リアル・クローズ

リアル・クローズ

『リアル・クローズ』とは、槇村さとる原作の漫画『Real Clothes』を原作とするテレビドラマ作品。関西テレビ制作により、フジテレビ系列で2008年9月16日に香里奈主演で放送され、2009年10月13日から12月22日まで毎週火曜日に連続ドラマとして放送された。キャッチコピーは「自分を知らなければ、似合う服など分からない。」。
百貨店のふとん売場で働く天野絹恵(あまの きぬえ)は、百貨店の花形である婦人服売場への異動を命じられる。これまで内面を磨くことを大事にしてきた絹恵は、外面を美しく着飾ることに人並みの関心しかなかった。しかし婦人服部門の統括部長である神保美姫(じんぼ みき)に「外見が輝いていない人間は内面もアヤフヤである」と見抜かれ、自分が輝いていないことに気付く。
しかし、婦人服部門の統括部長である神保美姫に、「外見が輝いていない人間は、内面もアヤフヤである」と見抜かれる。絹恵は、新たな職場で顧客や上司、同僚と接するうちに、自分が輝いていないことに気付く。

リアル・クローズのレビュー・評価・感想

リアル・クローズ
7

ザ・仕事愛の作り方

百貨店のふとん売り場で日々なんとなく生きていた普通のOL絹恵が、最先端の流行服のバイヤーとして成功するまでのサクセスストーリー。
女性の仕事観と結婚観をリアルに描いており、共感が持てる。職場で出会う、個性的な田淵や二コラたちとともに百貨店のバイヤーとして挫折を味わいながら仕事にもがく姿は、仕事をしているすべての人間の心に刺さる。

個性的なキャラクターの中でも特筆すべきは、絹恵を厳しくも支え、キャリアアップの引き立て役となる神保美姫である。彼女の仕事に対する厳しさの中には、若かりし頃の苦労がうかがえ、絹恵の悩みにヒントを与えてくれる存在である。
女性の非正規・正規社員格差や、百貨店という大きな組織で働くことと、フリーランスで働くことの違い。ファストファッションの台頭と百貨店の存在意義、LBGTの問題など、現在の日本経済で生じている問題にも作品の中ではリアルに描かれている。これらの問題を絹恵は体感し、乗り切っていく姿を通して、絶対的な価値観はこの世にないのだ、と再認識させられる。
この時代だからこそ生まれる理不尽の中にあるすばらしさ、仕事の喜びを再確認できる素晴らしい作品。仕事疲れで自分を見失ったときに読みたい作品。