チワワちゃん

チワワちゃんのレビュー・評価・感想

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チワワちゃん
7

『渇き。』のクラブシーンに酷似した映像

『チワワちゃん』という映画ですが、小松菜奈さん主演の『渇き。』のクラブシーンがずっと続くという表現が一番わかりやすいかと思います。
チワワちゃんは主人公で、不思議な存在のまま亡くなってしまいます。
周りのチワワちゃんに対して抱いている感情やイメージが何もかもバラバラで、現代の自分の表現に関して考えさせられる映画でした。
インスタグラムに自分の写真をアップするというシーンがありますが、まさにSNSと自己顕示欲や自己表現の問題も示唆するような内容の映画でした。
映像はずっと気持ちのいいくらいおしゃれなシーンが続いて、ファッションが好きな方などにもおすすめです。
テーマは重くないので、お酒を飲みながら軽く見れる映画かなと感じました。
玉城ティナや門脇麦、そして成田凌や浅野忠信など、ビジュアルも演技力もすごい迫力のある方ばかりで、とてもみていて気持ちのいい映画です。
特に浅野忠信の役柄には注目です。すごい俳優さんなんだなと思い知らされます。
映画『ダイナー』でもそうでしたが、玉城ティナちゃんは暗いところやネオンがあるところが非常に似合います。
おしゃれさを感じたい気分や友達と喧嘩した時、青春がなつかしくなったら是非みてみてください。

チワワちゃん
8

あの子は誰?

最初のきっかけは岡崎京子さんの漫画が原作だったから。同じ岡崎京子さん原作のヘルタースケルターの世界観がとても好きだったので上映を心待ちにしていた。ちなみに原作は未読。冒頭からチワワちゃんはバラバラ死体となって発見される。(グロ表現はなし)チワワちゃんとの出会いから過ごした日々、離れて行く距離を門脇麦さんが演じるミキの語りで全編が構成されている。率直な感想は現代版『スワロウテイル』もう20年以上前の映画になる。『スワロウテイル』も新進気鋭の俳優を多く起用していた。ひょんな事から大金を得てしまうところも通じるところがある。しかし『チワワちゃん』の方は現代ならではの人と人との繋がりの儚さを全体を通して感じさせられてた。あんなに仲良くしていたのに名前も知らなかった。出身地も知らなかった。あの子は誰?それが『チワワちゃん』そのもので今を生きる子たちそのもののように思う。ちなみにチワワちゃんは初っ端から殺されているけれど特に事件の捜査が行われて犯人が逮捕されて解決されるわけではないのでミステリーとして鑑賞する方には残念ながら回れ右していただく方がいいだろう。チワワちゃんの事件はあくまできっかけでしかないので。