アデル、ブルーは熱い色 / La vie d'Adele

アデル、ブルーは熱い色 / La vie d'Adele

『アデル、ブルーは熱い色』とは、2013年のフランス映画である。原題は『La vie d'Adele』。監督は、アブデラティフ・ケシシュ。出演はレア・セドゥ、アデル・エグザルコプロスなど。第66回カンヌ国際映画祭パルムドール受賞作。またカンヌ映画祭の審査員長を務めたスティーブン・スピルバーグの計らいにより、エマ役のレア・セドゥとアデル役のアデル・エグザルコプロスに対してもパルムドールが授与された。
文学を愛する高校生アデルは、青い髪をした美大生エマと運命的な出会いを果たし、2人は激しく愛し合うようになる。しかし、その熱もやがて冷め、2人はすれ違うようになる。

アデル、ブルーは熱い色 / La vie d'Adeleのレビュー・評価・感想

アデル、ブルーは熱い色 / La vie d'Adele
10

とてつもなく切なく、何故か懐かしさを感じる

高校生の女の子アデルが、偶然すれ違った年上の女性と恋に落ちる話です。運命の出会いの瞬間とは、まさにこれだ、という描写が心躍ります。レズビアンの年上の女性を演じるフランスの女優レア・セドゥが、インパクトのある青い髪色で登場するシーンはハッとするほど美しいです。透き通るような肌、愛らしいすきっ歯、ブルーの瞳、真っ青な髪が、とても魅力的で、目を惹かれます。たびたび出てくる裸体も、女性同士の芸術的な描写もあまりに美しく素晴らしいです。
約3時間の上映時間の中で、高校生のアデルが、学生から社会人として、女の子から女性として成長していく姿や、心情の変化がゆっくりと伺えるのが、この映画の醍醐味だと思います。3時間と少し長い映画かもしれませんが、観る側もアデルといっしょに時を過ごしてるかのような錯覚が心地よく、感情移入していくのに丁度良い時間かと思われます。
観終わった最後には、誰しも自分にもこういう時があったなぁと懐かしさも感じられる結末になっています。生涯、こんなにも愛した人はいない、と思える人に出会ったことのある方は、ものすごく共感できると思います。切なくも最も愛しい人と出会えた幸運を感じられる最高の物語です。