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フルチ初期のフーダニットムービー
イタリアの田舎町で少年が殺される事件が相次ぎます。ジプシー女が疑われ、村人にリンチされ殺されてしまいます。新聞記者が事件の真相に迫るのですが…というお話。
フルチの映画にしてはかなりマシな方です。ただ、途中で犯人の察しがついてしまうなどの演出には閉口してしまいます。私は中学1年生の時に初めて観て「ミステリー色の濃い映画だ」などと思いました。それから27年の時を経てブルーレイで観直したのですが第一印象とほぼ変わらなかったです。演出はやはり昔の映画だなあ、と思ってしまうところもあり、例えば私服の刑事が普通にシガリロを吸っていたりする場面は時代を感じさせられました。最近の映画では喫煙するシーンは何らかの伏線あるいはネガティブな印象を与えたりといった小道具的な役割になってしまいましたからね。それはさておき、DVDの時代になってまた観直したいという思いは数年間思い続けていた訳でその願いがかなってよかったと思いました。このフーダニット的要素は後の「ザ・リッパー」(’82年)「マーダロック」(’84年)と受け継がれているようです。もしかしたらダリオ・アルジェントの一連の作品を意識して創られたのかもしれません。