【読書を】読書が苦手なあなたに必要なのは、ちょっぴりの「毒」【楽しめ】
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読書が苦手な人、いませんか?白いページいっぱいに印刷された活字を見るだけでクラクラしてしまう、最初の5行で寝落ち、もう漫画でいいじゃん…そんなあなたに一度試してもらいたいのは、ちょっぴり「毒」のある本。残酷、禁忌、嫉妬、恐怖などがテーマの本は「夢中になりやすい」です。本は退屈、あなたのそんなイメージを覆す名作の数々を紹介します。
殺人鬼フジコの衝動 真梨幸子
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「人生は薔薇色のお菓子のよう」。一家惨殺事件のただひとりの生き残りである十一歳の少女が、伝説の殺人鬼になるまでを描いた衝撃の一作。不幸が不幸を呼び、嘘を嘘で塗り固め、気が付いた時にはもう両手いっぱいに罪を抱えてしまっていた。それでも彼女はひとり、またひとりと殺していく。いい子になりたいだけなのに。幸せになりたいだけなのに。いじめ、虐待、ネグレクト、浮気、殺人、愛と裏切り…。少女の心に芽吹いた真っ赤な罪の花が狂い咲くその様子は、あなたの心を掴んで離さないはず!「えっ…!?」と驚く仕掛けもされているので、思わずもう一度読みたくなること間違いなし。
殺人鬼—覚醒篇 綾辻行人
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地獄の饗宴へ、ようこそ。舞台は90年代のある夏の日。双葉山に上ったとあるサークルの一行は、次々とその山の「魔物」によって喰い尽くされていく。吹き出す血、切断される手足や生首、こぼれる内臓、断末魔の叫び声。描写が恐ろしくリアルなので、苦手な人は要注意。彼らの運命は?果たして「魔物」の正体とは…?
これも、最後にあっと驚く仕掛けつき。あなたは壮絶な残酷描写に惑わされることなく、作者のその「悪戯」に気が付くことができるか!?文章中にいくつかヒントが散りばめられているので、是非探しながら読んでみて欲しい。
押し入れのちよ 荻原浩
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失業中のサラリーマン恵太と引っ越し先の格安アパートの押入れに「住む」自称明治39年生まれの少女との奇妙な出会いとその暮らしを描いた表題作「押し入れのちよ」は思わずほっこり笑顔になった。大きな秘密が隠されたロシアの母子の物語、「お母さまのロシアのスープ」。妹のいなくなったあの日から、終わることのなかったかくれんぼの結末は…?姉の五月(さつき)がもう一度その地を訪れる、「木下闇」。来てもいいけど、なんで今来る!?「予期せぬ訪問者」。その他現代の介護の闇を皮肉と恐怖たっぷりに描いた「介護の鬼」や切なさの残る「コール」など、名作ぞろいの短編集。笑いあり、皮肉あり、恐怖あり、切なさあり。ドラマチックなのに、どれも気軽にさくっと読めるので、読書になれていないあなたにオススメ。
暗黒女子 秋吉理香子
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まるでブティックのように装飾された女子高の文学サロンを暗くして、ひっそりと開かれたのは「闇鍋パーティー」。それぞれ材料を持ち寄って、中身の分からないそれを食べながら、もう一つの持ち寄り品「自作小説」の朗読会をするというもの。今回のテーマはこの文学部のカリスマ的存在であった白石いつみの死。部員たちの心の闇が自作小説によって次々と明かされ、それが1つの線で結ばれるとき、驚愕の真実が姿を現す。高価な家具やティーセット、文学、デザート、仲間と過ごす優雅な時間。あなたが「女子」なら思わず頷いてしまうかもしれない、恐ろしくも残酷な彼女たちの心情は、決して小説の中だけのものではない。