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Konta16gのレビュー・評価・感想

スウィング・キッズ(2018年の映画)
9

第二次世界大戦中の韓国を舞台にした感動的な映画

Kポップグループ「EXO」のメンバーD.O.が主演を務める。
この映画は、植民地支配や戦争によって苦しい時代を生きた、若者たちの姿を描いた感動的な物語である。
まず、音楽によって繋がりが生まれるというテーマがとても印象的だ。若者たちが、当時の政治的な状況に抗いながら、自らのアイデンティティを見出す手段となった。音楽には人々の心を1つにする力があると、改めて感じさせられる。
そしてこの映画は、友情や家族の大切さを描いている。若者たちが直面する様々な苦境や困難を乗り越え、互いに助け合いながら成長していく。特に主人公のロ・ギスが家族を失い、苦境に陥る中で、友情や家族の大切さを再認識していく姿に感銘を受けた。
出演者たちのダンスのクオリティーの高さにも目を引かれる。劇中の音楽もビートルズやデヴィット・ボウイなどの名曲が流れ、物語に引き込まれていく。

音楽や友情、家族の大切さをテーマにした感動的な作品であり、若者たちが直面する、様々な困難を乗り越える姿勢に勇気と感動を覚えた。
歴史的な背景が重要な要素として描かれているので、当時の韓国の歴史的背景についても考えさせられる作品だった。

Cocco
8

裸足の歌姫から素顔を隠した歌姫へ…その進化と真価

「強く儚い者たち」でお茶の間に一気に広まった彼女の歌。その独創性と、独自の世界観は今ままでの女性シンガーの殻をある意味破るようなモノだった。

彼女はその独自の世界観を「創り上げたモノ」ではなく「自分が暮らしている世界」として体験しているが故、TVの生放送で歌を歌い切った後、裸足のままスタジオを去り、そして音楽業界からも消え去ったのだ…。
それでも彼女は「歌いたい」と願い、別名義での活動を皮切りに、再度ステージに立つ。ただし、それは彼女にとって嬉しく楽しいものではなかった。
自分が見た事のない世界。自分が受け止められない世界。自分が知らない苦しみ。様々な困難が彼女を襲う。
2007年~2008年に行った全国ライブ。訪れた場所はどのような「危機」に直面しているのか、ファンから託された手紙をもとに彼女はその場所を訪ね、そして衝撃を受ける。
彼女は沖縄産まれだ。金網の向こう側からは外国。米軍基地・貧困・差別・暴行事件・治外法権……。そんな中で育った彼女は「沖縄ばかりが苦しい」と、いつしかそう思っていた。
だが、事実は違った。沖縄でなくとも、日本の至る所で問題を抱え、その場所で暮らす人々の平和が脅かされ、苦しんでもそこで生き続けていた。
それを知った彼女はライブ後、ファンレターをくれたファンやそのライブに集まった人々に「沖縄ばかりが苦しいワケではなかった。知らなかった、ごめんなさい……」と涙を流して頭を下げる。そしてそれを各地で繰り返しライブを走り切った。
走り切った、と言ってしまえば聞こえはいいのかもしれない。2Daysライブを終えた彼女は楽屋に一切誰も入れず、鍵をかけそして泣き叫んだ。
―――自分の【歌】では何も【救えなかった】と……。
そして、彼女は二度目の音楽業界からの失踪をすることなる。それから彼女は海外を転々とし、また、【歌うこと】によって誰かを救えるという【希望】を込めてシンガーとして帰ってきた。
新しい彼女の熱量はどんどんと増していった。だが、25周年という節目に彼女は大きな決断をする。
「素顔を今後一切メディアには出さない」
素顔をいままでさらしてきた彼女に何があったのか。彼女は多くは語らなかった。ただ「顔が見たくなったらライブに来てね」と、それから毎月のように大なり小なりのライブ活動を続けている。

誰かに自分の歌が届けばいいと思っていた彼女の進化が今ここにある。
そして、その【真価】がこれから彼女の歌声できっと証明されていくのだろう……。