アーサー・コナン・ドイルの小説まとめ!探偵ものの原点シャーロック・ホームズシリーズの生みの親!

ここではアーサー・コナン・ドイル(Arthur Conan Doyle)の小説を紹介する。彼は推理小説・歴史小説・SF小説などを多数著しており、中でも『シャーロック・ホームズ』シリーズは世界中にファンがいるほど愛されている。

Arthur Conan Doyle 1859年5月22日~1930年7月7日
イギリスの作家。エディンバラに生まれ、エディンバラ大学医科に学ぶ。1882年、ポーツマス郊外に眼科医院を開業。『マイカ・クラーク』(1889)ほかの歴史小説が評価されたのち、シャーロック・ホームズの物語が好評で作家専業となった。『豪勇ジェラール』(1896)『失われた世界』(1912)など多彩な作品があるが、推理小説を広く普及させた功績が最も大きい。1902年軍医としての功でサーの称号を受ける。

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●まだらの紐

The Speckled Band(1892)
シャーロック・ホームズシリーズの短編小説の一つ。1927年3月号の『ストランド・マガジン』で、ドイルはこの作品をホームズの短編の中で第1位に置いている。また、『オブザーヴァー』誌の読者による順位付けでもこの作品が第1位に置かれている。

【あらすじ】
「この8年間、友人シャーロック・ホームズの手法を研究する材料になった70にもわたる奇怪な事件を記したノートを見ると、その多くは劇的で、滑稽なものもあった。大多数は単に奇怪ともいうべきものばかりだったが、平凡な事件は一つもなかった」
「しかし、そういった様々な事件の中でも、サリー州に住む、かの有名なストーク・モランのロイロット家の事件ほど奇怪な側面を持ったものは思い出すことが出来ない。その事件というのは、わたしがホームズと仕事を共にするようになったばかりのころ、つまり独身だった私たちがベーカー街で同居していたころに起こったものだ」

ヘレンとジュリアのストーナー姉妹は、亡母の残した財産を同居する義父の医師ロイロット博士に管理されながら、サリー州に住んでいた。財産は、彼女らが結婚すれば半分ずつ相続するという条件であった。だが、姉ジュリアが結婚前に謎の死を遂げた。彼女は死の間際に「まだらの紐(原語ではband)」という言葉を遺し、その恐ろしい最期を看取った妹のヘレンは姉の死から2年が過ぎたある日、不安に震えながらホームズに事件の究明を依頼する。というのも、屋敷の改築のために以前ジュリアの使っていた部屋をヘレンが使用することになり、部屋を移ったその夜、静けさの中でかつて姉の死の先触れにもなった不穏な物音を聞いたためである。

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●シャーロック・ホームズ

Sherlock Holmes 小説家アーサー・コナン・ドイルが19世紀から20世紀にかけて発表した推理小説『シャーロック・ホームズシリーズ』の主人公で架空の探偵。
現在でも圧倒的な人気を誇り、他のあらゆる名探偵達の元祖的存在。

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天才的な観察眼と推理力を持つ私立・諮問探偵である。ロンドンのベーカー街221Bにあるハドスン夫人所有のアパートで、相棒のジョン・H・ワトスン医師と共同生活をしていた。

容姿は『緋色の研究』で詳しく描かれている。体格は痩身で身長は少なくとも6フィート(約180センチメートル)以上、鷲鼻で角張った顎が目立つ。作者のドイル自身はとがった鼻のインディアンのような風貌を想像していたという。
性格は極めて冷静沈着。行動力に富み、いざ現場に行けば地面を這ってでも事件の一端を逃すまいと血気盛んになる活動家。
ヴァイオリンの演奏にも長け、ボクシングはプロ級、化学実験を趣味とする。またヘビースモーカーでコカインやモルヒネを使う薬物依存があった。
後年は生活態度があらたまり保守的な英国紳士風の姿を見せる。

彼の推理はアブダクション(仮説形成、仮説的推論)とよばれる推論法を用いる。
徹底した現場観察によって得た手掛かりを、過去の犯罪事例に関する膨大な知識、物的証拠に関する化学的知見、犯罪界の事情通から得た情報などと照らし合わせて分析し、事件現場で何が起きたかを推測する。
また、しばしば消去法を用い、「不可能を消去して、最後に残ったものが如何に奇妙なことであっても、それが真実となる」と述べる。
彼の観察力の鋭さは、注意力と観察力が如何にあるべきかを示す事例として頻繁に引用され、インドの警察は過去、シャーロック・ホームズを教科書として採用していた。

■ベイカー街遊撃隊(Baker Street Irregulars)
ストリートキッド(浮浪児)達の団体であり、ホームズの協力者。少年探偵団。ホームズのために有益な情報収集を行う。ホームズは彼らに日当を支払う。

■シャーロック・ホームズ愛好家
シャーロック・ホームズを実在の人物として研究する愛好家たちをホームジアン(イギリス)シャーロキアン(アメリカ、日本)と呼ぶ。
ロンドンにはシャーロック・ホームズ協会が、日本には日本シャーロック・ホームズ・クラブがある。

■シャーロック・ホームズのモデルになった人物
シャーロック・ホームズのモデルになった人物としてあげられるのが、外科医のジョセフ・ベル。
彼はエディンバラ大学の医学部主任教授で、ドイルの師でもある。

鼻が高く端正な顔立ちで、人を射るような灰色の目をしている。
体は痩せていて細く、角張った肩、そして落ち着きのない歩き方をし、声は甲高くて耳障りなほどだった。
ベル教授は外科医として優れた腕を持っていただけでなく、患者に対する観察力が極めて優れていた。
ベル教授が学生達の前で普通の服を着た外来の患者を診察した所、軍隊勤務をしていた事、除隊してから間もない事、任官将校だった事、スコットランド高地連隊に所属していた事、西インドのバルバトス諸島に駐屯してた事などを次々と言い当てた。そして、ベル教授は学生達に向って説明をする。
「この患者は立派な感じの人であったが、帽子を取らなかった。軍隊では脱帽しないからだ。しかし除隊してから長かったら、普通の市民の作法通り帽子を取ったはずである。態度には威厳があり、明らかにスコットランド人。この患者の病症は像皮症だが、これは西インド諸島に特有のもので、我が英国に生ずる病ではない」…と。

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ホームズがワトスンと握手をしただけでアフガン帰りを見抜く場面や、ホームズが依頼人を見てその職業等を言い当てる場面などは、ベル教授が患者に対して実際にやっていた事なのである。

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●ジェームズ・モリアーティ

James Moriarty モリアーティ教授
『シャーロック・ホームズシリーズ』に登場するキャラクターの一人。
21歳にして素晴らしい科学論文を書くほどの高い知的能力をもった元数学教授という表の顔と、ロンドンに暗躍する悪党一味の統領として機智を振るい、狙った獲物は必ずしとめる犯罪者という裏の顔がある。
(「モリアーティ」という名は、ドイルの母親メアリのスペルをもじったもので、ドイルと母親の不仲を表しているともいわれる)

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●シャーロック・ホームズの死

作者のドイル自身は自らの歴史小説やSF物のほうに価値を感じ、「シャーロック・ホームズシリーズ」を快くは思っていなかったと言われる。
作者が望む以上のホームズ人気の高まりに、ドイルは母親への手紙で「僕はホームズの殺害を考えている…」と書いている。
そしてホームズは『最後の事件』で宿敵モリアーティーと格闘の末、共に滝つぼに落ちて消息を消す。
しかし熱狂的なファンの怒りと復活を望む声に押されて、『空家の冒険』で再びホームズを登場させる。
結局ドイルは、56の短編と4つの長編を書き、最終作『最後の挨拶』でホームズを引退させた。

●怪盗アルセーヌ・ルパンからシャーロック・ホームズへの挑戦状

ホームズシリーズの人気が爆発的なものとなり、実際の事件がドイルのもとへ持ち込まれるなど、ドイルはドイル自身を名探偵と考える人たちに悩まされたという。
そういう中でのある出来事は、ユーモアを感じさせる事件だ。
ある時、ビリヤードにドイルが遊びに行った際、謎の客からキューを贈られた。
贈られたキューをドイルが使用しているうちに壊れてしまい、そのキューの中から一枚の紙切れが出てきた。紙には「アルセーヌ・ルパンからシャーロック・ホームズへ」と書れていた。
あらかじめキューの一部をくり抜いて中空にした中に紙を仕込んでおいたという手の込んだイタズラがあったという話。

●映画化されたシャーロック・ホームズ

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