1巻で完結するおすすめのライトノベル

長編シリーズものの多いライトノベルですが、1巻で完結する作品の中にも名作は潜んでいます。手に取りやすいのも魅力ですね。そこで今回は、1巻で完結するライトノベル作品を集めてみました。3作品紹介します。

萬屋直人『旅に出よう、滅びゆく世界の果てまで。』(電撃文庫)

少しずつ少しずつ滅んでいく世界の中、バイクに乗って旅に出ることにした少年と少女の物語です。
この小説の中に出てくる「喪失症」は、徐々に色々なものを失っていき、最終的には自分という存在自体が消失してしまうという現象です。静かに穏やかに「忘れていく」「消えていく」ことが当たり前になってしまった世界で、それでもあくまで「普通」に生きようとする人々の姿が切なくも印象的にうつります。
終わろうとしている世界を舞台にした、あたたかくて優しい物語を、ぜひ。

田中ロミオ『AURA ~魔竜院光牙最後の闘い~』(ガガガ文庫)

いわゆる「中二病」な人達の、どこかおかしくて少し真面目なコメディ作品。
元中二病患者で「普通の高校生」に憧れながらも、中二病的世界に引きずり込まれてしまう(そしてやっぱりそれに親しんでしまう)主人公の葛藤が真面目なのに少しおかしくて、くすりとさせられながらも共感できるという不思議な物語になっています。
ラストは思いがけない展開が待っており、良い意味で「こんな結末あり!?」と思わせられます。
中二病だった方、あるいは現在進行形で中二病の方なら確実に楽しめること請け合いの作品です。

来楽零『ロミオの災難』(電撃文庫)

1年生5人だけの演劇部が舞台の青春ストーリー。
一応「ホラー作品」であるとされていますが、その要素は薄いので、ホラー小説が苦手な方でも楽しめる作品だと思います。
メインは演劇部5人の恋愛模様。描き方によっては面白おかしいラブコメディになりそうな設定を、あくまで真面目にほんのりドロドロ(?)仕上げているところが、この作品の魅力です。
良い実でライトノベルらしくない作品なので、あまりライトノベルを読まない方にもおすすめ。上質な青春恋愛ストーリーとして楽しんでください。

いかがでしたか?

ご紹介した3作品は、どれも読みごたえがあって非常に楽しめるものばかりです。
気になるものがありましたら、ぜひ読んでみてくださいね。

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