もらとりあむタマ子

もらとりあむタマ子

『もらとりあむタマ子』とは、2013年の日本の映画。監督は山下敦弘、主演は前田敦子。第18回釜山国際映画祭に出品された。第23回日本映画プロフェッショナル大賞で前田敦子が主演女優賞を受賞している。
東京の大学を卒業したものの、甲府の実家に戻って、ひたすらに食っちゃ寝の毎日を送る23歳のタマ子。大口ばかり叩くタマ子は、周囲の人々と関わりながら、冴えない日々を送っていく。

もらとりあむタマ子のレビュー・評価・感想

もらとりあむタマ子
7

なんか懐かしい。

もらとりあるという言葉をこの映画で知りました。わたしにもそういう時期がありましたが、一見気楽そうに見えて、いろいろ考えちゃう、そんな時期です。映画を見て、その頃のことを思い出しました。だらけているように見えて、心苦しいとタマ子も思ってんのかなと思ったり、いや、思ってなさそうと思ったり、心の中が読めないところが魅力的です。話はあるようでないのですが、前田敦子さんがかわいくゆったりと見れる映画です。きっといろいろ疲れちゃったんだろうなとは思いますが、家のことくらいしろよと思っちゃいます。まあ、洗濯はいっぺんにしたほうがいいとは思うけど、食べたもんくらい片付けろって感じです。
父もそんな娘を許しちゃってるし、おいおいって感じでした。でも、まだ若いし、彼女にもいろいろあるんだろうとか思うと、娘には注意しにくいのかもしれません。タマ子が、アイドルを目指すみたいな話もあるのですが、年齢的にはともかく、前田敦子ならなれるだろうと思わなくもなかったです。最終的にどうなるのかわからないけど、一応は家を出ることは決まったようでした。でも、仕事もないのにどうするんだろうと考えちゃいます。バイトくらいは決まるのかな?あと、父の見合いはどうなったのか、よくわからなかったです。大した話もないのですが、ずっとぼぉーと見たくなる、そんな映画でした。

もらとりあむタマ子
8

特に大きな展開があるわけでもなく、のんびりした映画です。

大学を出たにも関わらず、就職ぜずに実家暮らしのタマ子。スポーツ用品店を1人で切り盛りする父は、家事全般をこなす働き者。子どもでもなければ大人にもなりきれないタマ子は、父親に甘えきって文句ばっかり。「ダメだな、日本は」とか「その時が来たら動く!少なくとも……今ではない!」とか言うし、舌打ちするし、憎たらしいけれど、それでも親にとっては可愛い娘なのだろうと感じました。
アイドルを目指して写真を撮ったことがバレて、ブチ切れるところで大爆笑。そして、その写真を見てまた大爆笑。愛すべきおバカなタマ子に前田敦子さんがぴったりとハマっていて、素なのかと思うほど自然で生々しい演技でした。この役を元国民的アイドルにやらせたというところも面白い。タマ子に子分のように扱われている(実は同情している)近所のガキも可愛かった。
特に大きな展開があるわけでもなく、のんびりした映画です。「モラトリアム」は大人になる猶予期間という意味だが、ダラダラしているだけのようで、社会人になってから振り返ると大事な期間。カタカナ表記ではなく平仮名表記にすることで、この映画らしさが出ていると感じました。最後には、新たなる人生の第一歩を踏み出したタマ子。頑張れタマ子!