1978年、第二回大会では森田芳光さんが「ライブイン茅ヶ崎」で入選しました。
森田さんはその後、「家族ゲーム」「失楽園」「ときめきに死す」などを発表し、影のあるタッチとうす暗さの中に様々な人間模様を描き出しました。
最近、櫻井翔さん主演でドラマ化もされましたが、森田監督版「家族ゲーム」はなんと言っても松田優作さんの「ちょっとやばい人」な演技が最高!
あまりに有名な「横一列で食事」のシーンの衝撃は何度見ても凄まじく、つい見入ってしまいます。
1979年、第三回の受賞者は犬童一心さんを含む5名。
犬童さんは「気分を変えて?」で入選。
その後「ジョゼと虎と魚たち」「メゾン・ド・ヒミコ」「グーグーだって猫である」など繊細な描写、美しい画面が魅力的な作品を発表しています。
人気ロックバンド「くるり」が劇中歌をつとめ、さらに透明感を演出しています。
1986年、1987年は園子温さんが「俺は園子温だ!!」、「男の花道」で二年連続入選しています。
園さんと言えば衝撃的な冒頭シーンで話題を呼んだ「自殺サークル」、ベルリン国際映画祭で高く評価された4時間近くに及ぶ大作「愛のむきだし」等で評判を獲得しています。
長編大作「愛のむきだし」はあらゆるタブーに土足で立ち入りながら、力技で最後まで駆け抜けてしまうあっという間の4時間。
2007年、「剥き出しにっぽん」でグランプリを受賞しました。
奥さんは先述「愛のむきだし」でヒロインを演じた満島ひかりさん。
2009年には、彼女を主人公とした作品「川の底からこんにちは」を発表。
2013年には三浦しをんさんの原作も大ヒットを飛ばした「舟を編む」が、日本アカデミー賞再優秀作品賞を受賞するなど高い評価を得ています。
2009年、「一秒の温度」でグランプリ&観客賞をダブル受賞したもっとも注目されるべき人物。
2014年には「正しく忘れる」を発表、現在は最新作「なけもしないくせに」を準備中とのこと。
「なけもしないくせに」はENBUゼミナール主催のシネマプロジェクトの第五弾となり、東日本大震災から数年経った地方都市が舞台となっています。