螺旋の神秘(1部)

螺旋の螺は渦巻き状の貝のこと。自然界にはこの形から作られているものが多い。
人間は自然界の中に、いつも螺旋を見てきた。
そしてその形を心の中に刻みつけてきた。

螺旋の螺は巻貝のこと、旋はまわることを意味している。巻貝のようにくるくる回りながら巻きものの形のことを言う。
一口に螺旋と言っても、3次元的に考えた場合は一定の角度で旋回しながら上昇(下降)してゆくものと、
2次元曲線の渦巻も螺旋・螺線と呼ぶことがある。
渦巻と区別するために、3次元曲線の螺旋を弦巻線または蔓巻線(つるまきせん)と呼ぶことがある。
2次元の螺旋ではアルキメデスの螺旋とベルヌーイの螺旋という名前で呼ばれている螺旋の種類がある。

アルキメデスの螺旋:一様螺旋とも呼ばれ、くみ上げポンプの名前にも使われている。

ベルヌーイの螺旋
対数螺旋・ 等角螺旋と呼ばれ、オウムガイやサザエなどの巻貝の巻き方はこれに類する。

つまり螺旋 とは、 回転しながら上昇・下降するような三次元曲線。
渦巻 は 渦を巻くような二次元曲線と解釈できる。

自然界の多様な渦巻き

螺旋の神秘(1部)では、主に2次的螺線である渦巻きについて考察する。

自然界の植物には螺旋状を描きながら発育してゆく構成が多く観察できる。

左の図のように葉が茎の周りに螺旋状に回転しながら生えているのが見て取れる。
この回転の角度は、螺旋の黄金角と言い、ほとんどの植物の場合に見られる。
この旋回を 植物を上から見ると、右の写真のようになり、葉が、円周状で均等にバラけて、重なっていないのに気づく。
理由はもちろん、植物の生育に不可欠な光合成のために、日光を最適な条件で効率よく浴びるためだ。

このように自然界の生物は渦を巻くように成長しているのがわかる。
人のDNAも2本の互いにつながりあって螺旋状に伸びている。
わたしたちの祖先は昔から自然界の生物の中に、この一定の規則を見てきた。

渦巻き銀河M51

毎年日本に激しい雨風をもたらす台風。

螺旋を宇宙の誕生と進化にかかわる象徴的図形とする考え方がある。ギリシアやエジプトの神の持ち物に螺旋形の物がある。

渦巻き模様の象徴性

螺旋は、運動性や生命力を感じさせる面があるので、芸術作品などにおいては、様々な意味を込めた象徴、シンボルとして用いられることも多く、作品のタイトルとなっている例も多い。

出典: ja.wikipedia.org

ケルトの渦巻き紋
螺旋を宇宙の誕生と進化にかかわる象徴的図形とする考え方がある。
ギリシアやエジプトの神の持ち物にも螺旋形の物がある。

基本的には繰り返しの構造でありながら、同じ位置をたどらず、例えば無限に上昇する構造を歴史や生命になぞらえる例もある。

出典: ja.wikipedia.org

渦巻は回転の象徴として使われる。
多くの古代文明で、死と再生の循環の象徴とみなされ、墓などにしばしば描かれた。

渦巻き型三脚巴
三つの渦巻きを結合させたケルトシンボルは、西ヨーロッパの新石器時代シンボル。
それはアイルランド・ミース地方の先史時代ニューグレンジ遺跡の正面玄関 の石に刻まれていた。
このシンボルはほかの部屋の内壁にも刻まれ、それはケルト人協会やブルターニュ半島の
シンボルとして使用された。

古代エジプトのナカダ文化第2期(紀元前3400 年頃のゲルゼー文化期)の渦巻模様のある陶器のつぼ

螺旋や渦巻きを誕生から成長の運動と捉え、生物の根本原理と捉える考え方。
円を描きながら回帰することなく繰り返し運動を続ける螺旋。
古代の人々が、繰り返し人間の生や死の不思議を考えるとき、最も近しい形として図像化され、象徴化された運動である。

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