おまえ うまそうだな

おまえ うまそうだな

『おまえ うまそうだな』とは、2003年3月に発行された宮西達也による絵本、およびそれを原作としたテレビアニメやアニメ映画作品。原作はポプラ社出版の『ティラノサウルスシリーズ』の1作。すべてティラノサウルスが主役だが、それぞれに関連性はなく、完結した内容となっている。その他の作品と同様に、作者自身が全国で読み聞かせのイベントを行っている。2010年にアニメ映画とテレビアニメ化が行われた。

おまえ うまそうだなのレビュー・評価・感想

おまえ うまそうだな
10

子供向けの絵柄をかぶった大人向け作品

私はもともと、この作品の原作である絵本を知りませんでした。しかし、それでも十分に楽しめる内容となっていました。
話の流れとしては、草食恐竜に育てられたティラノサウルスの主人公「ハート」が、草食恐竜である「うまそう」を拾い育てていくというものです。ハートは最初はうまそうを食べるつもりで育てていましたが、次第に情が湧き本当の親子のようになっていきます。
この映画には様々な形の「親子」が出てきます。「ハートが肉食恐竜だと分かっていながら守り育てた草食恐竜の母親とハート、そしてその兄弟」「主人公ハートと実の父親であることを隠している最強のティラノサウルス」「草食恐竜の子供たちとそれらを守ろうとする親恐竜たち」そして「うまそうとハート」。うまそうの成長と、どんなピンチにもまっすぐ立ち向かう主人公がかっこよかったです。特に「お前の父親は肉食い(肉食恐竜のこと)だぞ!」と他のティラノサウルスから告げられたうまそうが「知ってるよ」と言うシーンには心を大きく揺さぶられました。

私は母と弟と一緒に3人で見に行きました。映画が終わりまわりを見てみると、やはり子供よりも子供と一緒に来ている親御さん方に泣いているかたが多かったように思います。子供が楽しめるのはもちろん、大人も楽しめるのでオススメです。