21世紀に語り継ぎたいクラシックな洋画50選-3-

若い世代に見てもらいたいクラシックな名作洋画、その21〜30までを紹介いたします。

スタンド・バイ・ミー(Stand by Me)

「スタンド・バイ・ミー」は、1986年公開・アメリカ映画。監督ロブ・ライナー。

原作はモダン・ホラーの第一人者スティーブン・キングの「死体(The Body)」です。
1950年代終わり頃、オレゴン州の小さな町に住む4人の少年達が経験する、一夏の冒険物語。
思春期にさしかかった少年達の心の動きが繊細に描かれており、特に大人になった男性には「懐かしい」感慨を与える作品ではないかと思います。

ゴーディ(ウィル・ウィートン)、クリス(リヴァー・フェニックス)、テディ(コリー・フェルドマン)、バーン(ジェリー・オコンネル)の4人はいわゆる「悪ガキ仲間」。
自分たちだけの「秘密の小屋」で親に隠れてこっそり煙草を吸ったり、精一杯背伸びした「猥談」をしたりして楽しんでいました。
そんなある日、バーンがたまたま耳にした「森の奥に列車にはねられてそのままになった死体があるらしい」という、年上の不良達の話。
それを聞いた他の3人は「もしその死体を見つけられたら、俺たちは英雄になれるぜ!」と俄然盛り上がり、4人で死体探しの旅にでかけるのですが…。

「スタンド・バイ・ミー」で私がすぐに思い浮かべるのは、このシーン。
少年4人が横一列に並んで線路の上を歩いて行くシーンです。

テーマ曲の「スタンド・バイ・ミー」は、ベン・E・キングのヒット曲。

出演した少年達の中でも当時特に注目されたのは、クリス役のリヴァー・フェニックスです。
少し影のある眼差しと、その時から既に醸し出されていた「大物感」で、将来を嘱望されていたのに、オーバードースによりわずか23歳の若さで亡くなりました。

この画像でも窺える深い精神性。年齢を重ねる毎に良い演技が出来るようになっていくだろうと想像させてくれる面差しです。
今もし生きていたなら、もしかしたらジョニー・デップのような、多様な演技のできる俳優になっていたかも、と思うと本当に残念です。

フィールド・オブ・ドリームス(Field of Dreams)

「フィールド・オブ・ドリームス」は、1990年公開・アメリカ映画。監督フィル・アルデン・ロビンソン。

ケヴィン・コスナー演じる農夫が、ある日不思議な声を聞きます。
「それを作れば彼が来る」(IF YOU BUILD IT,HE WILL COME.)
その声を聞いた彼は、自分が育てたトウモロコシ畑をつぶし、そこに野球場を建てようと決心。
そんな彼の気持ちが届き、ついに奇跡が起きます。

ラストシーンを思い出すと、今でもすぐに目頭がじわっと熱くなる作品です。
ストーリー自体は「あり得ない」ことも含んで描かれているので、「ファンタジー」と見なすべきなのでしょうが、登場人物がみんな心根の優しい人ばかりなので、自然に感情移入ができるのでしょうね。

なお、この物語には実在したプロ野球選手「シューレス・ジョー」のエピソードがうまく使われています。

風と共に去りぬ(Gone with the Wind)

「風と共に去りぬ」は、1939年公開、アメリカ映画。監督ヴィクター・フレミング。

南北戦争を軸に、誇り高き南部の美女スカーレット・オハラ(ヴィヴィアン・リー)の波乱の半生を描いた大作です。
洋画の名作として、まっさきに名が上がるのはおそらくこの作品ではないかと思います。

なお、日本での公開は1952年でした。

原作はマーガレット・ミッチェルの「風と共に去りぬ」。
MGMが総力を挙げて制作したこの超大作は、主演にヴィヴィアン・リー、クラーク・ゲイブルというそれぞれの役柄にぴったりハマった役者を得て、大成功をおさめました。
1940年のアカデミー賞では、作品賞、監督賞、主演女優賞、助演女優賞(ハティ・マクダウェル=黒人の俳優としては史上初の受賞)などを受賞。
「必ずどこかで上映されている映画」とも言わています。

レット・バトラー(クラーク・ゲイブル)が、どうしても自分にふりむかないスカーレットに情熱的に迫る名場面。

映画中盤、南北戦争ですべてを失い、一度は絶望に襲われたスカーレットが力強く宣言する名場面。

「神よ、お聞きください。この試練にわたしは負けません。家族に二度とひもじい思いはさせません。
生き抜いてみせます。たとえ盗みをし、人を殺してでも。
神よ、誓います。二度と飢えに泣きません!」

レットに去られて、はじめて自分が彼を心から愛していたことに気づくスカーレット。

「After all, tomorrow is another day.」という、有名な台詞はここで聞かれます。

以前は「明日は明日の風が吹くわ」と訳されることが多かったのですが、現在では「明日という日があるわ」と訳されるようになっています。

こんなくしゃくしゃな涙まみれの表情でもとても美しいヴィヴィアン。
正に美女の中の美女と言っていいでしょう。
こんなに美しい人だったのに、私生活では幸薄かった彼女は晩年病気がちになり、最期を誰にも看取られる事なく息を引き取りました。

ウエスト・サイド物語(West Side Story)

「ウエスト・サイド物語」は、1961年公開、アメリカ映画。監督ロバート・ワイズ&ジェローム・ロビンソン。
ウィリアム・シェイクスピアの「ロミオとジュリエット」を下敷きにした、同名タイトルのブロードウェイ・ミュージカルを映画化した作品です。

実際にこのように街の中で、のびのびとダンスする様子が映像化されたのは、この映画が初めてでした。
日本ではこの映画がきっかけでスニーカーやジーンズなどが若い世代を中心に人気になったそうです。

対立関係にある、ジェット団とシャーク団。
ジェット団のリーダートニー(リチャード・ベイマー)と、シャーク団のリーダーベルナルト(ジョージ・チャキリス)の妹マリア(ナタリー・ウッド)は、ダンスパーティの夜運命的な出会いをし、お互いに一目で情熱的な恋に落ちます。
それは悲劇の始まりでもありました。

ミュージカルを映画化しただけあって、この映画からは「トゥナイト」「クール」など、数々の名曲が生まれています。

マイケル・ジャクソンの「今夜はビート・イット」のPVは、本作にインスパイアされて作られたそうです。

スティング(The Sting)

「スティング」は、1973年公開、アメリカ映画。監督ジョージ・ロイ・ヒル。

ロバート・レッドフォードとポール・ニューマンンという、当時最も勢いのあった俳優二人がそろって主役を張ったとても「粋な」作品です。

1930年代のアメリカが舞台になっていて、画面の色調がセピア色に、そして物語全体を7章に分けて各章ごとに本の扉のようにタイトルをつけるという凝った作りになっています。

ストーリーは「だましだまされ」の連続で、最後の最後まで気が抜けません。

まだ見た事のない人のために、ラストは絶対秘密にしておきたい。そう思う作品です。

マービン・ハムリッシュの軽快なピアノ曲もノスタルジーを誘い、映画とマッチしていました。

アカデミー賞の作品賞、監督賞、オリジナル脚本賞、編曲賞、美術賞、編集賞、衣裳賞の7部門に輝いています。

衣装といえば、この2ショット!
左がポール・ニューマン、右がロバート・レッドフォードですが、なんと言うダンディズムでしょうか!
思わずほれぼれします。

大人は判ってくれない(Les Quatre Cents Coups)

matsurika
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@matsurika

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