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00年代の映画ファンたちへ
『ナイスの森』誰もが知っているとは言える作品ではないが、この作品は00年代を全般を語るうえで外せない作品の1つであるといえるだろう。
出演陣は浅野忠信、寺島進、池脇千鶴、加瀬亮など。また当時まだそれほど有名ではなかった菊地凛子、貫地谷しほりも出演している。そしてなぜか『新世紀エヴァンゲリオン』、『シンゴジラ』の監督、庵野秀明も監督役兼高校生役で出演している。
まずそのボリューム。約3時間。この作品は繋がりの「なくもない」ショートストーリーが詰め込まれている。ある時は旅館で、ある時は学校で、またある時は妄想の世界で。ぼんやりとした流れはあるが突然それが中断されるような瞬間やストーリーが何度も訪れては消えていく。
この作品の世界は3人の監督、石井克人、三木俊一郎、ANIKIそれぞれの世界が精密画のように絡み合っている。この3監督は00年代から始まりだしたサブカルチャーの流れの中に出てくる作品に多く携わっている。それぞれの新し過ぎたその表現は「シュール」や「サイケデリック」では片づけられないものとなっており時には緩く、時には激しく観るものに迫ってくる。ストーリーを説明するような作品ではなく各自の五感及びに第六感にすべてが託される作品である。それゆえ全く合わないという人もいるだろうが、まず一度、多くの人に観てもらいたい作品である。