インサイダー

インサイダー

『インサイダー』(原題:The Insider)とは、1999年11月に公開されたアメリカの社会派ドラマ映画。監督はマイケル・マンが、脚本はマイケル・マンとエリック・ロスが担当した。ある日、CBSの人気報道番組のプロデューサーのもとに、タバコ産業の不正を告発する極秘ファイルが届く。書類を調べたプロデューサーは、大手タバコ会社の副社長だったが上層部と対立したことで解雇された男に行き当たり、彼に接触を試みるのだった。本作は、タバコ産業の不正を告発したTVプロデューサーと大手タバコ会社副社長を描いた実話である。主演のラッセル・クロウはアカデミー賞の主演男優賞にノミネートされ、他にも監督賞など7部門にノミネートされた。

インサイダーのレビュー・評価・感想

インサイダー
8

大組織と個人の戦い

インサイダーは1999年公開のアメリカ映画で、実話をもとに製作された作品です。
主人公は二人の人物です。一人は現在のブリティッシュ・アメリカン・タバコの全身であり、ブラウンアンドウィリアムソン(以下B&W社)という大手タバコメーカーで研究開発副社長を勤めていたジェフリー・ワイガンドという人物です。もう一人はローウェル・バーグマンというCBSのドキュメンタリー番組「60ミニッツ」のプロデューサーです。
作品の前半はジェフリーがこれまで勤めていたB&W社から解雇され、会社がジェフリーにニコチンの依存性と有害性を社外にもらさないないように圧力をかけてきます。
後半はB&W社の告発インタビューを収録した映像を、CBSがB&W社からの訴訟を恐れてお蔵入りさせようとするのに対してローウェルが抵抗するという内容になっています。
前半と後半の対立構造がはっきりしているので、鑑賞していてわかりやすい映画だったと思います。
特徴的だったのは、主人公ジェフリーの視線のカメラワークです。子供思いですが、とても頑固で他人から馬鹿にされたり見下されるのを嫌うジェフリーの視界の狭さをよく表現できていたと思います。すぐに周りが見えなくなってしまうところが伝わってきました。