【オカルト】本当にあった怖い話「肉塊」「貸し別荘」「つきまとう女」を紹介!【閲覧注意】

本記事では「本当にあった怖い話」としてネットのオカルト掲示板などで紹介されている、「肉塊」「貸し別荘」「つきまとう女」の内容をまとめて紹介している。かなりの長文で読みごたえもあるので、暑い夏の夜のお供に楽しんでみてはいかがだろうか。怖い話が苦手な方は十分注意してもらいたい。

肉塊

小さい頃住んでた借家がうす気味の悪い家でね、
近くにお墓がいっぱいあったの
近所では事故や火事がたくさんおこっててね、

近くのタバコ屋やってたばあちゃんの家も火事になったの
築何百年かという大きい茅葺き屋根のお屋敷でね、
その家にはタバコ屋のばあちゃんと、子供のおばちゃんの2人が
住んでたんだけど、2人ともやけど程度で難を逃れたのだけれど、
焼け跡から巨大な肉塊が発見されたんだ

その焼けたお屋敷にはどうやら座敷牢があったらしく、
消防団が中に入った時には中でものすごい勢いで燃えてたらしいんだ
弟の友達のお父さんが消防団やってて一番に入っていったから後で聞かせてもらった

新聞にはその肉塊の事は載ってなくて、いなかった事にされちゃったんだけど、
タバコ屋は駄菓子も売ってて、俺が小学生のころよくお菓子買いにいってて、
ばあちゃんが古い漫画をくれたんだよね

ばあちゃんが読まないような少女漫画ばっかりだったから、
この本誰のだろうって疑問はあったけど、漫画がけっこう面白かったからいつももらってた
今おもえば、その漫画を通して唯一世間と繋がってたのかなって、、、
んで、火事から数週間が過ぎた時に事件がおこった

火事から数週間過ぎたときに、その焼け跡に車が突っ込んだのね
直線道路なのにどうやったらそこでハンドル切るんだろうって謎な事故で、
運転してた20歳の男の人は即死だった
座敷牢の人に呼ばれたのかなって思った

それからそのお屋敷跡の前の道路で、事故がまあ起こる起こる…
1年で8件の事故が起こった
そして、周辺で火事も多発しはじめて、警察も気がついたのかどうか知らないけれど、
座敷牢の人について、聞き込みをしていた時期があったんだ

ある日、神主さんが焼け跡と近所の無縁仏のお祓いをしてて、
そのしばらく後に、道路が拡張される事になった
事故が多発したためだろうけど、その拡張工事がどうにもおかしいんだ

拡張工事がはじまる少し前に我が家は引越したのだけど、
近所に住んでた友達の家に遊びに行く時に数年ぶりにその道路を自転車で通ったの
そしたら焼け跡はアパートが建ってて、普通の光景だったんだけど、
その横にトタンで覆われたエリアが道路のど真ん中にあるわけ…

それは無縁仏のあった場所で、2車線の道路がいきなりそこで1車線になって、
まるで道路の真ん中にポツンと存在してるんだよ
んで、その前後に道路標識の「黄色にビックリマーク」という意味のわからんのが、
10本くらい立ってて、まあ、ひと目見て異様な光景だったんだ

だったというのは、現在はそのエリアも取り壊されて普通の2車線道路になってる
あまりにも気持ちが悪い光景だったので、写真でもとっておこうかと使い捨てカメラを持って
友達と冗談半分で写真を撮ろうとしてた時に、
たまたまそれを見てた近所のおじさんがものすごい勢いで怒鳴りつけてきた

怒鳴りつけてきたおじさんが怖すぎて、俺も友人も一目散に逃げたのだけど、
おじさんは「祟られるぞ!!」って怒鳴ってた
んで、その後に友人と話をしてて、タバコ屋の火事の話になって、
タバコ屋にもうひとり人がいたの知ってる?って聞いたら、
どうやらそいつも小学生の時にタバコ屋で駄菓子を買った時に漫画をもらったらしい

肉塊の噂はお互い知ってたから、あの人の漫画だと思う?って聞いたら、
そいつその時になって初めて気づいたみたいで、顔が真っ青になって、
漫画はまだ家の本棚にあるからお祓いしてもらわないとって事になった

んで、友人の家にいって漫画の事を親に話して、近所の神社にお祓いに行く事になった
そんで神主さんに友人の親が電話で事情を話して、俺と友人は神社に着いた時に神主さんが待ってて、
事務所みたいなとこでしばらく待たされている間に神社に警察がやってきた

俺も友人も、近所であった事故と火事の事を覚えているかぎり根堀り葉掘り尋ねられた
神主さんが警察を呼んだのだろうけど、どうやら肉塊の事を聞き出したいのはわかった
案の定、その話になって、俺も友人も存在は聞いたけど、見たことは無いし、
この漫画がその人もものかどうかはハッキリとわからないとしか答えられなかった

その1週間くらい後に、友人から聞いたんだけど、
タバコ屋の横にあった古い無縁仏のお墓に、どうやら肉塊が埋葬されたという
親が話をしてたそうだ
どういう繋がりで、どういう人物なのかは知らないのだけれど、
そういう一族がタバコ屋のばあちゃんのお屋敷に居たというのは間違いないらしい

そして、友人がその後、怖い事を言い始めた
トタンに覆われたその無縁仏の墓を覗いて、名前を見たという
タバコ屋のばあちゃんの苗字は「W」、無縁仏は「T」、苗字が違う
身内ではなかったというのはそこではっきりしたが、俺も友人もそれが誰なのか
知りたくて知りたくてしょうがなかった、当時中学生だったので好奇心が恐怖よりも先にきて、
変わった苗字だったので、調べてみることにした

俺と友人はまだ中学生だったので、役所で謄本を調べるとかはちょっと無理だと思ったので、
市立の図書館でいろいろと調べてみたのだけれど、その苗字の手がかりは掴めなかった
2週間くらい、郷土資料館やらもあわせて調べてみたのだけれど全く成果がなくて、
結局謎のまま有耶無耶になってしまったのだけれど、
それから10年以上過ぎてついにその苗字を耳にする日がきた

その変わった苗字を耳にするというより、本人を見つけてしまった
仕事の関係で会った人なのだけど、どうやらこの人が肉塊の謎を解く重要人物かもしれないと、
このチャンスを逃したら一生、肉塊の謎は解けないと思い、近づいてみることにした
が、今思えば迂闊だった…
肉塊一族で間違いはなかった、その後、俺に猛烈な不幸が襲いかかる

無縁仏のあった場所は現在では直線道路になっていて、
お墓はどこか他の場所へ移されているのだが、
それが「T」さんの元にあるのはおそらく間違いないと思う
道路を最初に拡張する時に、さっさと公共墓地にでも移せばいいものを、
それをしなかったということは、身内の存在があって、何か衝突でもしてたのだろう

今思えば、警察がわざわざ神社にやってくるなど、
よほどの事だ、あの時警察は「T」さんを知っていたのではないだろうか
そして、現在は肉塊は「T」さんの元で供養されているはずなのだ
俺がもっと早くにこの事に気づいていれば、肉塊の祟りをうけることもなかったかもしれない

「T」さんに探りを入れたのが間違いだったのだろう
当たり障りもないように、変わった苗字ですが地元の方ですか?と
聞いた瞬間、顔色が変わったのがわかった
中学生の時まで地元にいたという話だけで、後ははぐらかされた

「T」さんと会ったのはそれが最後で、仕事先でも会う事はなかった
が、どうも俺はその時、「T」さんといっしょにいた肉塊の霊を
連れてきてしまったようで、奇妙な事が身の回りに起こり始める

それまで金縛りにはあったことがなかったのだが、
肉塊を連れてきたであろうその晩、金縛りになった
低い声が聞こえて、仰向けの俺の腹の上に黒い何かが乗っている
体がぴくりとも動かず、油汗をかきながらウンウンとうなっていた

体が疲れていて、脳だけが覚めている状態で金縛りは起こるらしいが、
そういうものではなく、体を何かが押さえつけている感覚だった
この時、はじめて金縛りにあったのだけど、
小学生の時、まだうす気味の悪い借家にいた時、
俺の母親も同じものを見た話を思い出してゾッとした

小学生だった時のある晩、母親が血相を変えて、
俺と弟が寝ている部屋へ飛び込んできて、
さらにそこで「エーっ?!」という悲鳴をあげたことがあった

何があったのかと聞くと、母親の枕元に誰かが近づいてきて、
そこで座って動かないものだから、俺か弟のどちらかが
いつまでも寝ずにウロウロしていると思い、早く寝なさいっ!と
叱りつけたらだれもおらず、あわてて俺と弟を見に行ったら二人とも熟睡している
枕元に黒いなにかが座ったと言ってたのだが、
俺の元に現れたのもそいつなのだろう
母親が黒い影を見たのは、肉塊が死んだ少し後の事だった

俺は初めて金縛りにあった翌日、交通事故を起こした
仕事先に向かう途中で、見通しの良い直線道路で時速は50キロ程度だったのだが、
体が重くなり、あっと思った瞬間、民家の壁へ突っ込んでいた
俺はそこで気を失ってしまったのだが、目が覚めてまっ先に肉塊の事を思い出した

あのお屋敷の前で起こり続けた不可解な交通事故を、自分が起こしてしまった
ここで俺は肉塊に取り憑かれている事を確信して、肉塊に連れて行かれるのではと怯えた
事故では頭と胸を打撲していて、右足にもケガをしていたが、
俺はとにかくこれはマズイと、その足でお祓いを受けに行く事にした
事情をよく知っているであろう、あの神主の元を訪ねてみた

神主はもう亡くなっていて、当時の事情を知る人はいなかった
火事の事、無縁仏の事を伝えてみたが、誰も知らなかったが、
地縛霊のようなものに取り憑かれていると伝えると、お祓いを簡単にしてくれた
それがとても簡単すぎるものだったので、俺はこれはダメなんじゃないかと不安になったが、
案の定駄目だった、それからも黒い影が度々俺の元に現れた

事故のケガはさほど重症でもなかったが、胸がとにかく苦しく黒い影がひどい時には4時間ほど
俺の体を押さえつけて、精神がすっかりまいってしまって、仕事には出られず、
会社も辞めてしまった
お祓いというよりも、供養が必要なのではないかと思って「T」さんにどうにか連絡を取ろうとしたが、
辞めた会社は取り繕ってくれなかった

とにかく供養をしなければと、部屋にはお清めの塩を盛り、線香を3本立て、
成仏してください成仏してくださいと唱え続けたが、黒い影は現れ続け、
お寺の住職に相談してみたところ、霊が生前に好きだったものをお供えして
供養してあげてくださいと言われた

俺は肉塊が生前なにを好きだったかなんて知らないし、肉塊になったほどだから、
やはり肉なんだろうかと、牛肉をお供えしてみたがその夜も金縛りにあった
肉塊が好きだったもの、そうだ漫画が好きだったに違いない!
タバコ屋のばあちゃんはあんな少女漫画読まないだろうし、肉塊が座敷牢で読んで
いた漫画をお供えしてみよう、俺はそう思って本屋へ少女漫画を買いに行った

俺が小学生の時、タバコ屋でもらった肉塊の少女漫画
全部で20冊くらいはもらったはずなのだが、タイトルを忘れてしまっていた
だけどその中に俺がすごく面白いと思ったものがあって、
パパと私という漫画をよく覚えていてた

片親の大工のお父さんが子供のミヨちゃんにお弁当を作ったり、裁縫をしたり
ほのぼのとした少女漫画があった
肉塊はこういう少女漫画が唯一の社会との接点で、外の世界を知るには漫画しか
無かったのだろうと思うと俺は取り憑かれているにも関わらず、
本屋でパパと私を手にした時、涙がこぼれて止まらなくなってしまった

パパと私の話の中に、晩御飯はカレーにしましょうという話があって、
大工のお父さんが悪戦苦闘してカレーを作るのだけど、
俺はその話をよく覚えていたので漫画と一緒にカレーの材料を買って来て、
カレーを作ってあげることにした、肉も多めに入れておいた

そして、漫画とカレーをお供えに、線香をあげて供養をした
不思議というか、やはりというか、その日の夜から黒い影は現れず、金縛りにもあわなくなった
俺は肉塊を供養することに成功したのだろう、それ以来、一度も彼女には会っていない
あれだけ苦しめられた肉塊の存在が、何故か最後の日は少女漫画のミヨちゃんのように思えて、
俺のそういう思いが伝わって成仏してくれたのだろうと信じる

俺はあれ以来、カレーを作ると肉塊の行方が気になってしょうがない
無事に成仏できず、この世をさまよっているとしたら、
また誰かの元に黒い影となって現れているのかもしれない

もしあなたが金縛りにあったり、黒い影にとり憑かれたら、
カレーを作って、どうか肉塊の事を少しだけ思い出して、
心の片隅で供養してあげてほしい

出典: fumibako.com

貸し別荘

2年前の話を
この話は一応口止めされている内容のため、具体的な場所などは書けません。
具体的な部分は殆ど省くかボカしているので、それでもいいという方だけお読みください。

高校3年の夏休みの事。
俺と友人5人は、受験勉強でかなり疲れが溜まっていた事や、高校最後の夏休み
ということもあって、どこかへ旅行に行こうと計画を立てた。
ただしもう夏休みに突入していたため、観光地はどこもキャンセル待ちの様な状態で、
宿泊地を探すのにかなり苦労した。そしてやっとの事で近畿地方の高原?のような
観光地のペンションにまだ空きがあるという情報をネットでみつけ、まあ騒いでも苦情
が無いならどこでもいいかと即決でそこに決めた。

旅行当日、早朝に出発し昼前に現地に到着したのだが、そこで少し問題が起きてしまった。
どうやら旅行代理店とペンションの管理組合?との間で伝達ミスがあったらしく。
俺達は今日から2泊3日で予約していたにも関わらず、ペンションの方には宿泊予定が
今日から3日後と伝わっていて、今は満室で1つも空いていないと言い出した。

俺達はここまで来てそれはないだろうと文句をいうと、最初はふもとの町にある
ホテルなどを紹介されたが、俺達はただ観光に来たわけでは無く夜中に騒いでも
苦情が来ないような場所が条件だったため、かなり食い下がった。

するとペンションの人が「じゃあちょっと待っていて欲しい」と携帯でどこかへ電話をし始めた。
電話の内容は良く解らなかったが、なんとなくかなりモメていたようで、そのまま
15分ほど電話していたが、どうやら話がまとまったようで、「近場に貸し別荘があるので、
そこでどうだろうか?料金はこちらの不手際なのでペンションの代金の3割引で良い」と言って来た。

俺たちはまあそれならと納得したが、そこから少し雲行きが怪しくなった。
どうもその貸し別荘は長い事使われていなかったらしく、準備や掃除に少し時間がかかるらしい。
その間俺達には交通費と水族館の割引券を渡すので、そこで時間を潰して夕方にまた来て欲しいとの事だった。

その水族館はペンションのある場所からかなり離れていた、というか県外の某大都市
にある水族館で、俺達が見終わってもどってくる頃には午後6時近くになっていた。
俺達は「こんなに準備に時間かかるってどれだけ放置されていたんだよ」「廃墟
とかじゃねーよな?」「なんか怪しいんだけど」などと不安を口にしながら管理事務所に向かった。

ペンションに戻ってくると、先ほどとは違うおじさんが待っており、準備が出来たので
案内すると歩いて15分ほど離れた森の中にある別荘へ案内された。
そこは本当に完全に森の中で周囲には何も無く、余程大声で騒いでもまず苦情が来ないような場所だった。
そのおじさんが言うには、暫らく使われていなかったので手間取ったが、電気も水道も
ガスもちゃんと通っているし、携帯は通じないが管理小屋への直通の電話もある、
何の問題も無いとしきりに説明をし始めた。

俺達はなにかおじさんに必死さが感じられてかなり不安になってきたが、
今更どうしようもないので別荘の中に入った。
別荘は外観もそうだったが、洋風のかなり古いつくりで、築30年か40年くらい経っていそう
な建物で、インテリアもそれに見合ってかなり古臭い。
ただし、使われていなかったというわりにかなり小奇麗だった。
今から思うと、小奇麗と言うより「人が使った痕跡が殆ど無い」といった方が良い感じだったが。

一通り別荘内の説明を聞き、建物も2階建てで広いしまんざらでもないなと荷物を降ろし
夕飯のバーベキューの準備をしようとしていると、おじさんが去り際におかしな事を言い出した。
ここは夜中に熊が出る可能性があるので、深夜の外出は控えて欲しいと言う。

俺達はなぜか、かなり念入りに深夜の外出をしない事を約束させられた。
ペンションの密集地から15分しか離れていないこんな場所に??と皆疑問に思ったが、
まあ恐らくガキが夜中に出歩いて問題をおこしたり事故に合うと面倒なので、怖がらせるような
事を言って脅かしているのだろうと納得した。

一日目はそんな感じで過ぎ、晩飯を食った後で夜中の森の中を適当に散策し、花火をしたり
ゲームをしたりと遊んで深夜2時頃に寝た。
その日は特におかしな事は無かったのだが、次の日友達の1人が変な事を言っていた。

そいつは夜中に小便がしたくなり、トイレに行くと、外から太鼓の音が聞こえてきたらしい。
俺達は何かの聞き間違いだろうと言ってそのまま流し、本人も気のせいだろうと納得したが、
その日の夜に事件が起きた。

その日、晩飯の焼肉を食い腹もいっぱいになったし暇になり、する事が無かった俺達は
昼間見つけた林道へ肝試しに行く事にした。
肝試し中は何事も無く、俺達はつまんねーなと別荘に戻ると、
入り口に20代後半くらい?の男が立っていて、ドアノブを握っている。

時間は夜10時頃。
こんな時間に管理人の人が来るとも思えず、「空き巣か?」と俺達が近付いていったのだが、
その男はドアノブを握ったままこちらを振り向こうともしない。
足音も声も聞こえるのだから、泥棒や不審者の類なら逃げそうな物だが、
そいつは10mくらいまで近付いても微動だにしない。

何か気持ち悪かったが、メンバーでリーダー格の友達と俺が「おっさん何してんだよ」と言いながら
近付いていき、男の目の前まで来たのだがそれでも動く気配が無い。
埒があかないので友達が「聞こえてないのかよ!」とそいつの腕を引っ張った。
その瞬間俺と友達は「うわあああああああああ」と大声を上げて後ろへ飛びのいた。

何故飛びのいたかというと。

そいつの腕を友達がつかんで引っ張った時、その腕の手首から10cmくらいの場所が、
まるでゴムのようにグニャッと関節ではないところから曲がったためだった。

何事かと他の友達が近付いてきたのだが、その時になって男はこちらへ振り向いた。
見た目は普通なのだが、目はどこを見ているのか良く解らない風で焦点が定まっておらず、
口をだらんと開けて涎をたらし、その時になって気付いたのだが、服装もかなりボロボロで
どう見ても普通の人には見えない。
俺達が呆然と男を見ていると、男は俺達がまるで見えていないかのように
そのままフラフラと森の中へ去って行ってしまった。

俺達はあまりの出来事に動揺し、暫らくその場から動けなかった。
しかし、そのままそこにいるわけにもいかず、俺達はふと我に帰り大急ぎで別荘内に入りドアの
鍵を閉めると、全員で室内の全てのドアの鍵をチェックし、それが終るとリビングに集まった。
そして皆「なんだよあれ…」「幽霊か?」「でも触れたぞ」「あの腕の曲がり方ありえないだろ…」
などとパニックになって興奮気味に話していると、今度は外から

…ドン …ドン …ドン

と微かに太鼓の音?が聞こえて来た。
その音はゆっくりとだがこちらへ近付いてきているようで、
俺達はみな押し黙り聞き耳を立てて音のするほうに集中していた。
音が庭辺りにまで近付いた頃、不安が最高潮に達した俺は我慢できなくなり、リビングのカーテンを開けて外を見た。
すると…

暗がりで良く見えないが、何か大きな球状のものが転がりながらこちらへ近付いてくるのが見えた。
太鼓のような音はその球状の物体からしているらしく、…ドンと音がすると転がり、また…ドンと
音がすると止まる、それを繰り返しながら、大通りから別荘へ向かう道をゆっくりとこちらへ向かってきている。

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