【演説の達人】口八丁な銀行強盗「響野」の魅力その3

『陽気なギャングが地球を回す』伊坂幸太郎 作中の登場人物、演説の達人「響野」の魅力について語るシリーズ3弾。

2弾:【演説の達人】口八丁な銀行強盗「響野」の魅力その2
https://renote.net/articles/1492

4弾:【演説の達人】口八丁な銀行強盗「響野」の魅力その2
https://renote.net/articles/1495

迷言・迷セリフその5「賭けてもいいですが、この映画館には爆弾が仕掛けられています」

映画を見ていて、椅子の下に爆弾らしきものを見つけた時の言葉。
この台詞の後に、長ったらしく講釈を加えている。

「賭けてもいいですが、この映画館には爆弾が仕掛けられています。辞職間近の政治家が、形勢を逆転させるために隠し持つバクダンだとか、優秀なサッカー選手が怪我で膝に抱えるバクダンだとか、そういう比喩ではなくてね、正真正銘の爆弾ですよ。でも、安心したほうが良いでしょう。こんなものがあると分かったら、映画館は今晩の入場料くらいは返してくれます。こんな下らない映画なんて何度も観させてくれますよ。あなたの気が済むまでね。だから、今は逃げたほうが賢明です」

「爆弾だ! 逃げろ」と、普通の人なら2単語で済むことも、響野の口から出ればとんでもない長台詞になってしまいます。
喋っている途中に爆弾が爆発したら、とか、考えないんだろうなぁ。

迷言・迷セリフその6「素早く、鮮やかに、仕事をしなくてはならない」

銀行強盗の打ち合わせ中の一言の一部、言い方がもう素早くない。

「銀行員たちが後になって『今自分たちの目の前を駆け抜けていったのは、強盗だったのだろうか、それとも喧騒だらけの好景気だったのかしら』と悩むくらいに素早く、鮮やかに、仕事をしなくてはならない」

じつはこの4人組において、響野だけは素早くコトを運ぶ必要はありません。
響野は銀行を襲う際、成瀬や久遠がお金をバッグに詰めるまで人質や銀行員にパニックを起こさせないよう、ぴったり4分間喋り倒す役目を受け持っています。
少しでも言葉に詰まったりすると銀行員は間違いなく警報を鳴らそうとします。
身もふたもない話を4分間も大勢の人に聞かせることができるのは、希代のおしゃべり男、響野にしかできない役割なのです。

この人喫茶店やるより、落語家やった方が良いんじゃないのかなぁ。

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