出ましたっ!パワパフガールズZ(アニメ・漫画)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『出ましたっ!パワパフガールズZ』とは、2006年よりテレビ東京系列ほかで放送された東映アニメーション創立50周年記念作品である。
カートゥーンネットワークの看板キャラクターとしても名高いクレイグ・マクラッケンの『パワーパフガールズ』を原作としている。
偶然、スーパーヒロインに変身する力を得た3人の少女が「パワパフガールズZ」として、町の平和を守るためモンスターたちと戦っていく。
この作品を基にした漫画が少女漫画雑誌『りぼん』に連載され、ニンテンドーDSでゲーム版も発売されている。

『出ましたっ!パワパフガールズZ』の概要

『出ましたっ!パワパフガールズZ』とは、2006年よりテレビ東京系列ほかで放送されたアニメ作品である。また、東映アニメーション創立50周年記念作品でもある。4クール全52話が放送された。
シリーズディレクターは、『一休さん』で総作画監督を務めた石黒育。キャラクターデザインには、『セーラームーン』の作画監督や『キューティーハニーF』のキャラクターデザインを担当したしもがさ美穂が起用された。また、シリーズ構成は、『らんま1/2』や『忍たま乱太郎』を担当したことで知られる浦沢義雄である。
赤堤ももこ(あかづつみももこ)、豪徳寺みやこ(ごうとくじみやこ)、松原かおる(まつばらかおる)の3人の少女が、偶然スーパーヒロインに変身する力を得て、「パワパフガールズZ」として敵のモンスターたちと戦う。
カートゥーンネットワークの『パワーパフガールズ』が原作だが、原作とは全く異なった絵柄、ストーリーとなっている。
また、この作品を基にした漫画が少女漫画雑誌『りぼん』に2006年8月号から2007年7月号まで連載された。単行本は全2巻出版されている。作画担当は込由野しほ。世界観はアニメ版に準じたものであるが、ストーリーと一部のキャラクターはオリジナルとなっている。
2007年6月14日には『ゲームで出ましたっ!パワパフガールズZ』として、ゲーム版が発売された。制作はバンダイナムコゲームス(バンダイレーベル)で、ゲームジャンルはボードゲーム。ニンテンドーDS用ソフトである。

『出ましたっ!パワパフガールズZ』のあらすじ・ストーリー

『出ましたっ!パワパフガールズZ』は、基本的に1話完結型のストーリー構成である。

パワパフガールズZの誕生

舞台は「東京CITY」。架空の都市だが、実際の東京都内に存在する地名も登場する。
東京CITYの国際科学研究所で、ユートニウム博士と助手で息子の北沢ケンが、謎の物質ケミカルXの研究をしていた。そこに、研究所のペットであるデジタル犬のピーチが、誤って大福をケミカルXの中に入れてしまう。ケミカルXは激しい化学反応を起こし、新たな物質ケミカルZへと変化する。
そんなある日、東京CITY近海に巨大な氷山が出現する。ケンがケミカルZを光線にして氷山に打ち込むと、氷山を消すことに成功。しかし、ケミカルZは白い光と黒い光となって東京CITYに降り注いだ。東京CITYの中学校に通う赤堤ももこ、豪徳寺みやこ、松原かおるの3人は、偶然ケミカルZの白い光を浴び、パワパフガールズZに変身する力を得た。
一方、黒い光を浴びた物や生物は、悪いことを考えるモンスターに変身してしまった。東京CITYの平和を守るため、パワパフガールズZの3人は日夜モンスターたちと戦うことになる。彼女たちは家族や友人にパワパフガールズZであることを隠している。学校の授業中にも出動することがあるが、正体がばれないよう仮病を使って授業を抜け出す。

みやこと初恋の相手「タカアキ」

学校でモテモテのみやこだが、誰ともお付き合いをしようとしない。その理由は、小さいころからの初恋の人がいるからである。その人は、6才のころに公園で遊んでいたみやこたちを意地悪な男の子たちから助けてくれた、タカアキという少年だった。
第12話で登場したタカアキは、重い病気のため、ずっと入院生活をしていた。長い入院生活によるストレスから、タカアキはケミカルZのパワーでモンスターになってしまった。モンスターになったタカアキは、入院生活でのストレスを晴らすかのごとく街を好き勝手に暴れまわるが、落下物から子供を助けたりもした。みやこの涙ながらの呼びかけに子供の頃の約束を思い出すも、黒い光の呪縛から逃れることはできず、何処かに去っていってしまう。
しかし、第48話で再登場し、バブルスの説得と新技シャボン・フリーダムによって黒いオーラから解放された。

小学校に通うケン

ケンは、大学院を卒業して博士号まで持っているため、学校に行く必要はなかったが、そのかわり友達はいなかった。学校とは勉強するだけでなく、友達と楽しく遊んだり、はげましあったり、ぶつかりあったりして、ともに成長しあうところだというパワパフガールズZの3人の話を聞いたケンは、友達を作るために小学校へ入り直すことにする。
ケンが入ったクラスには、ももこの妹であるくりこがいた。モンスターのモジョ・ジョジョがケンの学校に現れるが、くりこに正体を知られてしまうため、パワパフガールズZは助けに行くことができない。そこで、ケンはくりこたちと協力して、モジョ・ジョジョとなぞなぞで勝負することにした。ケンたちはなぞなぞ勝負に勝ち、モジョ・ジョジョは自爆してしまった。
次の日、ケンは学校に行かなかったが、友達が研究所に遊びに来てくれるようになったのだった。

パワパフガールズZの休業と「パワパフボーイズZ」

いつもパワパフガールズZの活動のために授業を抜け出しているももこ、みやこ、かおる。「期末試験をちゃんとうけないと落第する」と校長に言われてしまったため、試験中はパワパフガールズZに変身しないことにする。そしてその間は、ユートニウム博士とケンとピーチが東京CITYの平和を守ることになった。モジョ・ジョジョがあばれているとの連絡をうけたユートニウム博士は、密かに開発していたパワードスーツを着て「ユートニウムZ」に変身する。また、ケンは「ケン北沢Z」に、ピーチは「ピーチZ」に変身し、3人で「パワパフボーイズZ」としてモンスターと戦い始める。ユートニウムZの右腕にはライトセイバー、背中には翼のようなものがあり、飛ぶことができる。ユートニウム博士自身の戦闘力はほとんど無いが、幸運を味方に付け、どうにかモンスターたちを撃退するのだった。

中身が入れ替わるパワパフガールズZ

モンスターと戦ったパワパフガールズZは、吹き飛ばされて頭を強く打ってしまい、みやこはももこに、ももこはかおるに、かおるはみやこに、中身が入れかわってしまった。
ももこの姿になったみやこは、ももこの妹であるくりこの隣で寝ることになった。しかし、くりこの寝相はかなり悪く、寝ぼけて隣に寝ていたみやこをベッドから蹴落として、さらに追い打ちをかけるように馬乗りになって大暴れした。妹をほしがっていたみやこだったが、その幻想は見事に打ち砕かれた。
かおるの姿になったももこは、かおるの家で過ごすことになった。男の兄弟を欲しがっていたももこだったが、かおるの兄弟と父親はそろって品がなく、入浴後に平気で裸で家の中をうろついていた。その様子を見て、ももこの幻想は見事に打ち砕かれた。
みやこの姿になったかおるは、みやこの祖母と一緒に過ごすことになった。和風のお屋敷でお嬢様暮らしができると思っていたかおるだったが、みやこの祖母はとても厳しく、かおるの幻想は見事に打ち砕かれた。

パワパフガールズZと「カレ」との戦い

ケミカルZから生み出された中でも、ひときわ大きな黒い光が、石のひつぎに封じこめられていた最凶最悪のモンスターである「カレ」を目覚めさせた。カレはずっと昔、国際科学研究所のもとになった大江戸蘭学所を作った平賀ケン内に捕まえられた。捕まえられたカレの黒い光は箱に封印して海に捨てられ、肉体は石棺に入れて上野神社の地下に封印されたのだった。
第22話で初登場したカレは、自分が封じこめられている石棺を開けるため、ミイラ男を作り出す。そして、石棺を開けるには白い光のパワーが必要ということで、ミイラ男を国際科学研究所に向かわせた。ミイラ男はパワパフガールズZにおそいかかり、白い光のパワーを吸い取ってしまうのだった。
石棺からひさしぶりに目覚めたカレは、すっかり変わってしまった東京CITYを見ておどろく。そして、まきちらした黒い粉に命じて、パワパフガールズZに変身する前の3人をおそわせたり、研究所をおそってケミカルZをうばったりした。
第36話で、カレは黒い粉から「パワパフガールズZたちの正体が普通の人間である」という情報を聞いた。さらに、みやこがタコのぬいぐるみ「オクティー」を気に入っていると知ったカレは、黒い粉にオクティーをあやつらせて、パワパフガールズZを解散させようとたくらんだ。カレの作戦が成功し、パワパフガールズZの3人は出動要請がかかっても、モンスターを前にしてケンカを始めてしまうのだった。
第51話では、パワパフガールズZがユートニウム博士の作ったタイムマシンに乗り、江戸時代へ向かう。かつてカレを封印させた平賀ケン内に会って、再び封印する手がかりを得るためである。江戸時代にたどりつき、平賀ケン内に出会うことができたパワパフガールズZ。しかし、カレを封印するために必要な白い光を集めるため、今度は原始時代に向かうことになってしまった。
最終話で、無事カレを封印するのに必要な白い光を持ち帰ることができたパワパフガールズZ。そのころ、カレはモンスターたちから奪った黒い光と自身の能力で東京CITYを火の海にしようとしていた。しかし、パワパフガールズZが集めたすべての白い光の力によって、再度心と肉体を分離されて封印されたのだった。
白い光を失ったパワパフガールズZはもう変身できないと思われたが、「科学で証明できない何か」により、変身能力は残っていた。その後もパワパフガールズZは、モンスターたちと戦い続けるのだった。

『出ましたっ!パワパフガールズZ』の登場人物・キャラクター

パワパフガールズZ

赤堤 ももこ(あかづつみ ももこ)/ハイパー・ブロッサム

赤堤 ももこ(あかづつみ ももこ)/ハイパー・ブロッサム

CV:加藤英美里
「私立東京シティ学園中等部」1年C組在籍の1年生。
オレンジ色の髪でポニーテールをしており、大きな赤いリボンをつけている。
明るく元気な性格。ミーハーで流行りものに弱く、少し目立ちたがり屋である。
甘い食べ物が好きで、「いちご大福スピン」や「アイスクリーム・シュート」など、必殺技の名前もスイーツ関連のものが多い。界隈のスイーツのお店は大体網羅している。
趣味はヒーロー番組を鑑賞すること。「赤はリーダーの色だから」という理由で、自称パワパフガールズZのリーダーを名乗っている。
武器はヨーヨーで、モンスターに直接ぶつけたり、糸を巻きつけて捕縛したりして戦う。
出動のために授業を抜けだすときは、頭痛など、頭に関する仮病を使うことが多い。

豪徳寺 みやこ(ごうとくじ みやこ)/ローリング・バブルス

豪徳寺 みやこ(ごうとくじ みやこ)/ローリング・バブルス

CV:宮原永海
「私立東京シティ学園中等部」1年C組の1年生。
おしとやかで優しい性格だが、天然ボケで人一倍マイペースである。育ちが良く礼儀正しいお嬢様。黄色の髪を巻き、ツインテールにしている。
おしゃれが大好きで、変身後の衣装がかわいいので気に入っている。
学校では男の子に大人気で、毎朝、ロッカーにたくさんのラブレターが挟まっている。
武器は、しゃぼん玉をだすスティックロッド。遠隔からのサポートを得意とし、接近戦は苦手である。また、動物や宇宙人と会話ができる能力も持っている。
出動のために授業を抜けだすときは、食あたりなど、お腹に関する仮病を使うことが多い。

ikadebeerr6
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