に想っていたこと、自身が別行動中に師であるギードを含めてチーム「炎」が全滅したことを打ち明ける。
スパイに取っては弱みにしかならない過去を打ち明けられたリリィたちは、「自分たちも養成学校で“ドン底”に喘いでいたが、クラウスもまた家族にも等しい仲間たちを失うという“ドン底”にいたのだ」と気付き、共に「炎」の仇を討とうと盛り上がる。一方、そのクラウスは訓練の場ともなっている自分たちの拠点に何者かが盗聴器を仕掛けていることに気付くも、これを放置する。

不可能任務への挑戦

1か月後、突貫工事で鍛えられたチーム「灯」は、かつてチーム「炎」が挑んで全滅した敵国内部の研究所から生物兵器を盗み出すという任務に取り掛かる。しかしそんな彼女たちの前に現れたのは、チーム「炎」と共に死亡したはずのギードだった。彼はディン共和国を裏切り、敵国に協力していたのだった。
ギードによってリリィたちは次々と倒され、任務は失敗かと思われた。しかし、勝利を確信したギードを“8人目のチーム「灯」のメンバー”たるエレナが襲撃。ギードに手傷を負わせる。盗聴器を仕掛けたのが敵国のスパイだと見抜いたクラウスは、これを敢えて放置しつつ合流が遅れたエレナの存在を隠すことで、“チーム「灯」は7人である”という誤った情報を相手方に流したのである。これを信じたギードは、リリィたち7人を倒した時点で油断し、エレナの奇襲を受けてしまったのだった。

ギードの負傷はわずかなものだったが、この場に駆け付けたクラウスはそのわずかなダメージを利用して彼を打ち倒す。リリィたちも無事に生物兵器を回収し、チーム「灯」の初任務は1人の脱落者も出さず成功に終わる。
倒れたギードから「なぜ共和国を裏切ったのか」を聞き出そうするとクラウスだったが、「それを知られるわけにはいかない」とばかり何者かが彼らを狙撃。ギードは最後の力で凶弾からクラウスを庇って絶命し、彼の裏切りの理由は分からないまま一行は撤退する。

これにてチーム「灯」は解散となるも、リリィたちは「もっとクラウスの下で学びたい」と言って全員そろって彼の下へと押し掛ける。クラウスは苦笑しつつその申し出を了承し、さらに彼女たちを鍛えていくのだった。

暗殺者「屍」の暗躍

大手柄を挙げたチーム「灯」だったが、クラウスからすればまだまだ未熟で、「相応の準備も無しに実戦に投入するわけにはいかない」という彼の判断から待機と訓練をひたすら繰り返す。
その間、クラウスはチーム「灯」に与えられるはずの任務を代わりに引き受けて処理し、少しずつ疲労を溜めていた。いつしか彼に想いを寄せるようになっていたグレーテは、「無茶し過ぎではないか」とクラウスのことを心配するようになっていく。

「むりやりにでも、実力行使してでもクラウスを休ませよう」と考えるチーム「灯」の面々だったが、クラウスはその思惑を見抜き、彼女たちの策を打ち破る。しかし未熟な彼女たちにかなりのところまで追い詰められたクラウスは、自分に相当疲れが溜まっていることを認め、チーム「灯」に比較的簡単な任務を任せることにする。
グレーテ、ジビア、リリィ、サラの4人は、ウーヴァという政治家の護衛任務を遂行することとなる。最近共和国のスパイを次々と血祭りにあげている「屍」(しかばね)という暗殺者が、彼を狙っているとの情報が入ったのだ。

スパイvs暗殺者

ウーヴァは偏屈な老人だが高潔な政治家でもあり、ジビアは「こういう人に死んでもらっては困る」と奮起。彼を狙う暗殺者を相手に奮闘するが、その正体が変装したグレーテだったことに驚く。グレーテは本物の「屍」を誘い出すため、ウーヴァを傷つけないよう注意しながら彼への襲撃を繰り返していたのである。
グレーテの行動は実を結び、ウーヴァの屋敷でメイド長として働いていたオリヴィアが彼の暗殺を目論んでいたことが判明。オリヴィアは「屍」本人ではなかったが、その協力者かつ愛人であり、グレーテたちのことも始末しようとする。

戦い慣れているオリヴィア相手に苦戦するグレーテたちだったが、力を合わせてこれを打ち倒す。本物の「屍」もクラウスが捕らえ、これで事件は解決を見る。グレーテは改めてクラウスに想いを告白し、「お前の生き様には敬意を抱いている。それを美しいとも思うが、仲間として以上の感情は持てない」と断られるも、「自分を“美しい”と思ってくれるなら、女としての魅力を認めてくれるなら、今はそれで十分」と言葉を返す。
同じ頃、ティア、モニカ、アネット、エレナの4人も別の任務を遂行していた。予定していた時刻になっても帰ってこない彼女たちをリリィやジビアが心配していたちょうどその時、どことも知れぬ豪邸の中で、「死体の処理が面倒だから、裏切るつもりなら早くそう言って」と告げながらモニカがティアに拳銃を突きつけていた。

アネットの過去

リリィたちがウーヴァの護衛をしていた頃、ティア、モニカ、エレナ、アネットはクラウスと共に「屍」を相手取っていた。クラウスは個性の激突こそが最強のチームを作ると考えており、ティアならばそれを御せると考えていたのである。ティアたちはその期待に応え、クラウスの援護あってのこととはいえ「屍」の捕縛に成功する。
しかしその後、4人だけで休暇を楽しんでいたティアたちの前に、アネットの母を自称するマチルダという女性が現れる。アネットが過去の記憶を失っているばかりか、共和国には存在しない技術を身に着けていることを訝しんでいたティアたちは、突如現れたアネットの正体を知るかもしれない人物を前に戸惑う。

マチルダは帝国の技師で、4年前に列車の事故に巻き込まれ、その時に娘と生き別れたのだという。ティアは「たとえその結果チームから離れることになるとしても、アネットの過去を取り戻してあげたい」との想いからマチルダとアネットを交流させるも、謎の悪漢たちの襲撃を受ける。実はマチルダは帝国のスパイという別の顔を持っており、この事実をつかんだモニカは「クラウスにいい手土産ができた」と笑む。マチルダとアネットに血縁があるのはほぼ間違いないと判断していたティアは、敵国のスパイとして彼女を捕らえるか、仲間の肉親として見逃すかの決断を迫られる。ティアの逡巡を見抜いたモニカは、彼女に1日の猶予を与える。クラウスたちが帰還しないティアたちを案じていた頃、モニカが彼女に拳銃を突きつけていたのはこの時の出来事だった。
悩んだ末に、ティアは「スパイから手を引くことを条件にマチルダを見逃す」ことを決定。チーム「灯」を裏切るつもりなら容赦しないと襲い来るモニカに追い詰められるも、土壇場で彼女が「チームの誰かに恋をしている」ことを見抜く。隠し続けてきた秘密を知られたモニカは動揺し、「決して自分の恋を公言しない」こと、「“自分たちの手には負えない”とモニカが判断した時はクラウスたちに連絡するのを止めない」ことを条件に協力を約束する。自分たちの正体も明かしてマチルダを国外に脱出させようとするティアたちだったが、それを聞いた彼女が「獲物が罠にかかった」とばかりに鋭い笑みを浮かべたことには誰も気付いていなかった。

マチルダはアネットの母親ではあったが、本人曰く「ゴミ箱に捨てられていたのを拾った」だけで、娘に対してなんら愛情を抱いていなかった。スパイ活動中にドジを踏んで脱出困難な状況に追い詰められたマチルダは、生き別れたアネットと偶然再会し、ティアたちを利用して帝国への脱出を図ろうとしていたのだった。マチルダからの救援要請でやってきた帝国のスパイの増援はクラウスによって撃退されるも、ティアは最後の最後になってマチルダの本性に気付き、「自分のしたことは正しかったのか」と苦悩する。
しかし、記憶の無いはずのアネットは、とっくにマチルダの本性に気付いていた。アネットは「私のために本気で悩んで、私のことを心から大切にしてくれる人が母親なら、私にとっての母はティアだ」と考えており、置き土産とばかりに世話になった自分たちに爆弾を仕掛けた箱を渡そうとしたマチルダに激昂。逆に彼女にこの爆弾入りの箱をそうとは分からぬよう偽装した上で渡し、ティアたちと別れた後に爆殺する。結果として帝国のスパイを始末し、かつ周囲を嗅ぎ回っていた陸軍にも情報を漏らさずに事を遂行したアネットに、クラウスは「お前のその非情さはチームに必要なものだ」と称賛の言葉をかけるのだった。

モニカの見た限界

チーム「灯」の中にあって別格で優秀なモニカは、かつて強烈な挫折を味わったことがあった。スパイとして優れた資質を持っていたモニカだったが、ある時優秀なスパイの卵を集めた選抜試験に招かれ、そこで自分と同等以上の成績を出した者たちがたった一人の女スパイにことごとく打ち倒される様を目の当たりにして衝撃を受ける。あまりのことに動くこともできないモニカに近づくと、女スパイは「あなたのように情熱のない者は論外だ」と言い残して去っていく。
この時、モニカは「自分は多少の才能はあるかもしれないが、あの女スパイのような存在にはなれない」と理解してしまい、クラウスという遥かに格上のスパイを間近で見たことでその想いはさらに強固なものとなっていった。それでもチーム「灯」にとって彼女がエースかつ切り札であることは変わりなく、かつて不可能任務の準備を進めていた際も困難な仕事を単独で任されていた。

それは帝国の技師の動向を見張り、彼を通して研究所の内部情報を手に入れるというものだった。この技師は密かに帝国からの亡命を画策しており、これを嗅ぎつけた帝国の諜報機関に抹殺されそうになる。「面倒は御免」と引き上げようとするモニカだったが、どれほどクラウスに敗れても諦めずに立ち向かっていくリリィたちの姿を思い出して技師を助けようと考え直す。自分が思っていた以上にリリィたちに感化されていたことに気付いて苦笑しつつ、モニカは諜報機関のエージェントを始末して技師とその息子の亡命を手助けし、研究所に関する重要な情報を持ち帰る。
この成果を「さすがはモニカ」とリリィやグレーテが称賛する一方、クラウスはかつてチーム「炎」の新メンバーのスカウトのために行われた試験のことを思い出していた。これこそはかつてモニカが受けた試験であり、彼女は「成績優秀なれど情熱無し。情熱の無い者は土壇場で踏ん張れずに諦める」との理由から失格になっていたのだった。実際に自分の目でモニカを見たクラウスは、この判断を妥当なものだと認めつつ、「人は成長する。モニカもあの時とは違う人間になっている」と内心で喜ぶのだった。

ティアへの恋愛相談

「自分に落とせない男はいない」と豪語するティアだったが、その彼女をもってしてもクラウスを篭絡することはできなかった。それでもグレースを始めとするチーム「灯」の少女たちは、恋愛事への相談相手として彼女を頼りにしていたが、モニカは「胸を押し付けるだけで簡単に落とせそうなヤツくらいしかティアに篭絡されている男を見たことがない、本当に恋愛経験豊富なのか」とティアの手腕を不審に思うようになる。
「なんて失礼な」とティアが怒る中、サラが「ラブレターをもらったが、どうすればいいのか分からない」と彼女に相談。相手は有名大学の学生で、街のドッグランで犬を遊ばせているサラを見て一目惚れしたのだという。ティアは戸惑うサラに「まずは会ってみればいい」とアドバイスし、チーム「灯」の総力でこれをバックアップする。

相手の男は雰囲気のいい人物で、リリィたちは「うまくいきそうだ」と喜ぶが、念のためその正体を確かめたティアは彼が恋愛詐欺師であることを知る。男は偽学生で、何人もの少女を騙して金を巻き上げた過去を持ち、今回は富裕層にペットブームが訪れていることを利用してサラの犬を奪おうとしていたのだった。これを知ったサラは落ち込み、「私の仲間を傷つけるなんて許せない」と憤ったティアは恋愛の仇は恋愛で討とうと提案する。
ティアの作戦はシンプルで、「男の好みを徹底的に調べ上げ、本気でサラに恋をするように仕向け、過去の罪を暴露させた上で振る」というものだった。彼女の入念な仕込みによってこれは成功し、サラの話術によって今まで不起訴に終わった事件も全て打ち明けさせられた上で、男は目の前で振られるという屈辱と絶望を味わう。これを見たモニカもティアへの評価をいったんは改めるが、「今度こそクラ、スを落とそう」と張り切るティアとグレースがまたも空回りして失敗したことで、「クラウスが手強すぎるのか、ティアのやり方がまずいのか分からない」と肩を竦める。

アネットのアルバイト

研究資金が足らなくなったアネットは、クラウスにお小遣いをねだる。ちょうど「かつて大麻の取引に使われていたレストランの清浄化の確認」という簡単な任務を言い渡されていたクラウスは、報酬を好きに使っていい旨を添えて彼女にこれを任せる。リリィたちは「アネットだけでは心配だ」と考え、これをサポートしようと計画する。
もともとアネットは興味の対象には手を抜かないタイプで、リリィたちが驚くほど真面目かつ有能なアルバイトとして活躍する。迷惑客にわざと水をかけられた時も笑顔で応じるなど、普段の彼女からは考えられないほど立派に仕事をこなし、やがてアネットは「トイレに妙に落書きが多い」ことを突き止める。

このレストランは未だに大麻の取引が行われており、トイレの落書きこそは顧客と売人がやり取りするための暗号なのだった。リリィたちが売人を捕らえててレストランの再清浄化を果たす一方で、アネットは自分に水をかけた迷惑客をまったく個人的に報復する。実はこの男こそがレストランの売人に大麻を卸していた人物で、敵国のスパイなのだった。
アネットは「この男のせいでレストランが1日休みになった」ことも含めて恨み、それを晴らすために行動したに過ぎなかったが、結果として結構な手柄をあげる。彼女の強運と、本気になった時のスパイとしての能力の高さに、リリィたちも感心するのだった。

スパイたちの諜報合戦

ムザイア合衆国の都市ミータリオで国際的な経済会議が行われることとなり、各国のスパイが情報を求めて集まってくる。ここに「蛇」のチームの一員である「紫蟻」というスパイもやってくると知ったクラウスは、チーム「灯」の面々と共にこの地を来訪。「不確定要素が多い」として自身が最前線に立つと宣言し、チーム「灯」にはそのバックアップを命じる。
ティアは指揮官役を任されることとなるも、彼女は「マティルダの本性を見抜けなかった」と自信喪失中だった。ムザイア合衆国に渡る直前、チーム「灯」の面々がついにクラウスに敗北を認めさせた際、自身の役所が「計画について何も知らされないままクラウスと一緒に襲撃を受け、彼のお荷物となる」だったこともこれに影響していた。「紫蟻」の素顔を知る「屍」もムザイアに同行することとなるも、当然ながらその態度は反抗的かつ挑発的で、指揮官を任されたティアを悩ませる。

一方、リリィたちは個別に情報収集を開始。しかしそれぞれが早々に妨害を受け、ミータリオで起きているスパイたちの暗闘の激しさを肌で感じることとなる。リリィたちはなんとか刺客を退けるも、紫蟻は「無作為に選んだ市民を拷問と調教によって自分の手駒にする」という方法で無数の手下を調達しており、その人海戦術で彼女たちを追い詰めていく。追い詰められた仲間たちを救うため、ティアは「屍」を解放して味方につけようとするも、反撃されて気を失い紫蟻の下へと連れ去られてしまう。
紫蟻はかつてチーム「炎」で主力として活躍した、紅炉(こうろ)のコードネームを持つフェロニカという女スパイを同様の方法で始末したことがあり、捕らえたティアを嬲るようにその事実を伝える。命の恩人でもあるフェロニカが、異国で無念のまま果てたことを知ったティアは嘆くが、同時に彼女が紫蟻のスパイたちに「いつか黒髪の英雄がお前たちを助ける」という暗示を植え込んでいたことにも気付いていた。ティアはこれを利用して屍を含む紫蟻の兵隊たちを次々と味方につけ、駆け付けたクラウスやリリィたちと共に紫蟻を打ち倒す。しかし「敵には情報を渡さない」とばかり、控えていた狙撃手が紫蟻を射殺。クラウスたちは目的だったチーム「蛇」の全貌を明かすことはできず、不完全燃焼のまま共和国へと帰還する。

今回の任務を達成したことで、クラウスはリリィたちに「スパイとして一人前」との認定を与え、チーム「灯」の解散を宣言。しかしリリィたちは「私たちはすでに1つのチームだ」として、今後もクラウスと一緒に働きたいこと、共にチーム「蛇」の正体を突き止めたい旨を伝える。クラウスもまた彼女たちの成長と、自分を含めたチームとしての力を認め、この提案を受け入れるのだった。

『スパイ教室』の登場人物・キャラクター

クラウス

YAMAKUZIRA
YAMAKUZIRA
@YAMAKUZIRA

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