引きこもりの天才画家!?アンドリュー・ワイエス
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物寂しい枯れた草原の中に横たわる女性。ポツンと佇む屋敷に向かって何か必死に訴えかけようとしているようにも見えます。美術の教科書などでこの絵を見たこともある人も居るのではないでしょうか?20世紀アメリカン・リアリズムの画家として名高いアンドリュー・ワイエスの世界を紐解いていきます。
アンドリュー・ワイエスの半生
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アンドリュー・ワイエスは1917年にアメリカの
ペンシルベニア州で生まれました。小さな頃から
虚弱だったワイエスは学校へ行かず、家庭教師から
読み書きを学びました。また、挿絵画家だった父親
から絵画技法を習い、ほぼ独学で画家になりました。
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生地であるペンシルベニア州フィラデルフィア郊外の
チャッズ・フォードという村と、別荘のあるメーン州
クッシングの2つの場所以外、ほとんど旅行もせず
他の場所には行ったことがなかったといいます。
彼の作品はほぼ全て、この二つの場所の風景とそこに
住む人々が描かれています。
代表的な作品
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代表作「クリスティーナの世界」に登場するクリスティーナは、
ワイエスの別荘の近くに住んでいたオルソン家の女性である。
生来病弱で孤独に育ったワイエスは、この、ポリオで足が
不自由な女性が、何もかも自分の力でやってのける生命力に
感動し、出会いの時からその死まで30年に亘って
この女性を描き続けた。
「ヘルガ」のシリーズ
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近年、日本でも公開されて話題になった「ヘルガ」の
シリーズは、自宅の近くの農場で働いていたドイツ系の
ヘルガという女性を、自分の妻やヘルガの夫に隠れて、
240余点もの作品を15年に亘って描きつづけたものである。
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1986年の夏、ワイエスが妻ベッツィに内緒で
240点もの連作を描きためていることが判明した。
モデルは故郷の隣人であるドイツ系女性
ヘルガ・テストーフである。制作期間は15年にもおよび、
その間、妻は把握していなかった上、異性のヌードを
描くということは密室空間に裸の異性と二人きりを意味するため、
アメリカのみならず、日本人もごく稀にそのゴシップを
把握しているものがいるほどである。 ワイエスが
ヘルガの作品群を妻ベッツィに内緒で描くことになった経緯は、
以前、ワイエスが異性のヌードを描く際に妻ベッツィが
「次は私に見えないところでやって」と言ったためだと、
ワイエスはしている。
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ワイエスにとって、ヘルガは異性というよりも
美を体現しているミューズだったのかもしれません。
アメリカの孤独な原風景
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「遥か彼方に」
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その父親が自動車に乗っているときに列車と衝突し
亡くなったとき、ワイエスは多大な精神的ショックをうける。
父親の死から半年後に描かれた『1946年の冬』は、
丘から少年が駆け下りてくる瞬間的な絵画だが、
少年は凍りついたように画面に静止し鑑賞者と視線が
交わることはない。この作品は、父親が亡くなった一ヵ月後に
事故現場ちかくで水彩画に取り組んでいたワイエスの前を、
軍服にパイロット帽をかぶった少年が駆け下りてきたため
制作された。少年が視線を向ける進路の先は画面左側であり、
少年がどこに向かっているのかは鑑賞者には全く想像がつかない。
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「泉からのひき水」
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「アルヴァロとクリスティーナの家」
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「踏みつけられた草」
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