『婚』がテーマの3短編
人生の大イベントの一つである"結婚"。その結婚のエピソードをユーモラスに描いた短編を、ポプラ社の百年文庫『婚』より紹介します。
『求婚者の話』久米正雄
恋も仕事も全力投球、30分前に見かけた綺麗な女性に本人を介さず求婚し、獣を見たら思わず打ちたくなってぶっ放す鈴木君。無鉄砲ゆえに成功を手にする彼の姿にはただただ感心するばかりです。
『下宿屋』ジョイス
計算高いシングル・マザーが、娘に確かな結婚を取り付ける物語。世間体を気にする小心者の男と娘を持つしたたかな母の駆け引きが面白い作品です。
『アリバイ・アイク』ラードナー
ジャガイモを食べる前には「澱粉が必要なんだ」、あの子が婚約者?と知人に聞かれれば「ダイヤの指輪を貸しただけ」などとあからさまに"すぐバレる"嘘をつくアイク。(こんな奴っているよな…)と思わされます。
いかがでしたか?
結婚に至るまでの珍道中を描く3篇。電車の中で読むのにピッタリな、明るい気持ちにさせてくれる作品ばかり。興味をもたれた方はお手に取ってみてはいかがでしょうか?