国内の最高峰アドベンチャーゲーム善人シボウデス
スパイク・チュンソフトが2012年2月に出したアドベンチャーゲーム極限脱出ADV 善人シボウデス。
ハードは3DS、今となっては「古いゲーム」の範疇なのですがそれでもなおオススメしたいタイトルのひとつです。
こちらは極限脱出シリーズ全3作のうち2作目のゲームとなります。といっても本作から始めても全く問題ありません。
ジャンルは脱出ゲームとアドベンチャーゲームを合わせたゲームとなり、プレイヤーはストーリーを追いながらも探索やなぞ解きを通して能動的にゲームに参加していきます。
チュンソフトを支えた打越鋼太郎氏がディレクター・シナリオ、ストリートファイターIIのデザインを手がけた西村キヌ氏がデザインを担当。
今はスマートフォンにシェアを奪われつつあるテキストが主体のアドベンチャーゲームですが、国内大手のチュンソフトが送るだけあって
世界観やストーリーの重厚さは今のゲームであっても中々味わえず、その見せ方も歴史を感じさせるほどゲームとしての見せ方をしています。
アドベンチャーゲームの核となるストーリーの部分は、ネタバレになるので詳しくは書けませんが8人の人間が謎の施設に監禁されデスゲームを強要されるところからゲームは始まり、8人が時に協力し時に裏切りながら謎を解き脱出を試みるといった形になります。
特筆すべきはアドベンチャーゲームの基礎システムとなる選択肢によってストーリーが分岐して物語を進めていくシステムを、そのまま世界観に反映させていることです。
シナリオルートがそれぞれ独立しておらず、ひとつのシナリオルートの行動や情報が別のシナリオルートに影響していきます。
同じシーンの同じ選択肢がプレイヤーの進行度によっては別の結果をもたらすこともあります。
プレイヤーは常に選択を迫られます。ゲームなので当然やりなおすことができます。
裏の選択肢はどうだったんだろう?
もしこの人を助けていたらどうなったんだろう?
そんなアドベンチャーゲームでありがちな「ほかのエンディングが見たいから周回する」といったプレイスタイルがそのままゲームシステムになっています。
複数の選択を見れるプレイヤーの体験がそのままゲームの主人公と共有されていきます。
様々なIF世界を体験しながら、プレイヤーと主人公がともに謎を解いていく過程はわくわくが止まりません。
世界観と導線がしっかりしているので進めているうちに疑問がたくさん湧いていきます。
それを解いていく楽しさを最後まで飽きずに提供してくれるなぞ解きアドベンチャーゲームとして最高峰の出来栄えだと思います。
ゲーム性と世界観の融合といった意味ではシュタインズゲートに近いプレイフィールですね。
アドベンチャーが好きな方も、アドベンチャーに飽きてきた方も両方楽しめるゲームとなっています。