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nabex0のレビュー・評価・感想

NOBODY KNOWS チャーリー・バワーズ-発明中毒篇-
8

天才喜劇人「チャーリー・バワーズ」が永年埋もれていた理由

アメリカ生まれの喜劇人、チャーリー・バワーズが1920年代(日本では大正時代)に監督・主演したサイレント映画4本『たまご割れすぎ問題』『全自動レストラン』『ほらふき倶楽部』『怪人現る』と、アニメーション2本『とても短い昼食』『オトボケ脱走兵』の6本を纏めた映画。
サイレント映画時代の外国の喜劇人と言えば、チャップリンやバスター・キートン、ハロルド・ロイド等の有名どころが挙げられるので、チャーリー・バワーズは完全に無名な喜劇人の扱いとなってしまっている。
しかしながら、モノクロアニメの表情の豊かさや風刺的な要素は全く古びておらず、しなやかな女性の描き方は、色気を感じさせてくれる。
新聞漫画家のキャリアを持つチャーリー・バワーズの手腕を見て取れるが、それは実写でも充分に発揮している。
『全自動レストラン』は、タイプライターの様な大きな機械を厨房に造り、客の注文に応じてボタンを押すと、天井に設置された大きなチューブからテーブル上の皿に料理が盛られるという、実に斬新な発想が描かれている。
ところが主人公が失恋で落ち込み、機械に突っ伏して泣き出して、それぞれのボタンを勝手に押す事になり、客側に様々な料理がブチ巻かれて大騒動になる。この辺の漫画的ドタバタな要素もしっかり踏まえている。
他にも、鉢植えから猫が生え、生きたまま外に行ったり、牡蠣の中身が飛び出して両眼を開きながら周囲を見渡して殻に戻ったりと、SF的要素がふんだんに見られる。
チャップリンの『モダン・タイムス』で、彼自身が機械の歯車に挟まれるシーンがあるが、それ以上に拘った映像が見られるのが、一番の特徴である。
喜劇人と言うよりも「映像オタク」と思わせる作品群。
喜劇映画史に永い事埋もれてしまった理由は、そのオタクの部分が秀逸で、本人も拘り過ぎたせいかもしれない。

夜明けの街で
7

後からじわりとくる

岸谷五朗さんと深田恭子さん主演のこの映画は見ている時はさほどワクワク感もなく見ていました。

なぜなら私の考えでは不倫というのは、男性が家庭を持っていて女性が独身の場合、泣きを見るのは女性であることが多いと思うので、現実味が無かったからです。

ストーリーの中では年齢が高いおじさんが、若い女性に落ちてゆくという設定で、渡部が秋葉と不倫をして結婚を考えたところで秋葉にふられてしまうというものでしたが、このパターンはリアルには少なそうなのであまり感情移入できませんでした。

ですが、どうして最後まで見てしまったのかと言うと殺人事件の犯人は果たして秋葉なのか?と言う一点だけがどうしても気になってしまったからです。

岸谷五朗さんの奥様役で木村多江さんが出演していましたが、私が思うにこのストーリーの90%ほどほぼ関わりがありません。

それなのにラストシーンに近づくにつれて、本当に「妻と言う女」は一筋縄ではいかないという事を感じざるをえません。

「浮気をされた薄い女」は怖い。

物語の中で少ししか出てこないのに、印象に残る存在感たるや恐怖なんです。

結果的に見終わった後で感じたことは、「浮気をされた奥さんは怖い」とだけの感想に。

本筋のストーリーは殺人事件の絡むものでしたので、その犯人は誰か?と言う事が解き明かされると、とたんに日常に戻り、渡部の今後の生活が地獄だと考えるとじわりとくるものでした。

エキサイティングして楽しめる映画ではないのに何でこんなに頭から離れないのかと調べたところ、原作は東野圭吾さんだったんですね。

オススメいたします。

IZ*ONE / アイズワン
10

アジアを席巻IZ*ONEの魅力

IZ*ONEは韓国人気サバイバルオーディション『PRODUCE48』という番組から視聴者投票によって選ばれた女性アイドルグループです。
今までのシーズンは1が女性、2は男性という枠でしたが、3にあたる『PRODUCE48』は1、2と違い日韓の女の子が集まっていることが特徴で、日本人は全員AKBグループから参加しています。
番組開始当初は日本人の実力不足が浮き彫りになり番組への批判がかなりありましたが、回が進むにつれて日本人メンバーの忍耐強さ、根性のあるところが放送されて面白くなっていきました。音楽センスのないメンバーも韓国の鬼コーチにより実力が伸び最後には成長していく姿が感動的です。
元々日本やアジア圏で人気の高い番組と宮脇咲良ちゃんなどの知名度のあるメンバーがコラボしたことが話題性を生み、かつ韓国の過酷なオーディション環境で選び抜かれたダンス・ボーカルの実力、華やかなビジュアルがIZ*ONEの魅力です。
また、デビュー曲からセクシーでもキュートでもない「花」の上品さをコンセプトにしていることで楽曲ファンも獲得しています。
日韓アイドルの長所が絶妙にMIXされていて飽きさせない、それがIZ*ONEです。

クリーピー 偽りの隣人
7

ご近所付き合いの果てに…。

2016年に公開されたサスペンス映画です。題名のクリーピー(creepy)とは、「ぞっとするさま、ぞくぞくするさま」という意味の単語です。この単語が意味する様に、物語全編を通じて、どこか不気味で陰惨な雰囲気が漂う映画となっております。物語は、主人公の元刑事である高倉(演:西島秀俊)が、とある事件をきっかけに警察を退職し、大学で教鞭を振るいながら、妻である康子(演:竹内結子)と郊外に住宅を購入し、新しい街で新生活を送るところから始まります。康子は隣人宅へ「お近づきの印に…」とお菓子を配り歩きますが、その際にどこか得体の知れない雰囲気を持った隣人の西野(演:香川照之)に出くわします。終始ぶっきらぼうな西野の応対に面食らう康子でしたが、日を改めて伺うと一転笑顔を浮かべて接する西野。康子はそんな西野をどこか怪しいなと思いつつ近所付き合いを続けます。一方、夫である高倉は、ふとした会話から未解決事件である一家失踪事件に興味を持ち、警察時代の能力を活かし独自調査に乗り出します。康子と西野の関係性、高倉と西野の関係性、西野とかつての一家失踪事件の関連性、そして西野とはいったい何者なのか…。とても静かな描写が多く、徐々に「西野」という人物を中心に水紋が同心円状に広がる様に、物語が広く深く展開していきます。知ってしまったら、後戻りできないと分かっていながらも、知らずにはいられないという人間心理を巧みに利用しており、知らず知らずのうちに視聴者である私たちも西野という人間が持つ不気味な雰囲気に魅了されてしまいます。謎が謎を呼ぶ先の読めない展開がお好きな方には是非お勧めしたい映画です。