道士郎でござる

道士郎でござる

『道士郎でござる』とは、2004年から2006年にかけて『週刊少年サンデー』にて連載された西森博之によるシュールコメディ漫画。単行本は全8巻。2013年から2014年にかけてワイド版が全4巻で発売された。
3歳の頃、離婚調停中の父親に連れ去られアメリカ・ネバダ州の荒野で育てられた桐柳道士郎。真の日本人として育てられたはずが、なぜか武士の恰好をした古風な性格の高校生に成長してしまう。日本の高校に転入した道士郎と、ひょんなことから彼の主君となった小坂健介が繰り広げる日常をコメディ調で描いた作品。

道士郎でござるのレビュー・評価・感想

道士郎でござる
10

笑ってすっきりする漫画

西森博之氏の漫画は、絵がすごく上手ってほどではないんだけど、面白くてどれを読んでもかなり笑える。「天使な小生意気」や「今日から俺は」も読んでどれも笑えるので、「道史郎でござる」もかなり期待して購入した。
結果、期待以上。コミカルな面白さは他の西森氏の漫画と同様だけど、他のシリーズはとにかく長く、終わりがなかなか見えないし、何度かイライラする場面も多かった。でも「道史郎」は8巻で完結し、内容もとにかくすっきりする。
それぞれのキャラクターがとても良い味を出していて、悪役として出てくる人もどんどん良い人になっていくのが爽快。
タイトルの「道史郎」が主人公とは言い切れない所がまた面白い。主人公は多分、普通の人の「健助殿」なんだけど、読んでいくうちに、普通と思われた健助も、道史郎の兄の麗くんも、道史郎のママも、結局は普通じゃないのか?となって来る。
とにかく、西森氏の他の漫画では主人公がかなり痛めつけられる場面が多くて、読んでいて痛々しくてページを飛ばしたくなるものが多いけど、「道史郎でござる」は何度も読み返したくなるほど面白くてすっきりするから一番のお勧め。
「天使な小生意気」の「小林一文字」が好きな人は「道史郎でござる」は絶対好きになると思う。