ろはに

ろはにのレビュー・評価・感想

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ろはに
8

流されない孤高のラッパー「ろはに」

かつて『Low HIgh Who?』という東京のレーベルに所属していたラッパー「ろはに」。地元佐賀県に在住。現在は自身のレーベル「hinemous」から全国で活動している。
彼のラップは一般のストリートシーンのラッパーから見るととても異質だ。ポエトリーに近く、見る人によってはグランジに感じるだろう。ブルーハーブやアブストラクト好きには堪らないと思います。リリックの内容もマッチョイズムやストリートを題材したラッパー達とは違い、内向的でアートなものが非常に多いです。またトラックによって、声、フローを変えつつも、彼の中心がブレているようには感じない柔軟性が魅力的です。また彼は自分自身でトラックメイクも行う。しかもビートメイカー顔負けの、変態的なクオリティを稼いでくる。
アンビエント、時にはノイジー、日常から拾ったような効果音を重ねた上モノ。そして意図的にズラした様な、不規則なドラムパターンの打ち込みが上手くグルーヴしている。
このあたりはKILLER BONGなどが好きな方にはオススメです。
そして驚きなのは、これら全てのレーベルワークを彼が構築した佐賀にある「わっか」トイウアート空間で行われてることだ。知らない人は是非、ろはにの音源と、わっかにをチェックして欲しい。