破裏拳ポリマー(新破裏拳ポリマー)のネタバレ解説・考察まとめ

『破裏拳ポリマー』とは、1974年から1975年に放送されていたアニメ・映像作品。タツノコSFアクションヒーロー、3作目にあたる。舞台は、無国籍都市アメホン国ワシンキョウ市。主人公・鎧武士が赤いスーツを身にまとい、「破裏拳流」を使うヒーロー・破裏拳ポリマーとなって怪人と戦う姿を描いている。コメディタッチな作風とカンフーを彷彿とさせる激しいアクションは、時代を超えても色褪せることはない。ポリマーの決め台詞は「この世に悪のある限り、正義の怒りが俺を呼ぶ!破裏拳ポリマー、ここに参上!」。

『破裏拳ポリマー(新破裏拳ポリマー)』の概要

『破裏拳ポリマー』とは1974年10月4日から1975年3月28日、毎週金曜日夕方6時から、テレビ朝日で放送されていたアニメ作品。なお『破裏拳ポリマー』が放送されていた頃は、テレビ朝日ではなく「NET日本教育テレビ」と呼ばれていた。

『科学忍者隊ガッチャマン』『新造人間キャシャーン』に続く、タツノコヒーロー3作品目にあたる。前作2作品のシリアス路線から一転し、ドタバタコメディの作風となっている。タツノコプロ創業者である、吉田竜夫が原作者としてクレジットされた最後の作品。

放送終了後も、リメイク作品である1996年にはOVA『新・破裏拳ポリマー』が制作。2017年には溝端淳平主演で、実写映画もされた。さらに主人公のは、違う作品にも登場。1994年のOVA『タイムボカン王道復古』では、主人公三悪と敵対する「正義のヒーローチーム」として。2017年アニメ『Infini-T Force』では、現代風にアレンジされた姿での出登場となった。

主人公の鎧武士(よろいたけし)は、車探偵事務所で働く頼りない助手。周囲からは「しっかりしなさい」と、怒られてばかり。ところが1度事件が起こると、変身アイテムであるポリメットを使い破裏拳ポリマーに転身。凶悪な怪人組織を相手に、縦横無尽の大活躍。アクションだけでなく、主人公の二重生活も作品の見どころである。

『破裏拳ポリマー(新破裏拳ポリマー)』のあらすじ・ストーリー

破裏拳ポリマー

事件発生

犯行の種類は、盗難から襲撃まで多種多様。全26話の中で最も多く見られたのは、盗難だった。貴重な美術品はいうまでもなく、最新兵器を盗み出す怪人組織もいた。最新兵器に万が一のことがあれば一大事なため、保有施設には厳重な警備が敷かれている。重火器を持った兵士が警備にあたることもあるが、怪人組織にとっては赤子の手をひねるようなもの。独自の兵器や装備により警備を撃破し、犯行目的を果たすのだった。

警察の情報をキャッチして勝手に捜査

事件の一報は、世界最高峰の国際警察へと舞い込む。国際警察は、世界トップの警察機構。捜査にあたるのは、「オニトラ」と呼ばれる国際警察長官の鬼河原虎五郎(おにがわらとらごろう)。1話では、オニトラ本人が怪人組織に捕らえられてしまったこともある。

オニトラは捜査会議を開き、犯行内容と今後の捜査方針を固めた上で捜査に乗り出す。捜査会議を潜望鏡や盗聴器で盗み聞きしているのが、警察署向かいにある車探偵事務所だ。探偵長である車錠(くるまじょう)は警察よりも早く事件解決に乗り出し、探偵として名をあげようと画策。新人探偵の鎧武士(よろいたけし)と秘書の南波テル(なんばてる)と共に、事件現場へと向かう。

事件現場は、基本的に地元であるアメホン国ワシンキョウ市。事件関係者に話を聞くなど地道な捜査をすることもあれば、直接敵のアジトに侵入して事件解決の糸口を探ることもある。ただ探偵事務所の捜査が実を結ぶことは、ほとんどない。武士は怖くなって逃げ出し、車探偵長とテルは怪人組織に捕まってしまう。
絶体絶命のピンチの中、どことからもなく「ハハハ」と高笑いが聞こえてきた。

仲間の危機に駆け付ける破裏拳ポリマー

絶体絶命のピンチの中に現れたのは、真っ赤なスーツに身を包んだ破裏拳(はりけん)ポリマー。「この世に悪のある限り、正義の怒りが俺を呼ぶ!破裏拳ポリマー、ここに参上!」の口上で相手を威圧。そしてオリジナル拳法「破裏拳流(はりけんりゅう)」を用いて、怪人組織を次々と倒していく。

怪人組織は破壊力が強い武器でポリマーに立ち向かうが、歯が立たない。組織のボスは部下を置いて逃げ出すも、ポリマーは逃さない。ボスが空へ逃げれば飛行形態「ポリマーホーク」へ、海中に逃げれば潜水形態である「ポリマーグランパス」へ転身。ボスを撃破した後は国際警察へ委ね、どこかへと飛び去って行く。

ヒーローの正体は、逃げたと思われていた武士本人だ。武士は逃げたふりをして捜査から抜け出し、独自に捜査をしていた。転身道具である「ポリメット」を使い、破裏拳ポリマーへ転身。怪人を撃破するだけでなく、捕らえられていた仲間をも救う。何回も命を救っているため、探偵事務所や国際警察からは絶大なる信頼を得ている。事件解決後に飛び去るポリマーは、人のいない場所まで行き転身を解く。そして元の「頼りない新人探偵、武士」として、しれっと合流するのだった。

新破裏拳ポリマー

物語は、奇妙なヘルメットが主人公の鬼河原武(おにがわらたけし)に届くところから始まる。ヘルメットの送り主である西田涼子(にしだりょうこ)は、天才的な頭脳を持つ女科学者で武の同級生だ。彼女は、盗賊団「猫鮫団(ねこざめだん)」に襲われて犠牲になってしまった。なぜ、涼子は猫鮫団に襲われたのか、なぜヘルメットを武の元に届けたのか、謎は積もるばかりだった。

猫鮫団の目的は、西田涼子が開発を進めていたヘルメットで、それを破壊して「ノア計画」を進めようとしていたのだった。

武は警察の情報をハッキング。ハッキングした情報をもとに、猫鮫団のアジトを探り当てた。ところが車探偵長は猫鮫団に捕らえられてしまった。絶体絶命のピンチの中、現れたのは「破裏拳ポリマー」。正義のヒーロー、ポリマーにより猫鮫団は壊滅した。
しかし猫鮫団を壊滅したところで、事件はまだ終わっていなかった。

猫鮫団を配下に置いていたのは、冥王党(めいおうとう)である。冥王党は人口爆発や環境破壊によって消滅する世界から生き残るために、ノア計画を企んでいた。ノア計画の一環として、東京湾に巨大津波を発生する爆弾をセットする。
度重なる戦いでボロボロ状態になったポリマーだったが、自らの命をかけて爆弾を止めることに成功した。

『破裏拳ポリマー(新破裏拳ポリマー)』の登場人物・キャラクター

探偵事務所の面々

鎧武士(よろいたけし)/破李拳(はりけん)ポリマー

出典: www.nicovideo.jp

CV:曽我部和行、置鮎龍太郎(新破裏拳ポリマー)

本作の主人公。1話時点で車探偵事務所にやって来て1週間の探偵見習いだ。失敗も多くおっちょこちょい。普段は特に働きもせずに昼寝ばかり。愛車は、ロングチョッパーに似たバイク。事件捜査中に逃げ出すため、テルや車探偵長から怒られてばかり。一方で鋭い推理力を披露し、運動神経も抜群。鎧武士の本名は「鬼河原武」。オニトラ長官の1人息子で、武道の達人でもある。

そしてポリメットで転身し怪人組織と戦う、正義の使者「破裏拳ポリマー」の正体だ。怪鳥音を響かせながら、独自の徒手拳法「破裏拳流」を用いて凶悪犯を撃破。必殺技は、空中で怪人を蹴り上げる「真空蹴り」や「天空蹴り」。敵をコマのように回してダメージを与える「真空片手ゴマ」。さらにメカに転身し、陸海空どこでも自由自在に向かうことも可能。次々と怪人組織を壊滅し事件解決に貢献しているため、国際警察から絶大な信頼を得ている。

ただしポリマーは、完全無欠の無敵ではない。転身時間は46分1秒が限界で、時間が過ぎると装着者である武士の命が危うくなる。45分を過ぎても変身したままになると、体力がなくなり何もできなくなる。ポリマーの正体は、車探偵長・テル・オニトラも知らない。唯一知っているのは、探偵事務所で飼っているペットの男爵のみである。

車錠(くるまじょう)/タイフーン ホラマー

出典: www.nicovideo.jp

CV:青野武

車錠は、自称2代目シャーロック・ホームズの迷探偵。38歳。実家は、ヒマダナー山脈にある牧場を経営。名前は車(シャ)錠(ロック)と、シャーロック・ホームズのもじりになっている。見た目だけはイケメンでスタイルも良く派手なスーツも似合うが、変な顔と変な声で笑う癖を持つ。スーツには拳銃を所持しているものの、基本的には水鉄砲。銃の中味はコロコロと変わり、ブランデー、花火、眠り薬が入っていたこともあった。愛車は黄色のクラシックカー調のシャーロック号。車には潜望鏡が備え付けられているため、外出先でも警察の捜査を盗み見可能。

「車探偵事務所」を拠点とし、新人探偵の武士と大家兼秘書のテルと共に事件を捜査。大きい事件を警察よりも早く解決し、大出世を強く望んでいるものの上手くはいかない。イライラが募ってしまったのか、15話でヒーローになる夢を見てしまったほど。謎の老婆から受け取ったバケツのようなヘルメットを被り、正義の使者タイフーン ホラマーに転身。ポリマー以上の活躍を見せたが、すべては車探偵長が夢だった。

いわゆる「迷探偵」ではあるが、意外と男気はある。3話までは危険な現場に、女性のテルを向かわせることはしなかった。また武士が事件に巻き込まれ危険な目にあった時は、本気で心配したほど。怪人組織の雑魚敵なら「サっと投げれば」の掛け声で投げる帽子で、一掃は可能。19話ではポリマーが脇役にまわるほどの活躍を見せて、国際警察から長官賞を貰った。

南波テル(なんばてる)

出典: www.nicovideo.jp

「破裏拳ポリマー」のヒロイン南波テル

CV:落合美穂、宮村優子(新破裏拳ポリマー)

南波テルは、車探偵事務所に所属する秘書兼電話係だ。探偵事務所がある「ナンバーワンビル」の所有者であるため、車探偵長は頭が上がらない。実家は西部で大牧場を経営する大金持ち。自家用セスナ機やボートも所有している。普段はハンチング帽にピンクシャツとデニムを合わせたコーデを愛用しているが、エピソードラストには様々な衣装で登場。なお15話のラストでは、ピンクスーツにミニスカート姿の自作コスプレ衣装で女ポリマーに転身した。

性格は活発。スリルを求めて自ら事件現場へ向かいたがるが、1話2話では夢かなわず。3話でようやく事件現場へ向かい、ポリマーとも対面を果たした。ポリマーには熱烈な恋愛感情を持っているが、彼の正体が、ぐうたらで頼りない新人探偵の武士とは気がついていない。

探偵としてのスキルはかなり優秀で、声を聞いただけで敵首領の正体を見破ったほど。さらにオリジナル探偵ツールを器用に使いこなし、事件捜査に貢献。5話ではガイガー検査機を使って、ウラン強奪犯を追い詰めたこともあった。

ポリマーが敵にやられて大ピンチの時は、ヒールに備え付けている爆弾を投げて助けたこともあった。格闘技にも精通し、雑魚敵であれば倒せるほどの実力の持ち主。盗聴器が壊れて警察情報が掴めない時は、潜望鏡を通して唇を読み情報を得ていた。情報を得るためなら、道端で服を脱ぐことも厭わない。

車探偵事務所の男連中を頼りなく思っているが、心のどこかでは認めている節もある。

男爵(だんしゃく)

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