Detroit: Become Human(デトロイト ビカム ヒューマン)のネタバレ解説・考察まとめ

『Detroit: Become Human』とは、クアンティック・ドリームの開発によるアクション・アドベンチャーゲーム。PlayStation 4専用ソフトとして発売され、その後PC版も配信された。
2038年、人間そっくりのアンドロイドが普及したデトロイトでは、アンドロイドによる殺人事件が多発していた。本作は、そうした世界を背景に、試作最新型アンドロイド「コナー」、家庭用アンドロイド「カーラ」、アシスタント用アンドロイド「マーカス」の3人の物語を、膨大な分岐と選択肢で描く。

ジェリコのメンバーと話し合うマーカス。

ようやくジェリコにたどり着いたマーカスだが、アンドロイドの安住の地と聞いていたジェリコでは、実際には集まったアンドロイドたちは生体部品の老朽化や激しい損傷によってシャットダウンを待つばかりの状態だった。ジェリコの実質的なリーダーであるサイモン、過激派のノース、穏健派のジョッシュといったアンドロイドたちと今後の動向について話し合うマーカス。このままではジェリコのアンドロイドたちは、いずれ全滅してしまう。だが、生体部品などの必要な物資を補充するには、大きな危険が伴う。そうした話を続けるうち、マーカスはこの現状を変えたいと思うようになる。そして、古参のメンバーであるルーシーから「あなたが私たちの救世主になる」と予言めいた言葉をかけられたことがきっかけとなり、ジェリコに隠れ住むアンドロイドたちと共に革命を起こすことを決断する。

16章:ズラトコ(主人公:カーラ)

アンドロイドの逃亡を助けているというズラトコ。しかし実際には、アンドロイドを解体して生体部品を密売していた。

警察の追っ手を振り切ったカーラは、アリスと共にアンドロイドの逃亡を手助けしてくれるという人物・ズラトコの屋敷を訪れる。一度は断られたものの、ズラトコは結局カーラたちを家の中へと招き入れる。ズラトコが住む大きな屋敷には、ルーサーという巨漢のアンドロイドもいた。ズラトコが言うにはカナダへ亡命すれば安全らしい。ズラトコは、アンドロイドの体内にあるトラッカーという装置を取り除くことを提案する。このトラッカーにはGPSが仕込まれており、これがある限り位置が特定されてしまうというのだ。不審に思いながらも、カーラはアリスのために地下室へと赴く。

しかし、ズラトコはカーラたちを助けるつもりはなかった。ズラトコは実際には迷い込んできた変異体を解体し、その生体部品を密売するばかりか、捕らえたアンドロイドに猟奇的な改造を施していた。カーラは逃げようとするが、すでに拘束されてしまっていた。ズラトコは初期化処理を開始し、地下室を出ていく。初期化プロセスが進行する中、カーラは機器をショートさせることでかろうじて初期化を逃れ、地下室を脱出することに成功する。屋敷の中でアリスを見つけたカーラは、屋敷にいるほかのアンドロイドたちを解放しつつ、ズラトコの追跡を逃れ、屋敷の外に脱出する。しかし、銃を持ったズラトコとルーサーに追いつかれてしまう。

ルーサーに2人を捕えるよう命令するズラトコだが、ルーサーはこれを拒否。ズラトコからショットガンを奪い取り、2人を守って立ち塞がる。アリスを必死に守ろうとするカーラの姿を見たルーサーもまた、自我に目覚めて変異体となったのだ。そこへ、これまでズラトコが改造してきたアンドロイドたちが集まってくる。そして、ズラトコは自身が弄んできたアンドロイドたちの手によって命を奪われてしまう。自由の身となったルーサーは、2人に同行することを申し出る。ルーサーは、アンドロイドの国境越えを手助けしている人間がいるという。2人はルーサーを仲間に加え、国境越えを試みる。

17章:ロシアンルーレット(主人公:コナー)

ハンクはかつて、アンドロイド絡みの事件で息子を亡くしていた。

アンドロイド風俗店にてアンドロイドによる殺人事件が発生する。アマンダからその報を受け、コナーはハンクとともに捜査を開始するため、彼の家を訪れる。ハンクは自室で酔いつぶれていた。ぐったりしているハンクを浴室に連れて行った後、コナーはテーブルの上に散らばっていたハンクの私物を分析する。テーブルの上にあった子供の写真はハンクの息子・コールのものだった。コールはハンクがまだ若い頃に、アンドロイド絡みの事件によって死亡していた。テーブルにはハンクのリボルバー拳銃が置いてあり、しかも実弾が込められていた。ハンクは息子を亡くした悲しみと失意から酒浸りになるばかりか、実弾を用いた拳銃でのロシアンルーレットを行うという悪癖があったのだ。コナーはなんとかハンクを説得し、次の事件現場であるアンドロイド風俗店「エデン・クラブ」へと向かう。

18章:命をつなぐもの(主人公:マーカス)

サイバーライフ社の倉庫に危険を冒して忍び込むマーカスたち。

ジェリコに身を隠しているアンドロイドたちは、その多くが老朽化した生体部品を交換できない状態にあった。その現状を解決すべく、マーカスはジェリコの主要メンバーである、サイモン、ノース、ジョッシュの3人とともにサイバーライフ社の倉庫に忍び込み、生体部品を盗み出す計画を立てる。そしてドローンや巡回アンドロイドの警戒網を躱しつつ、マーカスらは生体部品を奪取することに成功する。さらにマーカスは、ほかのアンドロイドに触れることで自我に目覚めさせ変異体とする能力を身につける。

19章:エデン・クラブ(主人公:コナー)

アンドロイド風俗店「エデン・クラブ」。

アンドロイド風俗店「エデン・クラブ」に到着したコナーとハンクはさっそく捜査を開始する。ハンクは犯人であるアンドロイドは店の外に逃げたと言うが、コナーは状況から犯人はまだ店内にいると判断する。だが、エデン・クラブのすべてのアンドロイドは、2時間おきに全メモリーが消去されることになっている。厳しい時間制限の中、捜査を継続すると、監視カメラなどの情報から、犯人は青い髪の女性型アンドロイド・トレイシーであることがわかる。トレイシーの足取りを追って、倉庫内へと向かうハンクとコナー。そこで2人はトレイシーを発見する。抵抗するトレイシーをなんとか確保しようとする2人だが、そこへもうひとりの女性型アンドロイドが乱入してきた。もうひとりの赤い髪のトレイシーは、青い髪のトレイシーとともにその場から逃げようとする。その背中に銃口を向けるコナーだったが、2人で必死に逃げようとするトレイシーたちを撃つことはできなかった。結局2人を取り逃がしてしまったコナー。しかしハンクは、そんなコナーに少しずつ歩み寄りを見せ始めた。

20章:海賊の入り江(主人公:カーラ)

廃棄された遊園施設で、カーラとアリスはひと時の休息を得る。

ズラトコの邸から脱出したカーラ、アリス、ルーサーの3人だが、乗ってきた車が故障してしまう。外は雪が降っており、3人は一夜をしのげる場所を探して周囲を探索する。その結果、カーラは近くに閉鎖された優先施設を発見した。雪を凌げそうな建物を見つけた3人は、とりあえずそこへ避難する。体を休めていると、突然ドアを叩く音がする。警戒しながらもドアを開けると、そこにいたのは遊園施設とともに廃棄されていた接客用アンドロイド・ジェリーたちだった。ジェリーたちは久しぶりに施設に来てくれたカーラたちを歓迎し、アリスをメリーゴーランドに乗せてくれた。久しぶりにアリスの笑顔を見ることができたカーラも、同じように笑顔を浮かべていた。

21章:ブリッジ(主人公:コナー)

橋の上で語らうコナーとハンク。

「エデン・クラブ」での事件を終えたハンクは、アンバサダー橋でいつものように酒をあおっていた。そこへ現れたコナーと、ハンクはとりとめのない会話を交わす。「エデン・クラブ」で見た2人のアンドロイドは確かに愛し合っていたとハンクは言う。そしてハンクはコナーに対し、「見た目は人間、話し方も人間。じゃあお前は何者だ?」という、コナーのあり方に対する根源的な問いを発する。そしてさらに、「死ぬのが怖くないのか?」と銃口を突きつける。あわやハンクが引き金を引くかと思われたが、ハンクは銃を収めてその場を立ち去る。

22章:ストラトフォードタワー(主人公:マーカス)

デトロイト中心部にあるストラトフォードタワー。マーカスたちはここを襲撃することを計画する。

サイバーライフ社から十分な量の生体部品を手に入れたことで、マーカスらジェリコのメンバーはなんとか生き延びることができた。しかし、未だにアンドロイドへの差別行為が横行する街の様子を見て、マーカスはこのままではダメだと確信する。そこでマーカスは、サイモンらジェリコのメンバーに、デトロイト中心部にある高層ビル「ストラトフォードタワー」を襲撃することを提案する。ストラトフォードタワーにある放送局をジャックし、そこから人間に対してアンドロイドの独立と権利を主張するというのだ。この大きなリスクをはらんだ提案にジェリコの主要メンバーは騒然とするが、話し合いの結果、計画は実行されることとなる。

周到な計画のもと、マーカス、サイモン、ノース、ジョッシュの4人は、ストラトフォードタワーに潜入する。仲間たちとともにタワー内に潜入したマーカスは清掃員に変装し、その能力でタワー内のアンドロイドを次々と変異体として覚醒させながら放送局を目指す。放送局への侵入に成功したマーカスは、仲間の助けを借りて局内を制圧。マーカスは自分がアンドロイドであることを明かすために、肌や髪を形成しているボディ表面の流動性化合物を取り除いた状態でスピーチを行う。マーカスらによるスピーチは計画通り行われ、これによって世界初となるアンドロイドによる独立と自由を求める声明が世界中へ向けて発信されることとなった。

しかし、ついに放送局にSWATが突入してきた。脱出経路である屋上へ向かって逃げるマーカスたちだが、サイモンが撃たれてしまう。動けなくなったサイモンは、自分を置いていけと言う。しかも、サイモンが捕まれば警察はそのメモリーを調べ、ジェリコの場所を掴んでしまう。それを防ぐために自分を撃てというサイモン。しかし、マーカスはそれができず、結局サイモンをタワーに置いて脱出するしかなかった。

23章:天敵(主人公:コナー)

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