懐かしき90年代 / 渋谷系アーティスト (Tokyo No.1 Soul Set編)
1990年代、邦楽の音楽界で1つのムーブメントとなった渋谷系アーティスト。
数々の素晴らしいアーティストが登場しましたが、その中から何組かをご紹介したいと思います。
第三弾はTokyo No.1 Soul Setです。
Tokyo No.1 Soul Set
音楽性と評価について
彼等の音楽性は、非常にジャンルが捉えにくい。トラックはHipHopやJazzといったブラックミュージックをベースにしている。しかし、そこに乗ってくるBIKKEのラップは非常に異質なものであり、いわゆる「韻を踏む」といったようなベーシックなラップではなく、どちらかと言うと詩を朗読するようなものであり、文学的エッセンスが加わる。はたまた、楽曲によっては渡辺俊美のギターに重きを置いた、どちらかと言うとロックに近いサウンドも奏でる事がある。
こういった特徴から、彼等のサウンドは一つのジャンルに収まらないものがある。そして、何よりも他に彼等のようないわゆる"似ている"アーティストが居ない為、唯一無二的な存在感を持っている。"渋谷系アーティスト"の一組として認知されてきた彼等であるが、その中でも当時から異彩を放っていたのがTokyo No.1 Soul Setである。極端な話、渋谷系なのであろうか?という疑問が起こる程であったと言える。しかし、それでも"渋谷系"に属していたのは、やはりアーティストとして、トラックやジャケットといったビジュアル面含め、あらゆる点で"オシャレさ"があったからであり、世間のリスナーからもそう評価されていたからである。