最強のウィンチェスター兄弟
15年という年月はあっという間だった。そう思わせるほど壮大なドラマであった。
【スーパーナチュラル】は海外ドラマで2005年からアメリカで放映され、2020年に惜しまれつつ最終回を迎えた。
超常現象・怪物・幽霊・悪魔・天使・神・悪人が登場し、ウインチェスター兄弟が難事件を解決していく。彼らは超能力があるわけでもなく、凄腕のスパイでもない。
ただの人間。ハンターとして登場する。兄ディーンは家業だからと父の意思を継ぎ、弟サムは大学生になり普通の生活を望んでいたのに、父の失踪をきっかけにハンターの世界に戻されてしまう。
最初はホラー色が濃かったが、回を重ねるごとに天界や煉獄など壮大な物語へ発展していく。何度も大戦が繰り返され、ウインチェスター兄弟は何度も敗北し、大切な家族や仲間が死んでいくか、囚われの身となる。その中でも特記すべきは兄弟愛なのである。
彼らはどちらかが死んでしまう事に耐えられず、何度も互いを生き返らせる為に奔走する。世界の事なんて構わない。ただ、生き返らせたい。その為なら悪魔にでも死神でも魂を売る。自分が地獄に落ちようが構わない。その姿が何度観ても泣かされてしまうのである。
しかし、ファイナルシーズンではとうとう別れの時が来る。最強の敵、神を倒し平和を確信した彼らは、やっと大きな重荷を下ろし平穏を得る。
そんな時、ディーンはハンターらしい死をサムに見守られ迎えた。サムは天命を全うし、息子に見守られ死を迎える。
天国でディーンは愛車のインパラに乗ってサムを迎えに来て再会を果たした。
この物語は一貫して兄弟愛が語られ、時には憎しみ合い、絶望、嫉妬もして、諦めそうにもなるけれど、やっぱり兄弟の絆は切れない。素敵なドラマだ。
【Carry on Wayward Son】カンザスの歌詞がずっと頭の中に流れている。またシーズン1から見直したくなるドラマだ。