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yuzuki_12095のレビュー・評価・感想

竜とそばかすの姫
9

大人も子供も楽しめる 時代を描くヒューマンストーリー

自分に自信が持てない主人公のすずは、幼い頃に川で母親を亡くしている。
すずの母親は、川で身動きが取れなくなってしまった子供を助けるため、流れの速い川の中を一人で助けに向かう。だが、母親は川に流されてしまい姿が見えなくなった。助けようとした子供は違う大人に助けられたが、すずの母親はすずの目の前で亡くなってしまった。歌う事が大好きだったすずはこの日以来、歌う事ができなくなってしまったのだ。

そんなある日、コンピュータに詳しい友達に「U」というネットの世界を紹介される。ネットの世界でのすずは、名前は「ベル」と言う。顔は学校で男子からも女子からも人気の友達の顔だ。
すずは現実世界では歌う事が出来ないが、ネットの世界のベルになる事で歌うことができるようになる。ネットでベルが歌うと、それを聞いた人達が「ベルの歌は凄い」と称賛するようになり、たちまちベルは有名になっていった。

そんな中、ネットの中で傷だらけの竜と出逢う。竜は、見た目は恐く背中にたくさんの傷があった。そんな竜の事が気になったベルは、竜との接触を試みた。しかし、ネットの世界は皆んな素顔を隠していて竜の本当の姿がわからない。そこで、ベルは竜に信頼してもらうために、ネットで素顔をさらけ出し歌を歌った。
その姿を見た竜はベルに心を開き始めた。そして竜の背中の傷は虐待のものだとわかり、ベルは現実世界で竜に会いに行く事を決意した。ネットでしか会った事がなかったベルと竜は現実世界でも会う事ができ、ベルは竜の虐待を阻止し、竜を救うことができたのだ。心を閉ざしていたすずと竜は、Uの世界をきっかけに前を向いて生きられるようになったのだ。

サブリナ・カーペンター / Sabrina Carpenter
10

実直なポッププリンセス、サブリナ・カーペンター

サブリナ・カーペンター、彼女の声をTikTokで聞かない日が、果たしてあるのだろうか。
それほど、彼女の歌は気がつけば私たちの生活に浸透していた。
特に「Nonsense」は驚異的なヒットを続け、彼女をワールドツアーまで導いた。
彗星の如く現れたように感じる方も多いと思うが、彼女は実直な努力のポッププリンセスだ。
Nonsenseの収録された「Emails I Can't Send」は実に5枚目のアルバムであり、それまではビルボードチャートにランクインすることも叶わなかった彼女だ。
では、どのようにして彼女はヒットしたのだろうか。
それは、彼女に「ファンサービスの権化」という異名がついていることからも分かる。
サブリナは、陰日向なくインスタライブを頻繁に行い、悩むファンのために即興で歌を作って披露し、道端で会えば話し込み...、とにかくファンのために行動し、音楽を作ってきたのだ。
ディズニーチャンネル時代から応援してくれているファンのために、そしてシンガーとしての夢を叶えるために、実直に毎年のように新譜を出してきた彼女だからこそ、成しえた「Nonsense」の大ヒットであった。
ファンに誠実なポッププリンセスが、ポップクイーンになる日も、遠くないだろう。

中国女(映画)
9

動乱の文化大革命をパリに移し変えて描き出す、荒れる若者たちの群像劇『中国女』

『中国女』は、1967年のフランスの政治映画で監督はジャン-リュック・ゴダールで、パリの若き毛沢東主義者たちの集団を題材に取り上げています。
この作品はフョドール・ドストエフスキーの1872年の小説『悪霊』を着想源にしています。
ドストエフスキーの小説では、5人の不満分子である市民がそれぞれ異なるイデオロギー的な思想を抱きながら、革命的な暴力を継続することで帝政ロシアの支配体制を転覆する陰謀を巡らしていました。
映画では、現代のパリを舞台にしておりアパートの小さな一室でドラマが展開します。
フランスの5つの大学ー3人の若者と2人の女性ーの学生は「アデン・アラビー細胞」と呼ばれる過激な毛沢東主義者のグループのメンバーで、彼らが絡み合いながら、個人的・イデオロギー的な会話を繰り広げます。
毛沢東主義の本家・本元の中華人民共和国では折りから文化大革命が進行中で、その運動が世界中の青年に影響を与えていたのです。
時は1967年の初夏。
作中には『毛沢東語録』がアンディ・ウォーホルのキャンベル缶のアイコンのようにふんだんに登場するのですが、登場人物たちはその書を『プティ・リーブル・ルージュ』(Petit Livre rouge』と呼び合っています。
映画に挿入されている歌『マオ・マオ』の作詞はジェラール・ケガン(本来の職業はジャーナリスト)で、作曲はクロード・シャンヌ。シャンヌは実際の歌唱も行なっています。
1967年、ヴェネツィア国際映画祭で金獅子賞にノミネートされてコンペティション上映され、審査員特別賞を受賞しました。